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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第03章:迷宮編
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0053:作戦決行 後編


一瞬、誰か巻き込まれていないよな、何て考えが脳裏をよぎる。


だがそれは杞憂であった。

即座に影から飛び出すようにこちらへ駆け出してくるテクス、ドラン、タクトの三名。

そしてまたも再び、ゴーレムの鼻先を飛び回るテレーザの光。


ホッと一息つく間も無く、テレーザは次の誘導場所へと進みだした。


次の目標地点は、アルバート氏の連れ。

例の獣人達の居る立坑だ。


再びの振動と、ドシンと響く音。


それに気付いてか、連絡に赴いていたナイア嬢は慌てて立坑を離れた。

連絡の行っていたであろう獣人達は、既に頭所か半身を立坑から乗り出している。


こちらの立坑は、左右に水の溜まった場所があるわけでもない。

だが、それでも何もできないわけではない。


テレーザの誘導で目前まで迫り、腕を振り上げる。

即座に彼女はその場を飛び退き、俺達の元へと跳び戻る。

彼女の仕事はこれで終いだ。


「兄貴来た!来たよぉ!」

「逃げるぞ!」


彼らも、ゴーレムの振り上げた巨腕を見るや否や、即座に坑道から飛び出す。

それを追いかけるように、武器を構えたノーム達が飛び出し……


次いで、衝撃。


先ほどまで居たノーム達は、その一瞬の一撃で姿を消した。

また一つ、ゴーレムの腕が赤黒く染まる。


「成程…こっちだ木偶の坊!」


そして、例の獣人の一人、兄貴とか言われていたヤツがゴーレムを誘導し始めた。

当然、動く相手を追いかける仕様のゴーレムが、追いかけない訳が無い訳で……


装備自体が軽装なのもあって、彼はひょいひょいと攻撃をかわしながら誘導していく。

誘導していく場所は…


「ぁんのバカッ!」


気が付いた時には時既に遅し。


彼は立坑の淵まで攻撃を誘導し、次の瞬間、巨腕が振り下ろされる。

対してヤツはその場を勢いよく飛び出した。


一撃が地面をえぐる。

だがその場所は、他よりも一回りも二回りも大きい、中央の大型昇降水路。


飛び出したヤツは、反対の淵で待機していたであろう双子のもう一人に向かってロープを放り投げた。

もはや何事でもないかのようにそれを手に取り、その場で壁伝いに着地する。


対して、淵はその一撃で大きく崩壊し、ヒビが走る。

そしてゴーレムの重さに耐え切れなくなり、即座に崩壊する。

動き倒す事しかできないゴーレムは、そのままその大穴に吸い込まれるように落ちていった。


断末魔も、悲鳴も上げる事無く、ただただ穴の底へと。

次いで、衝撃音と崩落音が響き渡った。


「いぇーい!」

「さっすが兄貴!」


対して、上りきりハイタッチしながらこちらへと歩いてくる獣人コンビ。

揃いも揃って俺達に向かってピースサイン。


「こんのバカ共ぉッ!!」


なおその返事はアルバート氏の怒号でした。


そりゃそうだ。


本来なら、道を潰したら作戦終了だった。

ゴーレムはこの場で上ってくるノームを駆逐し続ける。

ノームはココより上に行けず、更なる繁殖もそう起きないだろう。

後はこの場から立ち去ればいい。


そう、立ち去ればよかったんだけども……


「何を勝手なことをしとるか!」

「だって…ナイアのポンコツに一泡吹かせたかったし……」

「兄貴に同じく」

「ナイアから話を聞いとらんかったのかッ!」


その言葉と共に、ふとナイア嬢へ視線を向けると、なんとも申し訳なさそうな表情。


「なんかワタワタしてるだけでよく判んなかった」

「だよな」


oh……。

なんか全然声聞かんと思ったが…喋るの苦手なのか、コミュ障なのか……。


「フゥ…フゥ…… こいつらはワシの養子、双子の兄妹で……」

「ども、トールっす」

「エールでっす」

「軽いなぁ……」


自己紹介はいいが、反省してるのだろうかこの双子。


次に起きるのは、アルバート氏の怒号。

全部終わったからか、もうトコトンまで怒ってる。

しかも治療受けながら。


「でもアタシ達にナイア寄越したのも問題あるんじゃない?」

「そうだよ」

「喧しいッ!」


なんとも締まらない光景である。

まぁまぁ、なんて宥めながら、とりあえず作戦を終えて助かったことを喜びましょ。

立坑は崩して、上りにくくしたんだし……



…と、ふとイーリスの肩に留まっていた大福が、立坑の方へと視線を向けた。

次いでいつもの威嚇音。


それに真っ先に反応したのは、他でもないシャルリア様。

何かあるのかと視線を向け、ぴゃっなんて声を上げて彼女は気を失った。


えっ、なんて思い全員が視線を向ける。


そこには、崩れた立坑を上ろうと必死に動く影。

破壊し切れていない、まだ登る余地があったのか、等と思う間も無く。




――バクリ




その蠢く影は、長い何かに喰らい付かれた。

その影は大穴から伸び、立坑に繋がっている。


滑らかな鱗とツヤ、シャルリア様が気絶したと言う事実。

もう説明の必要も無い程に巨大な大蛇が、その頭を突っ込んでノームを喰らっている。


「…ナニアレ?」

「…デスパライズヴァイパー、このダンジョンの最上位生物じゃ」


アルバート氏の言葉に、意図せずヤツを開放できた事を喜ぶべきか悲観するべきか、悩む間も無く魔力を収束させた。

こっちを睨んで来る前に……


「退避ィ!」


扉を開いて、全員で駆け込んだ。


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