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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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ギルド追放

新連載です。

よろしくお願いします。

「ステータスオールH? 一年間冒険者見習いやってて弱すぎだろ。お前はクビだ!」


 冒険者ギルドでそんな声が響き渡る。

 ギルドの受付カウンター近くにいた職員や冒険者たちがそれを聞いて一斉にこちらへと顔を向けた。

 職員は憐れむような顔をし、冒険者たちは嘲笑を浮かべている。


 嘲笑や憐れみの視線を一身に浴び、俺はがっくりと肩を落とした。

 そして、逃げるようにギルドの建物を後にした。

 どうしよう……。

 親のいない俺は孤児院で世話になっている。

 孤児院育ちの俺は、一年前から冒険者ギルドの見習いとなり、雑魚モンスターの討伐を続けてきた。

 そして一年が経過し、ギルドでステータスの鑑定を受け、普通ならば正式に冒険者としての職に就くはずだったのだ。

 正式な冒険者になれば、近いうちに孤児院を出て独り立ちすることになっていた。


 それなのに、冒険者ギルドからクビを言い渡されてしまった。

 こんなことは前代未聞なんじゃないだろうか。

 冒険者見習いは卒業時、ギルドでステータス鑑定を受ける。

 そして、その結果をもとに剣士や格闘家、盗賊などの職業が決まると聞いている。

 まさか、すべての数値が最低のHランクだったなんて……。

 自分でも、ほかの冒険者見習いと比べてやけに弱いような気はしていたけれど、まさかそこまでだったとは。


 これから俺はどうすればいいんだ。

 孤児院を出なければいけないことは決まっている。

 なので、どうしても自分でお金を稼ぐ必要がある。

 だけど、どこかのお店に勤めるなんてことは孤児の俺には無理だ。

 学のない俺にできる仕事といえば冒険者くらいしかないのに、その冒険者にすらなれないなんて。


「ステータスオープン」


 深くため息をつきながら、そのへんのブロックに腰かけてそう呟いた。

 ギルドで鑑定を受けたことで、いつでも自分のステータスを頭の中で閲覧できるようになった。

 俺を無職へと導いた忌々しいステータスだが、改めてそれを見て、もう一度ため息をつく。

 やはり、何度見ても結果は一緒だった。

 ステータスはすべてHだ。

 せめてFやGという数値がひとつでもあればよかったのにと思ってしまう。


────────────────────────────────────

名前: ルーク

職業: -

レベル:1

HP: 9/9(H)

MP: 3/3(H)

ATK: 8(H)

DEF: 7(H)

AGI: 6(H)

INT: 4(H)

SPI: 8(H)

LUK: 3(H)

SKL: -

SP:352

────────────────────────────────────


 ……弱すぎる。

 なんだこのステータスは。

 だけど、このSPっていうのはなんだろう?

 これだけは飛び抜けて高いけど、Hなどというランクも表示されていないんだけどな。

 ギルドの人がなにも言ってなかったってことは意味のない項目なのかもしれないけど、それでもこの一点にしかこの状況を打破できそうな要素がなかった。


 SPとはなんなのか。

 そう強く思った瞬間だった。

 できれば、この異常に低い各数値を向上させるなにかを手に入れたいと願って。

 次の瞬間だった。

 なぜか急にステータス画面に変化が現れた。


【SKL:暴食(SPを300消費して獲得可能。食事をするごとにステータスが向上する。向上する項目や上昇値は食べたものによって変化する)】


 ステータス画面に新たに表示された文章は、今の俺にとって願ってもない情報だった。

 暴食というスキルがあるのか。

 食べ物を食べたら強くなれるってことでいいんだよな?

 もしかして、SPというのはスキルポイントってことなんだろうか。


 欲しい。

 強くなれるのならば、この暴食は絶対に欲しい。

 そう思った瞬間、再び俺のステータスには変化が現れた。


────────────────────────────────────

名前: ルーク

職業: -

レベル:1

HP: 9/9(H)

MP: 3/3(H)

ATK: 8(H)

DEF: 7(H)

AGI: 6(H)

INT: 4(H)

SPI: 8(H)

LUK: 3(H)

SKL: 暴食

SP:52

────────────────────────────────────


 ……やった。

 本当にスキルが増えている。

 これで俺も強くなれるんだ。

 そう思った、その瞬間。


 グウゥー!!


 俺のお腹が聞いたこともないような音を発した。

 孤児院では腹いっぱい食べられる日なんてほとんどなかった。

 そんな俺でも今までに一度も耳にしたことがないような腹の虫が周囲に響き渡る。

 今日二度目の、周囲からの視線。

 しかし、それに恥ずかしいと感じることなく、俺はあまりの空腹感に意識を失って倒れてしまったのだった。

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