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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第02章:神託編
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0025:雨の逃避行

最初の方の修正で一日一話だけになるとキッパリ言ったばかりなのに……

スマン、ありゃウソだった。

でもまぁ、修正も終わって連続更新で新しい話が読めるって事でさ。

よろこんでくれ。


「色んな意味で疲れた……」


リビングの机で、風呂上りの格好でグデッとなる。

行儀わるーい!とイーリスに言われるけども、それ所じゃないねん。


主に精神的に。




…歩いて数時間、到着した街に入る際に門番に止められる。

何人入ってくるのか知る必要もあるし、当然入街料の徴収もある。

そりゃ知る必要もあろう、と現在のメンバー構成を説明することになる。


冒険者ギルド「双頭の竜」に所属している事を、ギルドカードを見せて示し、指差し説明。

とりあえずは自分、あやめ、イーリス、テクス氏。

次いで小僧、ドラン、そして……


「こ、これは神官様!」

「ご苦労様です」


シャルリア様!とでも叫びそうな門番は、嬉々として敬礼をした。

教会の影響力…と言うより彼女の人気を舐めてた、と言わざるおえない。


結局、俺達パーティー7名揃って、入街料の支払いが免除された。

所属ギルド云々ではなく、シャルリア様のご尊顔によって。


…何の為のギルド登録だったのか、甚だ疑問である。



その後は街に入って宿を探す。

それ程高く無くていい、安宿を。


と思えば、ここでもシャルリア様の影響が出てくる。


気が付けばこの街で一番いい宿に決まってた。

…しかも俺達と彼女達で別々の部屋で。


金の節約になってないじょのいこ!

どうせ実家に戻って使わないんだし!


…が、ここでも彼女の人気はヤバイ。

結局二部屋丸々無料提供された。

彼女達は判るが、護衛の俺たちもってどういう事やねん……


結果はメッチャいい部屋に4人案内された。

その後はサッサと転移扉、実家に戻ってハイお疲れ。



正直、気苦労がハンパ無い。

精神的にガチガチに疲れるレベルで、非常に辛い。

お付の人だからってコレでは、正直気が休まらんわ。


「とりあえず飯なぁにぃ……」

「から揚げー、直ぐ揚げ終わるよー」

「そっかー……」


だるんとした状態で冷蔵庫をオープン。

今日はちょっと酒の力を借りて楽になろう、とストロングなチューハイを選択。

一杯でほろ酔いになって気持ちよく寝よう、うん。


暫くしたら大皿にいっぱいのから揚げの山。

ご飯や味噌汁やらも用意して準備万端。

そのまま皆で、大福も今夜は一緒にいただきます。


「はいレモン」

「こっちに向けるな」

「かけていい?」

「そう言ってお前、昔俺にぶっかけたの忘れてねぇからな」


アレは痛かった……


夕ご飯の時間は静かに続く。

俺の飯は軽く一杯だけ、おかずのから揚げはそのままつまみになるから。


ってアレ?


「どうした大福、天井の隅見て唸っちゃって…」

「なんだか…今日はこっちに来てもずっとこんな感じで……」


イーリスちゃんはそう心配そうに呟く。

何でかずっとクルル、と唸ってる。

何か居るのかしら?


「猫とかがやる仕草と同じみたい…フクロウもやるんだなぁ」

「なぁにそれ?」

「フェレンゲルシュターデン現象て言ってね」


こいつ息をするように嘘をつきやがった。


そう思いつつ、あえて修正せずに小皿に取り分けたから揚げに箸を……

…アレ、俺のから揚げが消えた。




 ~~~




扉を開け宿の部屋に戻ると、外は大雨。

あまりのざんざん降りに嫌気が差す。


とりあえず部屋に戻って黒の雨合羽を全員分、一番後ろに居たあやめに取ってきてもらう。

昨日の夕方、この街に来た時には雲は無かった筈なのに、なんて思いつつ。


次は集落を二つ。

距離はそれ程離れていないようなので、直ぐにでも着く筈。

全員で宿のロビーでそう話し合う。


「ふむ…距離的には、少々急げば二つ目の集落までいけそうです」

「でもこの雨だろ? 無茶せず確実に行った方が……」

「…いえ、次の次の集落まで、一気に進んでしまいましょう」


テクス氏との話し合いに、そう横槍を入れられた。

その相手は、シャルリア様。


「えー…その心は?」

「神託が下りました、進めば道が開けると」


ほんまかいな。


結局シャルリア様に賛同する小僧とドラン。

俺達もまぁ問題はないとそれに追従することに。


「これが後に、最悪の結果を生むことに成るとは、今はまだ誰も知らなかったのです…」


不穏なナレーション付けるのを止めろ。




