↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/34

空腹耐性

「……し、死ぬ。腹が減りすぎて死んじゃう」


 街角で目を覚ました俺の口から、自然とそんな言葉が漏れた。

 マジで死にそうだ。

 あまりにも腹が減っている。

 意識を失うほどに空腹で、それがずっと続いているからか次第にお腹に痛みまで感じてしまうくらいになっている。

 その痛みのおかげで目が覚めたのは運がいいと言えるのかもしれない。


 今日は本当についていないな。

 まさかあまりの弱さで、冒険者見習いですらいられず、ギルドを追放されるなんて。

 そして、その直後に空腹で行き倒れるとは。

 だが、まだ俺の運は尽きていない。

 意識を失う前はまだ高かった太陽が、今はもう傾き、空は薄暗くなり始めている。

 それでも無事だったのだから運がいい。

 この街でこんな無防備に倒れているのに服の奥にしまい込んだなけなしのお金を取られることもなく、わずかな荷物すら盗まれていない。

 ならばやることはひとつだ。


「おっちゃん。肉串二本ちょうだい」


「あいよ。まいどあり」


 起き上がった俺は少し場所を移動し、屋台で肉汁たっぷりの串を買う。

 焼きたての肉に勢いよくかぶりつく。

 うまい!!

 ここの肉串は普通の屋台で売っているものだから、特別に変わったものというわけではないはずだけど、あまりの空腹で今まで食べたどんな肉よりうまく感じた。

 空腹は最高の調味料ってこのことなんだな。

 もっとも、俺のさびしい懐具合ではそうそう屋台で買い物なんてできないんだけど。


 だけど、空腹はマシになった。

 そして、これならどうだ?

 暴食というスキルの効果は食べ物を食べればステータスの数値が上がるというものだったはず。

 だが、期待はすぐに裏切られた。


「嘘だろ? なんの変化もないんだけど……」


 肉串を二本とも食べ終えた俺は再び自分のステータスを確認した。

 が、それは意識を失う前に見たものと全く同じだった。

 さっきまでと変わらず、最弱のオールHという数値が無慈悲に表示されている。

 まさか、この肉串ではステータスの数値は上がらないのか?

 たしかに食べたものによって向上する項目や上昇値が違うってあったけど、一つも変化なしなんて、ありかよ……。


 グウゥー!!


 や、やばい。

 また、腹の虫が鳴り出した。

 屋台のおっさんは、にやりと笑って串を扇ぎ始めた。

 そのおいしそうなにおいを俺にぶつけてくる。

 だけど、これ以上買ったら駄目だ。

 見習いの時に得ていたお金なんてたかが知れている。

 腹が減るたびに屋台で買っていたらすぐに金欠になってしまう。

 どうする?

 どうすればいい。

 せめてこの空腹感だけでもマシになってくれればいいんだけど。


【SKL:空腹耐性(SPを10消費して獲得可能。空腹に対する耐性強化)】


 すると、再びステータスに表示が現れた。

 今の俺にこれ以上ないスキルだった。

 SPはまだ残っているはずだ。

 これは絶対欲しい。

 心の中で強くそう考えた。


「……本当にどうなってんだよ、これは。でも、助かった」


 自分でも意味が分からないけど、どうやら新しいスキルを手に入れたみたいだ。

 普通なら見向きもしないようなスキルだ。

 空腹に強くなる、それだけの能力なのだから。

 それを手に入れたことで、死ぬかと思うほどの空腹にも、なんとか耐えられるようになった。


 ……完全耐性ってわけじゃないみたいだな。

 今でも腹はグーグー鳴っている。

 腹は空いているけど、行動不能になるほどの状態にまでは追い詰められないようになるってスキルなのかもしれない。

 ただ、この空腹耐性スキルがあるからといって食べなくてもいいわけじゃないだろう。

 耐えられるからといって放置すれば、いずれどうなるか。

 再び路上で倒れて今度こそ動けなくなる可能性もある。


 なんとかしないと。

 とにかく、これからは倒れない程度には食べ物を食べられるくらいの稼ぎを得る必要がある。

 そのうえで、少しでもステータスの数値が上がる食べ物を見つけないといけない。

 やるべきことは決まった。

 ギルド追放のことは、いったん頭の隅へ追いやる。

 生きるために俺は動き出した。

お読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価は下方にある評価欄の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけけますと執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。