ねえ?私のこと好き?
◇
俺は負けたのか……。しょうがないな。
天邪鬼の力を借りないとこんなものか。
思えば俺は生前から天邪鬼だったから……。
あの時、俺の天邪鬼のせいで友人に反発していなければ、事故を起こすことも無かったんだ。
スキルを授ける女神さまも、俺のカルマはどうしようもなかったんだろうな……。
ああ……。
いや、ちょっと待てよ……。一つだけ試してみたいことがある……。
もし俺の考えが正しければ……。
しかし、もしそれが外れていたら、とんでもないことになるかもしれないな……。
◇
「じゃあもう一日だけ、お願いね」
「二人には世話になったからな」
「今度期限が来たら、本当に仕方がないからね。とりあえずの先延ばしだからね」
「二人とも、ありがとう!」
◇
◇
「ロアルさん、その、俺言い過ぎたかもしれない……。
かえってプレッシャーを与えてしまったよな……?」
「私も深く反省してるよ……」
「気にするな、何も問題はない」
「ん?」
「あれ?」
「どうした?私の顔には何もついていない」
「……」
「……」
「ねえ?私のこと好き?」
「嫌いじゃない」
「俺らのロアルさんだ!」
「ロアル様が返ってきた!」
「もっと騒げ!」
◇
「二人ともどうしたの?そんなに慌てて」
「……」
「……」
「何?」
「ルビアには残念かもしれないけど……」
「ロアルさんはもう……元に戻ってしまったようなんだ」
「まさか……?でもまだ約束の期限は来ていないはずよ?」
「でもさっき……」
「いつものロアル様に戻っていたんだよ……」
「私、ちょっと話に行ってくるわ」
「俺たちも行くぜ……」
「ルビア、落ち込まないでね」
◇
「……」
「ロアル!?」
「ああ」
「ねえ?私のこと好き?」
「ま、まぁ……好き、かな」
「あれえ?」
「あれえ?」
「なんだ、まだ普通のロアルじゃない。良かった。心配させないでよね。それじゃ」
「……」
「……」
「ロアルさん、お前さんまさか……」
「ルビアのこと嫌いになっちゃったの?どうして……?」
「おいおい、嘘だろ……。闘技場でボロボロにされて、体とか変になっちまったのか?」
「大丈夫……?」
「何も言うな、私は私じゃない」
「じゃあ……私のことは好き?」
「嫌いじゃない」
「おぅ……」
「わお」
◇
「……じゃあ何か?自らが進んで天邪鬼になることで、
スキル無効化をしながらも、スキル天邪鬼の時と同じ状況を引き出したとでも、いうのか……?」
「そうじゃない」
「そんなの嘘でしょ?ありえないよ」
「本当じゃないよ。ほら、これが普通の俺だ」
「……」
「……」
「少し失礼なこと言ってもいいか?」
「私は構う」
「急に人格をコロコロ変えるのは止めてくれよな。普通に怖いし、頭がこんがらがる」
「そうか?」
「変わるときは、私は今から人格チェンジ!って叫ぶんだよ?いい?」
「私は今から人格チェンジ!」
「おいっ、そここそ天邪鬼の出番だろっ!真に受けてどうする!?」
「俺、何か間違えたか?」
「んで、本当に普通に戻ってるし……」
「うーん、ちょっとダサいかな?」
「結構だろ……?」
「じゃあ、普通に言うことにする?」
「まあ急にコロコロ変わるのはやめてくれよ?ビックリするから」
「そうだねー、じゃあ私と一緒の時は常に天邪鬼モードでよろしく」
「理解しない」
「じゃ、じゃあ俺の時も天邪鬼モードのが……いいかな」
「わからない」
「……ん?待てよ?……ってえことはつまり、天邪鬼モードなら、またあの力を発揮できるってことか?」
「そんなことはないぞ」
「ああ、もうややこしいな」
「せっかく通常モードに慣れてきてたのもあるから、余計にね」
「問題はある」




