前へ目次 次へ 2/8 02 Ghost of My Life 暗闇。 音も匂いもない。 床を踏みしめる脚と、手すりに添えた手の感触。 ただ手足を動かし、左右に曲がる階段を登る。 上へ。上へ。 何故? わからない。 ただひたすらに澱みなく登り続ける。 ──いつまで? 「自分をみつけるまで」 誰かの声がした。 左右を見回す。何も見えないのに。 「僕はここだよ」 後方から投げかけられた。 振り向くと何段か下に青白い光。 ひとり、誰かがいる。 俺は彼を知っている。 でも、思い出せない。 いや、いつもと違う。 まるで正反対だ。 信じられない。 「京也?」 彼に向かって手を伸ばす。 彼は微かな笑みを浮かべ、淡い光とともに…… 消えた。