浜崎町 祖父との思い出
私の祖父は新しいもの好きだった。当時の最新機種だったカメラで、よく写真を撮っていた。
もし、今生きているなら、パソコンやスマートフォンも簡単に使いこなしてしまうだろう。
そんな祖父のアルバムを眺めていると、一枚の写真が目に留まった。そこには、栄町にあるハンバーガーショップのハンバーガーを持った若かりし日の父が映っていた。
そのハンバーガーショップはアメリカンな雰囲気で派手な外装だった。
父も祖父も、今は亡くなっているから、こうして生きていた瞬間を見るのは不思議な感覚だ。
その写真を志保に見せると、驚いていた。
「お義父さん、結構ハイカラだったんだね」
「ああ、今となっては珍しくはないものだが、当時はそうではなかったからな」
普段はそう感じないのに、ハンバーガーが美味しそうに見える。
「ここに行ってみたいな」
「その店、今は無いみたいだけど…」
志保はスマートフォンを開いてすぐに調べていた。
「浜崎駅に同じ店があるみたい」
「じゃあ、今度の週末そこに行こうか」
私はそう志保と約束し、部屋に戻った。
それから、週末になった。私達は三人で浜崎駅に向かった。
駅に着くと、志保はまず駅前のショッピングセンターに向った。それから服を買い込み、私に紙袋を持たせた。
「こんなに買って大丈夫なのか?」
「うん、これぐらい必要だからね」
志保は腕時計を見た。そろそろお昼時らしい。
私達は、駅前のハンバーガーショップへ向かった。その店は写真のような派手さは無く、カフェのように落ち着いた内装だった。
店は混んでいたが、志保が席を取ってくれた。
それから、志保は席でスマートフォンを操作している。
「何をしているんだ?」
「モバイルオーダー、最近のお店はやってる所多いよ」
志保は私と優太の分をまとめて注文した。それから、カウンターに並んで商品を受け取る。
「私は竜田バーガーセット、茂はフィッシュバーガーセット、優太はハンバーガーセットね」
私はトレーを受け取り、早速フィッシュバーガーを食べた。
「美味しいな」
優太はバニラシェイクを、志保はコーヒーを飲みながら、それを見ている。
「なんか、茂がこういうの喜ぶのって、意外だね」
私はアイスミルクティーを一口飲んだ。
「お祖父ちゃんの思い出に触れられたのもそうだが、こうして家族で外食するのが嬉しくてな…」
「そっか…」
志保はフライドポテトの山を食べながら、コーヒーを飲んでいた。
そうして私達三人は、それぞれのハンバーガーを食べた。それから、店を出て、家に帰った。
このお店は青波台にもあるそうで、今度はそこに行こうと約束してくれた。




