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<閑話>結城綾乃と瀬上初音と居酒屋

「もう、本当にびっくりしましたよ~」

初音ちゃんが机に突っ伏しながらいう。

この子は洒落たバーより庶民的な居酒屋を好む。

瀬上さんの話題が出そうなので個室にした。


以前に紳士がチャットで軽く小突いて発散させたのを見た後

この子がため込むタイプであることに気付いた私は時々悩みを聞くことにしていた。

体の年齢が20を超えてからはこうしてお酒を飲みながら愚痴を聞くことにしている。


「最初さ、下層の話が出た時に来場者数が増え始めてさ。

 まあ、これはすぐ分かることだから予想してたんだけど」

初音ちゃんがビールの入ったコップを煽る。


「でもさ、魔法は、聞いてない! 」

カンッと音を立ててコップが机に置かれる。


「そりゃさ、使えるかなーとは思ってましたよ。

 でもさ、配信にのせるんじゃなくて妹の私に一番にいうべきだと思いませんか! 」


焼き鳥をガジガジと齧る様子はなんとも愛らしい。

懐いてくれてからはこんな感じで弱みを見せてくれるようになった。


「そこからさ、来場者がすごい勢いで増えていくし。

 うちのチャンネルであんなに行ったの最初の頃の荒らされてた時以来じゃないですか

 ちょっと怖くなってきちゃいましたよ」

ちょっと拗ねたように尖った口が子供っぽい。


「大丈夫よ~、ほらほら怖くない」

俯いたので頭をなでる。


「綾乃さ~ん。

 今日、帰ったらお兄ちゃんになんか変なこと言っちゃいそうなんで

 泊まっていっていいですか」

またぐでーっと机につっぷしながらいう。


「いいよー、しっかり休もうね~」

初音ちゃんをを見ていると少しおじいちゃん家の猫を思い出す。


「綾乃さーん、ダイスキー」

「はいはい、私もよ」


ダンジョンに潜るようになってから一徹明けで仕事をしても平気になったし

それくらいじゃお肌も荒れなくなった。

今夜はお泊り会にしよう。

楽しんでいただけると嬉しいです

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