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 最後まで他のメンバーは音を重ねてきませんでした。私が出しゃばり過ぎたのかと心配していると、メンバーが近寄り私を抱き締めてくれました。全員が一辺にやって来るのは少し怖くもあります。

 超良かったよ! 最高過ぎじゃない? これってもう完璧だよ! これで俺達無敵じゃね?

 意味の分からない言葉に頷きました。何故だかとても嬉しくて、涙が頬をつたいます。

 ステージ上で抱き合う私達を、観客がスタンディングオベーションで見守っていました。

 これからが始まりなんだけどな。

 何故だか一人だけ輪の外で仁王立ちの彼がそう言いました。

 だよね! なんて言葉が自然に出た事に驚いたのは、私だけではありませんでした。

 まぁ、これでやっとスタートラインだしね。いいんじゃないかな?

 永井さんのその言葉に皆が笑っていたので私も釣られて笑ってしまいました。

 その後彼の指示でもう一曲演奏しましたが、あまり記憶にはありません。ただ、観客の拍手と声援を背にステージを後にするのは気持ちが良かったと記憶しています。

 楽屋に戻るとすぐに彼から鞄から取り出したぐしゃぐしゃの紙切れを手渡されました。

 メンバー募集のチラシです。

 今更どういう意味なのかと考えましたが、取り敢えず笑顔で受け取る事にしました。

 彼はよろしくなとだけ言い、楽器を担いで部屋を出て行きました。その後を皆が続き、私は最後に部屋を出て行きました。すれ違うスタッフ達に挨拶をしながら外に出ると、皆が固まり私を待っています。

 このバンドに参加出来て良かったなと感じた私は、ゆっくり皆の輪に近付きました。溢れる笑顔を隠す必要はもうありません。

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