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不本意な縁組4

 静と飛鳥はまだ清い仲だ。

 友人のように肌を触れあわせることはあっても、男女の交わりはない。とはいえ、この頃は婚約を意識して、飛鳥の様子が変わってきてきたのを静は感じていた。武勇の仲で、遊び仲間でもあるものの、着替えの際には別室に行く。

 飛鳥は静を色の遊びや遊び仲間と近づけたがらなくなってきた。


 あまりの真面目な変貌に静が「いい人が出来たの?」と茶化せば、「そんなの、分かるだろ?」と飛鳥は一言でおさめてみせる。


 色に鈍感な静でも、たしかに分かった。飛鳥は静との婚姻のために、身を清めたいのだと。静もまた、ふざけた遊びはしても、誰にも身体は許していない。

 にも関わらず、飛鳥との仲をはなから日陰の道へとすすめられるのは本意ではない。


「破談にします。今の縁をないがしろにせよといい、姦通をすすめる。そんな人を尊敬できない!」

「しかしすでに、麒鞠からたつの根をいただいてしまっている。碧羅の繁栄の魁となるだろうと」


 麒鞠は根という力の込められた玉を持っている。婚姻関係を結んだ家に渡し、友好の証とするのだ。しかし、根を渡した麒鞠は力が漏れ出すとされる。麒鞠は圧倒的な王の座を失い、他家との力の交流を行う。麒鞠からすれば、根を渡すことは諸刃の刃であるのだ。


「なぜ?出し渋りこそすれ、なぜそんな早く根を?根を渡してしまえば、麒鞠は権力を誇示しにくくなります」

「それほどまでに、静、お前を望んでいるようだ」

「麒鞠の王子は愚かなのですね。自身を愛すわけもない者を無理矢理に召し抱える。道理に反している上に、ややこしい取引を持ち掛けるとは、愚か者のすることです!」


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