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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
エトワーレ騎士団

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216. 実験2日目2/2


今日は2人を護衛する設定で練習してみよう。

エーネさんは僕の手を握って歩いていく。

僕が護衛の練習をしてることを知ってるから、右手は空けておいてくれた。


2人を同時に守るのはやったことがないけど、将来はきっとそんな場面がある。

領主様とリーゼ様や、赤ちゃんも大きくなって1人で歩くようになったらきっと危ない。

色んなケースを想定して動かないといけない。


今度、タルツ先輩に子供を守る時の方法も教えてもらおう。


お店に入ると、エーネさんはまた僕に席を選ばせてくれた。



「クーア、シュペアは面白いことをしていると思わんか?」

「え?」


「何じゃ。修行が足りんな。

シュペアはわしたち2人を護衛対象に見立てて、護衛の練習をしておったんじゃよ。」

「え?全然気付きませんでした。」


「護衛してるって思わせないように、自然に動く練習してたから、クーアさんが気付かなかったなら成功ってことだね。上手くいってよかった。」

「シュペアは面白いじゃろ?」


「なるほど。日々の何気ない行動も訓練にして、それが新たな発見に繋がることにもなると。」

「そんなに大袈裟なことじゃないんだけど、僕はまだ弱いし経験が浅いから、たくさん経験を積むようにしてるだけだよ。」



エーネさんが今日連れてきてくれたお店は、カツレツのお店で、大きめのお皿に、鳥のカツレツとパンとじゃがいものサラダが乗ってた。


「これ美味しいね。サクサクしてる。」

「うん、これは美味しいな。」

「そうじゃろ。」


「エーネさん、午後はどんな実験をするの?」

「魔力操作の上手さが仕上がりに影響しているように思うんじゃ。

乾燥させるところと水は市販のものを使って、擦り潰したり混ぜたりする時だけトレントの道具で魔力循環をしながらやってみよう。」

「うん。」

「また魔力循環か・・・」


「シュペアはできるだけ早く循環させて、わしはそこそこ、クーアはまぁ頑張れ。

これでどれだけ影響が出るか調べてみよう。」

「そっか。確かに2人より3人で明確な差があるとデータ取りやすいんだね。

僕は、擦り潰す時に魔力を少し流したり、鍋の中身を冷ます時に冷気で冷ますのもやってみたい。

魔力も、何にも変換してない魔力を流すのと、治癒の魔術を使うのとかも試してみたら面白そう。」


「どれも興味深いな。今日だけで全部はできん。今日と明日に分けて色々思いつくことをやってみよう。」

「いいの?」


「もちろんいいぞ。シュペアの好きにやるといい。」

「うん。」



「シュペアさん、この実験は明日までと伺っています。また薬師の実験室にもぜひ遊びにきて下さい。そしてその発想を少し分けていただきたい。」

「僕は来月には修行の旅に出るから、また戻ったらでもいい?」


「旅?」

「うん。今もね、長期研修の途中で王都に一時的に戻ってるだけなの。」


「そうなんですか。えぇ、いつでも構いませんよ。王都に戻った時にはぜひお知らせ下さい。」

「うん。じゃあ戻ってきたら伝令魔獣飛ばすね。」


「伝令魔獣も使えるんですか。凄いですね。私も練習しようかな。」

「いいと思う。エーネさんも使えるよね。」


「もちろんじゃ。わしはクーアがまだ使えないことに驚いたぞ。魔術の練習をサボるでない。

これからの薬師は魔術の腕で勝負する時代になるやもしれん。」

「頑張ります。」



「あ、トレントの道具2個しかない。僕、寮に取りに行って・・・。」

「薬草を煮出す時間があるからの。それが冷えるまでに磨り潰せばいいんじゃ。そこまではわしらがやるからシュペアはゆっくり準備すればいい。ロートは関係なさそうじゃから、乳鉢、乳棒、攪拌棒だけでいいじゃろう」



「うん。分かった。じゃあ僕もう出るね。また後でねー」


僕は店を出ると、寮まで身体強化を使って走って、急いで道具を作った。

あと3セットくらいでいいかな?

5セットくらい作れたらいいんだけど、その時間はなさそう。

また夜に作ろう。


エーネさんに3セット持っていくことを伝令魔獣で先に知らせた。



閲覧ありがとうございます。

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