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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第03章:迷宮編
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0036:旅メシ


とつとつ、と道なりに歩みを進める俺たち。

場所は異世界、次の街への道をのんびりと進む。


時期は現代と変わらず、春めいた穏やかな陽気。


ただ歩いているだけなのにもかかわらず、それなりに足取りも軽い。

それもそのはず、敵も無く、脅威も無く、天気もいい。

木陰で休めば眠ってしまいそうな感もある。

半ばピクニックのような空気である。


まぁ何よりも滅ぼすべき災厄たる杉の木が無いのが一番いい!


後は自分の足で歩く事が無ければ一番なんだが、流石に無理があるか。

車でもあれば楽なんだが、持ってくるワケには行かんし。


ま、歩くのにも慣れたし、運動不足だったし、ちょうどいいか。


上空でキィー、キィーと鳴く異世界の鳥を見上げる。

太陽は直上、ちょうどお昼時。

腕時計も12時ちょっと過ぎを示している。


「よーしあそこで一旦休憩ー」


俺はそう言って、先にある道端の木を指差した。

それを見たタクトとイーリスは、競うように駆け出した。

まるで兄妹のように仲がよろしい様で。

お兄さんは嬉しいよ。


…背後でタクトが自分から離れて、若干ギギギとなってるシャルリア様は見ない。

くやしいのぅくやしいのぅ。


だからって呪詛の類は止めてね。

魔法のあるコッチだと洒落にならないから。


そう言ったらしませんっ!と怒られてしもうた。

もうしわけないのぅもうしわけないのぅ。


通り過ぎ際に後頭部をペシリとやられた。

まぁ威力無いし、どうせテレーザだろうけども。

いみないのぅいみないのぅ。


「ゲンはもういいっちゅうに」

「あだっ」


あやめから普通の一撃を食らって痛い。

ギギギ…




 ~~~




木陰で全員座って一時休憩。

とりあえず昼飯として持ってきていた色々を用意する。


…とは言っても、簡単なヤツばっかり。


あやめ手作り、梅・鮭おにぎりと漬物のセット。

魔法で作るお湯で湯煎する缶詰と白米。

元酒のツマミであるジャーキーやらサラミ。

携帯食の代名詞であるゼリー飲料とカロリーブロック。


…バリエーションに富んでるのは全員の好みに合わせた結果。


おにぎりは俺とあやめ用、本来はコレだけだった。

その後、テクスとシャルリア様は簡単な物…おにぎりの具にどうだろうと出していた缶詰を指差してコレでと。

ツマミ系は当然の如くドラン、合いそうだと酒まで持ってきた……もう何も言わん。

後はお菓子同然なのもあって、タクトとイーリスがこれがいいと。

残りの小動物組みはあちこち飛んでちょっとづつ貰っていくとか……


今回自由すぎませんかね。

まぁ、他の異世界の人に見つからなければいいけども……



こうして皆が皆、いただきますと食事を始める。


当然俺もおにぎりをパクリ、と口に咥えた。

もぐりと噛み切り租借をするが、海苔と白米の味だけ。

断面を見ると白一色、当然の如く具に届いてない現象に、悲しみを覚える今日この頃。


最初の一口は、切ない。


悲しみを乗り越えるべく、漬物をポリっ…と咥えた。

程よい塩加減が悲しみを中和する。


「…皆異世界の食べ物に驚いたりしなかったの何でなんだろ?」


そう租借しながら、周りの光景にポツリと呟いてしまう。


異世界の食事って言ったら、調味料も何もあったもんじゃない。

あって塩、無ければ素材本来の味という、現代日本人には辛い味。

もはや火を通しただけ、なんてのもありえるから困る。


対して現代は、多種多様の化学調味料の山。

企業の努力の結晶により、日本以外の料理も簡単に作れる始末。

もう味の差に決定的や雲泥の差所じゃない。


あえて言うならそう…銀河とスッポンぐらいに。


「月越えて銀河とか」

「しかもはるか彼方の銀河系レベル」

「テェ~~~ンテテテェ~~ン♪」


メインテーマを口ずさむのを止めろォ!

版権元がネズミー帝国に変わったんだから怒られるわ!


そう急いで止めつつ、聞いてみる。

それに対する返答はなんとも簡素なものだった。


「珍しい物は食べなれてたから…」

「私もですな」

「それなりの食事環境でしたので…」

「同じーく」


テクスとイーリス、シャルリア様とテレーザはそう語る。


「卵とかには多少は驚いたけど…」

「異世界じゃし、もう驚かんわぃ」


残りのタクトとドランはそう語った。


珍しい食材とかに驚く驚かないの差ってそういう事ね。


イーリスとテクスは元貴族故に、ある程度珍しくてもそんなに驚かない。

てか食事に大騒ぎする生活じゃなかったのもあるか、貴族の嗜みってヤツ?

シャルリア様達も二人と同じで静かに美味しく頂いてましたね。


…対するドランとタクト、元庶民組みは卵だったり魚だったり、珍しい食材にワイワイ騒いで食べてた。

が、2・3度続くともう驚きなれたのか……


なお、テレーザと大福は小食も小食だから少し食べておなか一杯、で消えるから反応も何もなんとも。

相変わらず作りがいの無い!とはあやめの談。


「異世界の未知の食事に驚くってのは、何というか…あって当然だと思ってました…ハイ」

「食べるごとにオーバーリアクションって事?」


ソレは流石にうっとおしいかな!

そう思いつつ、全員の昼食の際に出たゴミをまとめ、向こうに放りこんで移動を再開するのだった。


うーまーいーぞー!!!!

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