第71話 光の秩序を掲げる者 ― レンセリオン講義*挿絵
「さて、今日で皆さんが受ける講義も最後となります。
共に過ごした時間と、それぞれの国への理解が、これからの歩みを支えるものとなるでしょう。
――最後の講師をご紹介します。
ルクヴェル王国のレンセリオン・レオ・ルクヴェルさん。
どうぞお願いいたします」
シリウスが一歩下がり、講義室の中央へ向けて手を軽く添えた。
その仕草だけで、小さな講義室の空気がゆるやかに張りつめていく。
靴音は驚くほど静かだった。
それなのに――歩みが進むたび、自然と視線が集まっていく。
レンセリオン・レオ・ルクヴェル。
白いシャツに紺の胴衣。
その上に淡い上衣を羽織った姿は、控えめながらも隙がなかった。
シリウスが静かに会釈し、彼へ場を託す。
レンセリオンは短く頭を下げ、前へと立った。
その瞬間、小さな講義室が静まった。
息づかいまで整うような、澄んだ沈黙。
そして――
彼の瞳が、まっすぐリリナたちを見据える。
「……皆さん。
本日、ルクヴェル王国より“最後の講義”をお届けします」
声は低く、澄みきっていた。
その響きには、揺るぎない芯がある。
「どうか、気負わず聞いてください。
今日は、ルクヴェルが掲げる“光と秩序の在り方”について、お話しします」
小さな講義室の空気が、ひとつにまとまっていく。
いよいよ、ルクヴェルの光と秩序を語る、最後の講義が始まる。
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『光の秩序を掲げる者 ― 最後の講義』




