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RPGは村人から

「うおおおおおお!!!」

俺は剣を握った右手の拳の力を強めて、ゴーレムの方に走る。

ゴーレムはルルから俺に焦点を変えたようで、最初とあまり変わらないスピードでこちらに向かってくる。

「くぅ…」

剣を使えるようになったからと言って体力が増えるわけでもなく、ゲージは赤く点滅したままだ。

痛む腹を左手で押さえながら、剣を左に振りかぶる。

ゴーレムとの距離がだんだんと近くなる。ゴーレムは左手を振りかぶり攻撃の準備をする。

たぶん次に攻撃を喰らったら俺は死ぬ。俺はタイミングを伺いながら、剣を握る拳の力を強める。

「ぐぉぉぉおおお!!!」

ゴーレムは左手で俺に最後の一撃を与えようと、左手を俺にぶつけようとする。

が俺はそれよりも早く剣を振りぬき、ゴーレムの右足を切り裂きバランスを崩させる。

「うごぉ」

思惑通りゴーレムは右に倒れる。渾身の一撃をお見舞いできるであろう時間を無駄にし、ルルの方に向かって今できる全速力で駆けよる。

「ルル!逃げろ。俺が足止めをする」

恐怖で足がまともに動かないルルを肩で支えて立ち上がらせる。

「え?でも、どうするの。私もここにいる!」

ルルは首を横に振りながら、俺の言うことを聞こうとしない。

「お前に迷惑をかけたくないんだ!早く行け!」

俺も気が動転しているんだろうか。少し強い口調で言ってしまう。ルルは少しおびえた表情をした。

「俺なら大丈夫だ。安心しろ。とりあえず逃げろ、俺にかまわず」

ルルは俺の言うことを認めたらしく、俺に背を向けて出口に向かって走っていった。

「さて…」

俺はゴーレムの方を向き直し、剣を構える。さっき俺が切り裂いた手と足は完全に復活しており、五体満足のゴーレムに戻っていた。

が、距離はすこし離れている。俺は右手の中指をスライドしメニューを起動させ、その中のステータスを起動する。

「やっぱりレベルは1か。MPも0…。このキャラクターはなんか特徴とかないのか!?」

ステータスにはRPGで良く見るものがあった。

俺が属している職業は……、

「む、村人!?」

俺はそこに書かれた文字を見て驚愕していた。今までやってきたRPGの中で「村人」という職業は見たことない。

「要するに特徴がない、ってことか?」

俺は疑問に思いながら、ステータスを閉じて装備画面を開ける。

そこには俺が今装備している剣。「神狼剣・フェンリル」と書かれた剣が装備されていた。

その名前をタッチしてみると、

「剣自体に膨大な魔力を有しており、使用者の魔力を全く受け付けない異質の剣。だが、その固有の魔力から放つ一撃は全てを切り裂く。七宝のひとつ」

と説明が書かれていた。

「とりあえず、使えるってことでいいんだよな?」

俺は再度右手の中指をスライドし、メニューを閉じる。

目の前ではゴーレムが少しずつだが距離を狭めてくる。さっきよりだいぶ速さが遅いのを見ると、俺の攻撃がきいてるんだろう。

「とりあえず、早めにこの戦闘を終わらせないと…。俺の方が危険だ」

さっきから右上の点滅している赤いゲージが俺の心を揺さぶっている。死と隣り合わせという状況を身を持って実感していた。

「必殺技…。やっぱRPGの定番だよな」

手に持っているフェンリルを見つめる。七宝となんかレアアイテムっぽいこと書かれていたから、必殺技ぐらいあるだろう…。と言ってもそれを調べる方法が分からない。

『必殺技の出し方』

突然目の前にロゴが浮かぶ。

『この剣には他の武器とは違う機能が実装されています。それこそが必殺技です』

「って、こんな長々と説明が続くのか!……ってあれ?」

この説明が続く間にもゴーレムが迫ってきていると思っていたが、そうでもない。どうやら時が止まっているようだ。ゴーレムはピクリとも動かない。

『この剣の魔力を引き出すことによって、この剣が持っている4つの必殺技を繰り出すことが出来ます』

なるほど…。この剣は4つの必殺技をもっているのか…。

『必殺技を繰り出す秘訣。それは剣と心を一体化することです』

ゲームにそういう感情的な部分が関係してくるのか…。RPGの世界と言ってもリアリティはあるな…。

『さぁ、あなたの力を持って必殺技を自由に繰り出そう!』

説明がいかにもRPGという感じがする。だんだんとおもしろくなってきた。

「よしっ」

俺は剣を構えたまま、目を閉じ脱力する。時間が動き出したらしく、ゴーレムが動く音が聞こえてくる。

それでも俺は意識を集中させていた。

「はぁぁ…」

だんだんと体に不思議な感じが包まれてくるのが分かる。

「イケる!」

俺は目を見開き、腕に力を入れる。剣が青いオーラが纏っている。これがこの剣のもつ特有の魔力なのだろう。

「うおおおおお!!!」

俺は剣を左に振りかぶり、意識をもっと集中させる。

「ぐぉぉぉぉおおおお!!!」

ゴーレムは右手を使って俺を殴るつもりのようで、右手を小刻みに揺らしている。相当の力を入れているのだろう。

だが、

「俺の勝ちだ、ゴーレム!」

この剣の膨大な魔力を肌で感じ、勝利を確信した。もうゴーレムなんて敵じゃない。

「でやぁぁぁぁああああ!!!」

そして俺は剣を振りぬいた。

『神討つ一閃』それがこの必殺技の名前だろう。

その名の通り、剣が描いた軌跡に物すべてを完全にきりさいていた。

さっきゴーレムが切り裂いた箇所を完全に再生していたところを見ると、やはりこの世界はHP制だ。

だが、この一撃はゴーレムを葬るのに十分だった。

この一閃に切り裂かれたゴーレムはくずり落ち、ポリゴンとなって消えていった。

「はぁ……はぁ……」

俺はその場に崩れ落ちた。心臓の鼓動の音が鮮明に聞こえる。

「はぁ‥‥…。お、終わった」

さきほどの騒ぎがなかったかのように、この洞窟は静かだった。

俺の視界にはずっと点滅していた赤いゲージと、


『チュートリアルクリア』というメッセージが浮かんでいた。


表現力のなさ…

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