 ~~~




「あのナレーションのせいだろコレ!」

「知らないよぉ!」


そう言って雨水を冷却し、氷柱を生んで射出する。

吸い込まれるように、蠢くソレに突き刺さるが、一切変化は見られない。


「ドラン殿!」

「わかっとるわぃ!」


次いでズドン、とハンマーが振りぬかれ、ソレは大きく吹き飛んだ。

だが、その一撃を受けながらも一切止まる気配はない。


「どれだけ居るんだ!」


小僧の叫び声に同意せざるおえない。




…辺りは暗闇。

雨は激しくなり、日が出ているのかすら判らない程強烈だった。

そしてその結果、日が落ちたことに気が付かずに前進。

雨による進軍速度の低下もあって、結局二つ目の集落に到着するより先に、日が落ちた。



そして、俺達は冒険者達が野営を恐れている理由を知った。



最初は、周囲の地面がぼこり、ぼこりと隆起したのが始まり。

カエルか何かかと思っていたが、メンバーの反応が違う。

ハッキリ言って、マズイとかしまった、といった反応からしてヤバイ事を悟る。


次の瞬間、地面から現れたのは――アンデットだった。


腐った肉体、所々に見える骨、朽ちかけた鎧。

目の中には薄ぼんやりと光が点り、生きていない事がハッキリ判る。


ゾンビが、骸骨が、幽霊が。

自分達の縄張りに入ってきた生者を食らおうと、日が落ちるのに合わせて起きてきた。


一体一体の強さはそれ程でもない。

ゾンビに感染したりも、幽霊に取り付かれたりもしない。


問題は数と、その無敵な肉体だ。


頭を潰そうが、胴体を切り離そうがお構いなし。

骨を砕こうが、穴だらけにしようが止まらない。

挙句幽霊に至っては、こちらの物理的な攻撃手段は一切効かない。


徐々に道から離れ、追い詰められていく。


「この辺りは古戦場のど真ん中、素材には困らんのでしょう」

「だからってこの量は反則でしょ!」


テクス氏のその一言に悲鳴染みた反論をしつつ後退を続ける。

シャルリア様曰く、魂や霊は場所に縛られている関係上、一定以上は離れられないとの事。


だが現実は最悪。

追い詰められ、背後の岩場を最後に逃げ場を失った。


道が開けるとは一体…うごごご……


「何か手はないのか!転移魔法は!」


大変そうねタクト君、倒した敵もう何体目だい?

もう小僧とか言えねぇやハハハ。


「近場に飛んでも別のアンデットに囲まれるだけです。

市街地か集落なら別でしょうが……」

「酒のせいで覚えてねぇや」

「このハゲー!」


ハゲてねぇ!


しゃぁねぇだろあんな精神的に参ってる状態で。

覚えてられるとお思いか。


もうダメかも判らんね。


「いや!策はあるぜ!」

「ジョースター家伝統の戦いの発想法でしょそれ」


バレテーラ。

とりあえず声のボリューム落として作戦会議。


「とりあえず作戦として…」

「あるの?」

「諦めてあいつ等の仲間になる」

「スリラーでも踊る気か」


あやめさん目が笑ってない。


「二つ目、俺達だけ向こうに逃げる」

「お…置いて行っちゃうの?」

「ううん可能性の話ー」


だから涙目にならないでイーリス、俺それ程鬼畜違う。


「玉砕覚悟で突貫ってのもあるよね」

「^q^イクゾー」

「^q^ワー」


とりあえず思いついたように駄弁り始めるいつものパターン。

遊んでる場合か。


「そうなると後は全員で?」

「…しかないでしょ」


そう言って俺は、背後に転移扉を作った。


逃げるんだよォォォーーーーーッ

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