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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第01章:家族編
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0011:パーティー結成


ようやく仲良くなった所でお昼の時間。

こういった複合施設に必ずあるフードコートで頂く事に。

ハンバーガー系より麺類が偶に食べたくなって困る。


とりあえず全員注文しいただきます。

因みに先にフォークの突起がついたスプーンがあったので全員問題は無いです。

むしろ注文する際に日本語大丈夫かと思ったけど、そういや向こうにはアレがあったんだよね。


魔法の巻物スクロール


一度詠めばその効果を永続的に付与する専用の巻物。

魔法の効果を魔方陣に書き込み、使用者がそれに触れる事で効果を発動するという。


一度読めば、相手はこちらの発する言葉を理解し、また相手の言葉も理解できる。

学のある連中や冒険者は、異種族や国家間での会話や文字の理解が可能になるように詠むんだって、アルバート氏が言ってたわ。

俺たちは俺達で、こっちに召喚された際の魔方陣に通訳系の文字か書き込まれてたらしい。

道理で読めない異世界言語を見てもスラスラ理解できる訳だ。


因みに魔法を即時発動させる使い切りもあるけど、あっちはペーパー式だってさ。



閑話休題それはいいとして



食事は滞りなく美味しく終了。

…まぁ異世界組は若干啜るのに手間取ったようだけども、美味しく頂いたようで。


その後はデザートと称してアイスを追加で注文。

さっきもソフトクリーム食べたけども、まぁ甘いものだし別腹別腹。


異世界の甘味にテクス氏は驚きと感動。

そしてイーリスちゃんの美味しそうな顔にあやめがニッコニコしてる、アンタも好きねぇ。

自分も一緒に一口、冷たさが実にいい。


そんなことを思いつつ今後の予定についてだが……


「とりあえずテクス氏とイーリスちゃんは、家で一緒に生活することになるけども……」

「何から何まで…感謝してもし切れませんな」

「いやいやこちらこそ」


互いに頭を再度下げ合うが、まぁ続けても不毛なので切のいい所で切り上げ。


「…で、今後は向こうでの冒険には全員で向かおうと思います」

「…全員? 四人でってこと?」

「Yes」


あやめの問いにそう答えつつ、二人に向き直る。


「ここまでしておいてもらって、NOとは言えませんな」

「何か悪いね、無理強いさせちゃったみたいで」

「いえ…ですが……」

「ん?」

「…お嬢様もご一緒なのは何故なのです?」


テクス氏の問いに、ああそうかと説明を付け加える。


「いや、こっちに残すにしてもさ…もし俺の身に何かあったらこっちで暮らすことになるでしょ?

そうなるとあとは一人で此方で生きる事になるが…それは流石にね?

もし俺が残るにしても、移動先の光景をしっかり覚えないと転移扉がさ…」

「そっか、移動先を知らなきゃ転移も何も無いのか」

「そゆこと」


じゃあ3国同盟時のは?っていう話なんだけども。

あれはアルバート氏の写し鏡で見た光景に飛んだだけ。

アレ使用者の記憶映してるだけなんでな。


ついでにもう一つ理由がある。


「…後はこっちの食事は栄養価もエネルギーも格段に上だからね。

もし食べるだけ食べて動かないようだと……あっという間にデブるよ」

「い…いや、流石にお嬢様がそんな……」


スマホからインターネットブラウザ起動。

「子供 デブ」画像検索。

そこに出てきた画像をテクス氏にのみ見せる。


ギョッとした表情をした後、アイスを美味しそうに頬張るイーリスちゃんを見やる。

口にスプーンを咥えたままきょとんとした表情をする彼女はかわいいが…それが、と考える。


「…そうですな、適度な運動は健康に良いとされていますからな……」

「理解してくれた様で…」


流石にこんなかわいい娘がブヨブヨになるのは見たくないわな。



そこからは冒険に関わる話から、今後の生活での云々まで。

アレが無いそれがあれば欲しいそういえばアレも必要か、なんて会話が続く。


そんな中、ふと思い出したように例の毛玉の話題が上がる。


「そう言えばあのフクロウは?」

「あぁ『ヤガリフクロウ』の事ですかな」

「あの子フクロウか」

「一応アレで成体ですよ」

「「アレで!?」」




―ヤガリフクロウ


モンスターではなく猛禽類、フクロウの一種。

身体も非常に硬くタフであり、人間の食べ物も好んで食べる雑食性。

全長は最大で約8㎝ほどと非常に小型であり、飛行もごく短時間しか出来ない。

ここまで極端なのは、元々このフクロウは狩りを一切しないからなのだ。


本種の生態は非常に特殊で、常に多種の巣に「居候」をする。

その間はその家主の取ってきたエサを共に食べ、夜になるまで眠る。

夜になると家主の代わりに起き、夜通し巣を警備する。

もし何かがあれば即座に大きな鳴き声を発し、家主を起こし危機を伝えるという。


自分の巣を持たず、他者の巣でそこの雛と共に孵り、雛と共に成長し、巣立ちする。

ヤガリフクロウの「ヤガリ」とは、即ち「家借り」を指す言葉なのだ。




「…ヤガリフクロウは冒険者達にも懐きます。

小柄で小食、それでいて雑食で目もいい。

冒険者パーティーの夜間の見張りをしてくれる優秀な存在なのです」


あの毛玉にそこまでの能力があるとは思えんのだが。

…だって木から落ちて尚寝てたんだぜ?


「…まぁ居ても問題は無いんだよね?」

「えぇ、むしろ非常に有益です。

昼間でも危険が迫れば大声で鳴きますから、危機探知にもぴったりです」

「ならイーリスちゃんに懐いてるし…」


そう思い、彼女のポケットにでも居候してもらおう。

なんて思って静かなイーリスちゃんに視線を向ける。


そこには、静かにすやすやと寝息を立てる彼女の姿。

…おなかいっぱいで、こんな小難しい会話ばっかりではそうなるか。



俺たちは揃って苦笑いすると、静かにかに彼女を背負ってこの地を後にした。


種族:ヤガリフクロウ

命名:大福だいふく

命名者:イーリス

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