闘技場
俺は本当に今の状態で戦えるのだろうか。
この状態で……。
今までの戦闘はスキル天邪鬼に頼っていた。
いや頼りきりであったと言っても、過言ではない。
でも一応、体は覚えているはずだ。
だからあの時と同じように剣を振るえれば、きっと……。
◇
「頑張れーロアル様ー!」
「負けるんじゃねえぞ」
みんなの声援が聞こえる。俺はもう元には戻らない。
そのためには、ここで勝たなくてはいけないんだ。
緊張に押しつぶされそうになりながらも、ロアルは闘技場の門を潜った。
「お前が今回の相手か」
「ああ、よろしく頼む」
「よろしく頼むだあ?甘えてんじゃねえ!ひねりつぶしてやる!」
ザシュ!バシュ!
シュキン、シュイン!
シュキン、シュイン!
「そんな動きでよくここに立てたな……。王都の闘技場なめんな」
ズバシュ!
相手の剣の扱いは相当のもので、ロアルを瞬時に闇に葬った。
◇
「……ロアルは必死で戦っていたんだよ、それはみんなもわかってるんでしょ?」
「ああ」
「うん……」
「それでもふいに敵の一撃を食らって、気絶してしまったの。可哀そうなロアル……」
「……」
「……」
「思うに……」
「何……?」
「ちょっと厳しいことを言っていいか?」
「たぶん、私も同じ考えだよ」
「何なの?」
「スキル天邪鬼って、やっぱり最強のスキルなんじゃね?」
「性格も強さも最強だった気がするんだよねぇ……」
「そんなこと今の現状を見たから、私もわかってるわよ。でも……」
「伝説の魔法使い様は呪いのスキルだって言ってたけど、要は使いようだと思うの」
「なあ……ロアルさんは元に戻ってもらって、今まで通り魔王を頑張って倒せばいいんじゃないのか?」
「私もそれがいいと思うかな……」
「でも本人の気持ちはどうするの……?」
「仕方ないだろ、それしか方法がないのであれば」
「残念だけどね……」
「……まだ一日あるのだから、もう少し話し合えるでしょ?」
「まあ、俺が出来ることはするつもりだぜ」
「うん……」
「きっと何か方法があると思うの。それを一緒に探してほしい」
「あるかなあ……?」
「お願い!一緒に戦ってきた仲間でしょ?一緒に考えて!」
「ま、まあそこまで言われたらな……」
「じゃあ、ロアル様が起きてくるまでに考えをまとめようよ。……何かある?」
「そうだなあ、ルビアが何かするしかないんじゃないか?」
「私が?うーん……」
「そんなに簡単に、変われたらいいんだけどね」
「無理だろうなあ……」




