第3話
どうしてこうなったのかは分からない。ただ、本来であれば毒見が必要なお菓子などの食べ物をプレゼントが出来るほどの仲だという事は分かっている。
「……」
そう言い終えると、アリアは何やら考え込む様な仕草で固まっている。
――何か気になる事でもあるのかしら?
正直、入学してから「生徒会の仕事で忙しい」とは言われていた。でも、それ以上に二人が実際会って話している姿を見てしまうと……やっぱり思うところがある。
――本来優先すべき婚約者より彼女の言葉を鵜呑みにするくらいだものね。
正直、明らかに彼の中でイリーナの優先順位が変わってしまっているはあの時によく分かった。
「ひょ、ひょっとしたら……生徒会のお仕事が大変なのかも知れませんね」
「そう……かも知れないわね」
イリーナもそう思っていた。
「はい。生徒会はいわば学校の代表になります。今はちょうどその引継ぎをしている最中だと……。二年の中頃には本格始動になりますので」
「そう……よね。いくらリチャード様でも……いきなりは無理よね」
それはイリーナ自身もよく分かっている。そりゃあ、国内唯一の魔法学校の生徒会だ。さぞ忙しいに違いない……ろう。
「――私の心配のしすぎね」
「そうですよ」
なんて言いつつ、イリーナの心中は……実はかなり複雑だった――。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
色々と話をしている内にあっという間に完全下校のチャイムが鳴りだした。
「もうこんな時間なのね」
「そう……ですね」
少々予定外だったが、こうしてアリアと話す事が出来て良かったとイリーナはホッと胸をなでおろした。
しかし、こうして実際に話してみて分かったが、随分と彼女に対する印象が変わった様に感じた。
――とにかく気配りが出来る良い子って感じね。後は口数が多い方じゃないけど、色々とよく考えているというのも分かったわ。
「……」
しかし、だからと言って「クール」というワケでもない。どちらかと言うと「感情豊か」に思えた。
――この子が一緒なら……。
きっと今日みたいに疑われても彼女が証人になってくれるはずだ。それに加えてキュリオス王子も加勢してくれるだろう。
――クラスは違うけど、基本的に私は教室にいるから……。
出来れば一人でいるとなかなか証明しにくい「休み時間」や「放課後」など一緒に行動出来ればそれでいい。
「……ねぇ」
「はい」
――私の身に潔白の為に利用するみたいで申し訳ないけど……。
「あなた……私と友達にならない?」
「あ、はい……え?」
正直、コレが一番手っ取り早いとは思った。
ただ、アリアは突然申し出に彼女自身やはり思うところがあるのか思わず聞き返えされてしまった。




