第2話
――でもあれは……きっと起きるべくして起きた……そんな感じよね。
あの頃のイリーナは同じ年代の子たちには勝手に「悪役令嬢」と言われ嫌われていた。
でも、そう言われる様になったのは最初こそキリッとした目など「見た目」だったが、後から「人並み以上の魔法の力」も付け加えられる様になった。
元々、ずっと家の書斎に閉じこもっていた事もあってかイリーナは「知識」という面では同じくらいの年代の子以上に持っており、また「魔法」に関してもそれは同じだった。
そして、魔法学校に入学するための勉強も……上手くいっていて、家庭教師の先生からは「問題なく試験をパスする事が出来る」というお墨付きを持っていたのだ。
当時は……。
しかし、それが突然「多分……合格出来ると思います」という評価に代わる事になる。
それが、王宮で開かれたお茶会で出会った『ステファン・ローレンス』との喧嘩だった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
あれはキュリオス王子のお茶会が終わってそう時間が経っていないに開かれたそれほど規模の大きくないモノだった。
最初は和やかに進んでいたお茶会だったが、そこで王妃様とイリーナの母親が話いる時。
「そういえば、あなたはかなり魔法の腕があるらしいわね」
「あ、ありがとうございます」
その場にはイリーナとキュリオス王子。そしてリチャード王子も同席していた。
――でも、リチャード王子は完全に興味を失くしていたけど。
「どう? 今、ちょっと何かやってみてはくれないかしら?」
「え、えと。では……」
当時のイリーナはまだ「幼い」という事と、周囲の人がなかなか褒めてくれないという欲求不満から「みんなに見てもらいたい、自慢したい」という気持ちが強かった。
そして使った魔法は、会場の大きさを考慮した小さい規模のモノだったけど、大人たちはキチンと「会場の大きさも考えてコレを使ったんだな」と理解してくれた。
――だって魔法は「広範囲で使えれば良い」というモノではないもの。
そう、実は「魔法の力」というモノは規模や強さだけでは測れない。むしろ「制御」が一番難しいとされている。
つまり「いくら大規模の魔法が使える」と言っても、それが「良い魔法使い」というワケではなく、むしろ魔法使いとしては「未熟」と評価される事が多かった。
そして、イリーナはそれらを考慮して魔法を使ったのだが……。
「公爵家の令嬢はこの程度の魔法しか使えないのか!」
大人たちが拍手をしている中に一人。その拍手の音に負けない程の声でクローズに対して大声を上げた少年がいた。
それが、宰相の息子の『ステファン・ローレンス』だったのである。




