214 何者って、オキムネ。〇〇〇〇に決まっているだろうw
ニャーってずっと追跡してきているな。僕とエリスは、途中で母さんの軽自動車で送ってもらったから、その間はそれなりのスピードで移動している。それでも追跡してきたのは?
「オキムネ」
ん? 何だエリス?
「眉間にしわ寄せて考え込むな。デートだろうデート。『ちょこがけぽっぷこーん』を食え」
何かまたエリスに諭されたなあ。エリスの言うことはもっともなんだけど、やっぱり気になるよね。
まあとにかく「チョコがけポップコーン」を食べようか。一杯目は二人分全部エリスに食べられたし、朝は食べられなかったしなあ。取り急ぎ一つかみもらおうか。
!
「チョコがけポップコーン」を取ろうと伸ばした僕の手がエリスの手と触れた。何とエリスはあわてて手を引っ込め、赤面。何か可愛いぞ。
「リア充! 現行犯! ちくしょー!」
うわまた出た。何者? ニャーはどうした?
「何者って、オキムネ。サダヨシに決まっているだろう」
◇◇◇
いやエリス。僕だってうすうすそうは思ってはいた。しかし、最初のニャーは僕の家の庭で聞いたぞ。僕とエリスは母さんの軽自動車でここまで送られてきた。それをどうやって追跡した?
「何を言うかオキムネ」
うわ、エリスに冷静に言われた。なんか立場が変わってない。
「おーい。R-1号さーん」
「ハハッ」
ガシャンガシャンガシャンガシャン
何と! サダヨシを肩車にしたままR-1号がエリスの前に参上。肩車の上で大慌てのサダヨシ。
また例によってどこからツッコんだらいいものやら状態だが、少なくともサダヨシが何で僕とエリスを追跡できたかは分かった。
「ふははは。分かったかオキムネ」
ない胸を張って勝ち誇るエリス。それはともかく状況を整理するとだ。サダヨシはまあああだから、この場で騒いでも始まらない。しかしっ!
R-1号。何故ここまでサダヨシに協力した?
「オキムネトエリス様ノリア充証拠映像ヲタクサン撮レバ、エリス様ハ『金塊』ガ手ニ入ルトサダヨシガ言ッタカラダ」
躊躇なしにその回答か。本当にパチンコ屋や競馬場を出禁になるほど稼ぐほどの演算能力を持つアンドロイドなのに、何でこんな簡単にサダヨシにはだまされるんだ?
「いーや俺はアールイチゴウさんをだましてなどおらぬぞ。オキムネ」
サダヨシ。その話はいくらなんでも無理があるんじゃあ?
「ふふふ。これを見ろっ! オキムネッ! アールイチゴウさん。お願いします」
パッ
次の瞬間、それまで予告編が流れていたシネマコンプレックスの大画面に僕がエリスを母さんの軽自動車のリアシートに乗せているところ、ショッピングモールでエリスの手を引いているところ、そして、いまさっきあったばかりの「チョコがけポップコーン」を取ろうとして、手と手がぶつかったところ。
サダヨシ、やめい。みんなお金を払って映画を見に来ているんだぞ。全然違う映像流したら、みんな怒るぞ。下手すれば賠償もんだぞ。
「おおーっ」
「オキムネちゃん。やるじゃん」
「手と手が当たって赤面ってかわいい」
え? 今の感想は何? 普通お金を払って映画を見に来た人はそういう感想を言わないと思うぞって、あっ!
サダヨシとR-1号のいた座席の周辺にいたのは、老谷のじいちゃんにばあちゃん、三太さんとその奥さんらしき人、そして、とどめは、ねこや先生とR-2号。
何でみんなここにって、あ?
「オキムネ。昨日、下総屋で今日のデートの話していた時、みんないただろ」
そうだあっ! そのとおりだ。エリス。しかしっ!
こういうシュチュエーションで、老谷のじいちゃんや三太さんが面白がって来るのは分からなくもないですが、何で常識人という位置付けの老谷のばあちゃんまで来るんですか?
「そりゃオキムネちゃん。私だって女ですからね。恋バナは大好きですよ」
そっ、そうなんですか?




