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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
エトワーレ騎士団

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215. 実験2日目1/2

今日は2話に分けています。


今日はエーネさんの他に王城で薬師をしている人も1人参加することになった。


「子供?エーネさん、子供を弟子に取ったんですか?弟子を取る暇があるなら、王城の薬師に指導してくださいよ。」


「この子はわしの弟子ではない。薬師でもないが、ポーションに革命を起こす情報を提供してくれた。

もうわしは弟子も取らんし、指導など面倒なことはせん。」


「シュペアです。よろしくお願いします。」

「あぁ、私は王城の薬師を統括している薬師長のクーア・アールツナイと申します。

ん?シュペア?もしや年末に名誉騎士爵になられたシュペア・シャッツ殿ですか?」


「うん。そうだけど、僕のこと知ってるの?」

「えぇ、あなた方3名は有名ですからね。」


「そうなんだ。」

「騎士団に在籍されていると聞いていますが、なぜここに?」



「えっと・・・」

僕はこの人にどこまで話していいのか分からなくて、エーネさんを見た。


「わしが説明しよう。」


エーネさんは僕が初級ポーションの材料と手順でポーションを作ったら効果の高い中級ポーションができたことを説明してくれた。

そこまでは話していいんだ。

トレントの道具を使ったことは話たけど、その道具を僕が作ったことは言わなかった。



「ということで、昨日わしはシュペアに効果は劣るが、中級ポーションの再現に成功した。

クーアお前にも再現できるのか確認したい。」

「分かりました。俄には信じがたいが、エーネさんが言うならやってみましょう。」



しかしクーアさんは最初に躓いた。

「風で乾燥ですか?風で吹き飛ばすことはできますが乾燥・・・。」


弱い風を当て続けてたけど、大丈夫かな?



時間がかかりそうだから、その間に僕とエーネさんは、市販の道具を使って、煮出す薬草は天日干しされた物、水も市販の蒸留水を使って作っていった。

薬草を擦り潰す時は魔力循環を止めて、何も願わない。何も考えないで擦り潰した。



「これ以上は魔力切れになります。」

と言って、クーアさんは騎士団に走っていって乾燥してもらった薬草を持って帰ってきた。


クーアさんは魔術で水を出すのは大丈夫だった。一度に出せる量は少ないみたいだったけど、ポーションに使う分は出せたみたい。

鍋で薬草を煮始めると、クーアさんはトレントの道具を使って擦り潰す。



「魔力は流さず、魔力循環をしながら、早く傷が治るように、痛みが消えるように願いながら擦り潰すんじゃ。」

「魔力循環をしながら?

ぐぬぬ・・・難しい、このようなことはやったことがない。こんなことに意味があるのか?」


「文句を言わず集中するんじゃ。」

「はい。」


時間をかけてなんとか擦り潰すことができたみたい。

僕たちはその間、薬草が煮えるのを待って、今は冷めるのを待ってる。



「シャッツ殿はポーションを日頃から作られているのですか?」

「ふふふ、シャッツ殿だって。僕、そんな風に呼ばれたの初めて。みんな僕のことはシュペアって呼んでるよ。クーアさんもそれでいいよ。」


「分かりました。」

「ポーションは、一昨日初めて作ったの。今作ってるので4回目だよ。」


「そうですか。それでいきなり凄いものができてしまったのですか・・・。」

「そうなの。作ってみたら、いつも見てるポーションと違う色で不安だったからエーネさんに見てもらって。そしたら、大事になってしまいました。」


「シュペア、もうそろそろ冷めたぞ。」

「うん。今度は上手くいくといいんだけど。」


僕はドキドキしながら擦り潰した薬草を鍋に加えて混ぜた。何も考えないで、グルグル混ぜた。


そしたら、青みがかった透き通るポーションができた。



「エーネさん、できたみたい。

今度こそ、ちゃんと普通の初級ポーションができたみたい。」


分析装置に通してもらうと、一般的な市販されているポーションと同じ効果のものができた。

よかった。僕でも普通のポーション作れるんだ。嬉しい。


「シュペア、よかったのぅ。」

「うん。嬉しい。」


「普通の工程で作ったんだから、そうなるでしょう。」

「クーア、水を差すでない。」


「すいません。」

「いいの。僕が失敗ばかりしてたから。やっと普通の初級ポーションができて嬉しくなっちゃった。そんなのクーアさんにはできて当たり前のことだよね。」


「シュペア、あれは失敗とは呼ばん。

大成功よりもっと上じゃよ。お主の魔術の腕や人間性もクーアより上じゃな。」

「そんなことないでしょう。」


「クーア、葉を自分で乾燥させられないようでは一人前には程遠いな。シュペアはわしより早く乾燥させるぞ。」

「くっ・・・」


そんな話をしてると、クーアさんの鍋の中身も冷めた。



「トレントの攪拌棒を使って混ぜるんじゃが、魔力循環をしながら成功するよう願いながら混ぜるんじゃ。」

「また魔力循環ですか・・・。これ、意外と難しいんですよ。」


ゆっくり混ぜていくと、微かにピンクの透き通るポーションができた。



「こ、これは・・・。」

「色が薄いのぅ。やはり魔力操作の腕が出来に影響を与えるのかもしれん。

ちなみに同じ方法でシュペアが作ったらこうなる。」


エーネさんは昨日僕が朝作ったポーションのデータをクーアさんに見せた。



「・・・シュペア師匠、負けました。」

「師匠なんて、僕はまだやっと初級ポーションが作れるようになったばかりだよ。そんな風に呼ばれても困る。」


「ハッハッハッ、クーアにもようやくシュペアの凄さが分かったか。

シュペア、また外に食事をしに行こう。」

「いいの?」


「あぁ、いいよ。今日はカツレツの店に行こう。」

「うん。クーアさんも一緒に行く?」

「いいんですか?」


「シュペアがいいならわしは構わん。」

「いいよ。」


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