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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第6章 ロスマリヌスの不義

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真実を掴んだのは…

「探し物は見つかりましたかな?」

穏やかな声で2人に話し掛けてきたのは、資料管理庫の管理人を務める好々爺だ。たまに様子を見に来ては差し入れをしてくれる、人のいい爺さんである。


「はい、遅くまでありがとうございます」

フリゼルが管理人の爺さんに礼を言った。


「いやいや、近くに住んどるんで…大丈夫ですよ。それにしても、妙なことがあるもんですなぁ…」

管理人の爺さんは、気になることを言い出した。


「妙なことって?」

こんなことを言われれば誰もが興味を抱くもの。だから、サラビアは管理人の爺さんを問い質した。


「同じことを調べておった男がおったんですよ」

管理人の爺さんは、何でもないことのように答えた。


「それは…どのような男ですか?」

何かに気が付いたフリゼルが、管理人の爺さんに尋ねた。


「ひょろりとした中年の男ですよ。髪がだいぶ薄くなっておりましたな」

管理人の爺さんはたいしたことではないと思っているようだが、これは間違いなくたいしたことがあるヤツだ。


「その男の似顔絵を描きたいのですが…協力してくれますか?」

もちろん、サラビアも気付いている。


「ええ、いいですよ」

管理人の爺さんは、サラビアの要請に快く応じてくれた。


写実のペンを使いながら、サラビアは管理人の爺さんに色々な質問をして似顔絵を描いていく。やがて似顔絵が完成した。描かれたのは、フィオドラを慕うあの薄毛の男だった。


「この男ですよ。たいしたもんですなぁ~」

似顔絵の出来映えに、管理人の爺さんは驚きを隠せないでいる。


「日々精進しておりますんで…」

写実のペンという便利な魔法具を使っているからこんなに上手く描けるのだが、サラビアはそれをおくびにも出さない。


それが誰なのか…もちろん、フリゼルとサラビアも分かっている。どうやらフィオドラもシウテクトリ商会の正体を掴んでいるようだ。


「今日まで色々とお世話になりました」

フリゼルは晴れやかな表情で、管理人の爺さんに礼を言った。右に倣ってサラビアも一礼した。そうして2人は資料管理庫を後にした。


翌日、本来なら会合は夜に行われるものだが、フリゼルの要請で朝食後に行われることになった。そこでフリゼルからシウテクトリ商会の秘密と、それを既にフィオドラも掴んでいることが伝えられた。


フリゼルとサラビアの作業は、ネコたん2号を通じて俺達も見ていた。それでもこの発見には、気持ちが高ぶるのを抑えることができなかった。一方で、俺は何か違和感を覚えていた。それが何なのかは分からないが、これは忘れないようにしよう。


フリゼルの話を聞いたところで、俺はフィオドラの家が荒らされたことを伝えた。


「ヤツらも焦っているようですね…」

これはフリゼルの言う通りだ。レメキの前夜の祈りで、ナイトンがフィオドラに尋ねた書付…それはナイトンにとって、明るみになると致命的なものなんだ。おそらくシウテクトリ絡みの書付だろう。


「それで…どう思う?」

ここでいつものカレンパスが炸裂した。どうあっても俺に説明させたいようだ。


「こうなってくるとカギを握っているのはフィオドラだ。フィオドラは近いうちに動く…必ずな」

「どうしてですか~?」

断言した俺に、カレンパスならぬフェリシアパスが飛んできた。今日は色んなところからパスが来るな…。


「フィオドラはなぜ自宅を荒らされたのか…それを知っているはずだ。自身の身に危険が迫っていることも分かっている。それから…確証はないが、俺達がシウテクトリ商会の秘密にたどり着いたことも承知しているだろう」

俺の見立てには誰もが頷いた。


「どうして承知しているのでしか?」

今度はティアリスパスである。面白がってやってるんじゃないかと邪推してしまうが、さすがにそれはないだろう。


「確証はないが…管理人の爺さんとフィオドラが繋がっている可能性は否定できない。その場合はフィオドラに情報が流されることになる」

このロスマリヌスでは、黒翼と繋がっていた収賄魔法戦士がいた。フィオドラが管理人の爺さんに賄賂を渡して情報提供を求めていたとしても、何ら不思議なことではない。


「あり得ない話ではないわね」

アマユキは俺の見立てに感心し、フリゼルとサラビアは苦笑しながら頷いている。ロスマリヌスでは、賄賂の文化があるのかもしれんね。


「それで…私達はどうしますか?」

ユリーシャがここまでの流れを総括するように尋ねてきた。今日は四方八方からパスが飛んできたが、どうやらそれも終わりのようだ。


「そのためにアミティエが黒翼にいるんだ。何かあれば、それはすぐに分かるさ」

アミティエにはここぞという時に動いてもらう。そして、その時はすぐに訪れた。

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