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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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組み合わせ

「……すげー便利だな。マップと察知スキルの組み合わせは」


 地下水道内を移動していたとき、思わず自分のスキルについての感想を口走ってしまった。

 誰も聞いていないのに、思わず独り言が漏れてしまう。

 が、そうしてしまうほど、この二つのスキルには相乗効果があったのだ。


 マップスキルが俺が歩いたところを常に自動で地図化して表示してくれている。

 今は、視界の端のほうに小さな画面で表示させている状態だ。

 そして、その表示されている平面地図にはさらに小さな光点があった。


 青い光の印が五つ。

 俺が歩いている地下水道の歩道の先に表示されている。

 それは、察知スキルが捉えた魔ネズミの気配だった。

 つまり、魔ネズミが五匹、この先にいる。


 移動中も発動していた隠密スキルを解除する。

 そして、歩道の上にあった小さな石を蹴飛ばして中央の水道へと落とした。

 石は音をたてて転がり落ち、さらに大きなポチャンという音をたてた。

 その音を魔ネズミたちは敏感に聞き取り、俺の存在に気がついた。


 魔ネズミはいまだ俺を自分たちよりも弱い敵であると認識している。

 そのため、俺の存在を察知すると、弱者だと判断して、口を開け、小さな牙をむき出しにし、よだれを垂れ流しながらこちらへと走り寄ってくる。

 その瞬間、視界の端にあった地図に変化が現れる。


 青い光点だったそれが五つともすべて赤に変化した。

 これはどうやら相手が俺に気づいていない、あるいは敵意を持っていないときには青い光で表示されているようだ。

 そして、敵意を向けて攻撃の姿勢を示したことで青表示ではなく赤へと変わる。

 多分、これは俺がマップと察知の二つのスキルを持っているからこそ使える機能なのかもしれない。

 さっきは俺の視界外である通路を曲がったさらに先の気配ですら地図に青で表示されていた。

 これは察知スキルがあるからこその芸当だろう。


 つまり、この二つのスキルを組み合わせれば、目で確認できない場所にいる敵意を持った存在にも気づけるということだ。

 これはすごく助かる。

 俺を後方からつけていた男たちがいたときにこのスキルがあれば、きっともっと早く尾行に気が付けていただろう。

 察知スキルだけではそれが悪意ある者たちかどうかの判断も難しかったが、それがもっと早くできる可能性がある。


 これからも小剣を使っていくことになるだろうし、孤児院回りや貧民街を歩くこともあるだろう。

 そういうときに、同じように変な奴らに狙われる可能性もないわけじゃない。

 だけど、これからはそれにもっとうまく対処できると思う。

 本当にありがたい。


「っと、あぶねー。油断大敵だな」


 だが、その便利な地図に気を取られすぎていたようだ。

 視界の端に表示された光点へ意識を向けすぎている間にも、魔ネズミたちはすぐそこまで迫っていた。

 思ったよりも足の速いやつがいて、危うく俺の足のすそを噛みつかれそうになる。

 慌てて足を引き、攻撃を回避して反撃する。


 気を付けないとな。

 これはあくまでも便利になっただけで、俺が劇的に強くなったわけじゃない。

 俺のステータスは、いまだに最弱に近い。

 魔ネズミたちですら俺を下に見ているのだから。


 気を引き締めなおして、俺は小剣で魔ネズミたちを一匹ずつ倒していったのだった。

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