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脚本家もどきの日常。  作者: まめたろう
6/13

06 演劇部の事件。

―話をを元に戻そう。



ちょうど僕がお嬢様(仮)から逃げた頃、ドアが開いた。


助かったー…。

あのままとかキツすぎる。


「あら、何のことですの?」


いたー!!

お嬢様(仮)が、前にいたー!!

何でここにいるの!?

え!?もっと席前じゃないの!?

何で何で?


「背の低い方がいらしたので、変わりましたの。」


えーーーーー!!


「あら、何か不都合でも?」


「…いえ、何もございません。」


…どうしようかなぁ…。

…席、変わろうかなぁ…?


僕が無言で検討していると、

「羽島君!!」

誰かが呼ぶ声がした。

…気のせいだよな。

「羽島君、羽島君!!」

…この声は、きっと綾瀬先輩だ。…ってことは、またパシりかぁ…。


前の席の嬢様(仮)に会釈して、先輩の方へ行く。


「先輩。何でしょう?」

「…大変なことが起きたの。着付けの子が一人真っ赤な顔してて…。何となく具合悪そうなの。悪いんだけど、保健室連れていってくれない?今みんな手が離せなくて…。本当にごめん。お願い…。」

「わかりました。誰ですか?」

「1年生の加藤さんなんだけど…」

…嫌な予感がする。

「多分、今、もう一人の子がみてると思うけど…」

「わかりました。」

「特別活動室にいると思うから。ごめん、よろしくね。」


言い残して先輩は走って行った。

…先輩も大変だなぁ…。



僕は走って特別活動室へ行き、ドアをノックした。

「はい。」

はっきりとした、男子の声だ。

僕は少し安心して入った。

部屋の中には、椅子に腰かけた少年と、


ベッドに横たわった、さっき僕に噛みついてきた少女


がいた。


…確か彼女、愛結っていったっけ?

ついさっき、僕に噛みついてきたけど…。


入り口に立ち尽くしたままの僕を見て、少年が声をかけてきた。

「…羽島先輩ですか?」

「え、ああ、うん。そうだけど?」

「愛結をお願いします!」


そう言い残して、彼は去っていった。


…愛結ってことは、やっぱり…。

僕を毛嫌いしていた彼女だ。


…どうしようかなぁ…。

とりあえず、寝てるっぽいからな…。



結局、僕は保健室まで走っていき、養護教諭に説明し、養護教諭を連れて特別活動室に戻ってきた。

先生は、「とりあえず寝かせておいて、起きたらまた教えて。」と言って帰っていった。


仕方がなく、僕は彼女が起きるのを待っている。

…のだが、先生が帰ってはや1時間。彼女が起きる気配すらない。


…熟睡している。


なんか彼女を見ていたら眠たくなってきた…。

ふわぁ…。


はっとして起きると、僕は彼女の上で寝ていた。

…危ない。

彼女に気づかれたら、殺されるところだった。

時計を見ると、あれから30分程経っている。

よほど調子が悪いのだろうか。

心配になってきた。



それから1時間程後、彼女はようやく起きた。

起きてすぐ、彼女の目にはいったのは僕だった。

「何でさっきの先輩がいるの…?」と呟き、再び眠りについた。

夢だと思ったらしい。


さらに30分程後、彼女は再び起きた。

しかし、僕がいたので相当驚いたようで、

「な、何であなたがいるんですか?」

と、声を裏返しながら、肉食獣のような目付きで怒りを含めながら聞いてきた。

しかし、弱っているのか、前のような怖さはない。


僕は一生懸命説明した。

彼女の機嫌を損ねないように。


…説明したら、わかってくれた。

早とちりしてすみません、と謝ってきた。

…案外、いい子じゃん。



彼女が起きたので、僕は養護教諭を呼んで講堂に戻った。


しかし、既に劇は終わっていて、片付けも半分以上済んでいた。



僕は今日、何をしにここに来たのだろうか…。

なんだか空しかった。


こうして、僕の長かった今日は終わった。



ああ、そうだ。

書きかけの台本を見せる件は、どさくさに紛れらせてうやむやにした。


そして今、僕は何のお咎めもなく、家でごろごろしている。


…今日は散々な目にあったけど、案外よかったかもしれない。

台本のこと、うやむやにできたし。

愛結ちゃんっていう可愛い後輩を見つけることができたし。(勿論、いやらしい意味ではない。)


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