入学式(終)
「あ、おはようございます…」
話が一段落したようなので起きる。
「おはようございます美月さん。」
「おはよう美月くん」
「おはよう」
片岡さん、杙凪先生、音夢の順であいさつしてくれた。
「美月さんすみません…私のせいで体調を崩させてしまって。」
「あ、いえいえ全然大丈夫です!こちらこそ迷惑を掛けてしまい申し訳ないです…」
さすがにあの事態を引き起こしてしまった自覚はある。だから片岡さんに謝られる筋合いは無いんだけど…
「そういえば美月くん、体調は大丈夫ですか?」
「あ、まだ少し気分が悪いけど大丈夫です。」
「そうですか、わかりました。あと先程校長先生に連絡を入れたらお母様とすぐに来られるそうです。」
「あ、ありがとうございます…」
杙凪先生がわざわざ連絡入れてくれていた。少し前に会った時と全然違くない?
「来られたようですね。」
片岡さんが廊下に顔を向けながら言った。ちなみに廊下には人影一つ通っていない。
「失礼します。」
「失礼します…」
約二十秒後に校長先生と母さんが入ってきた。なんで約二十秒前に察知できるんだ?
「杙凪先生から話は聞きました。保護者への説明会は終わっていたのでよかったです。それでAー二組で問題が発生したと杙凪先生から聞きましたが…」
「はい、問題が発生したため現在保健室に避難していた所です。」
「なるほど…」
片岡さんから今の現状を聞くと校長先生は少し思案顔になると判断を下した。
「とりあえず…美月くんは今日はもう帰宅してください。そこで片岡さん、杙凪さん、音夢さんは美月くんに同行して彼の自宅を確認してから各々の自宅に帰宅して引越しの準備をお願いします。」
「え?」
つい言葉が漏れてしまう。なんで彼女達が僕の家に着いてきて引越しの準備をする事になるんだ?
「だいたい察しましたが一応なぜなのかご説明願います。」
片岡さんが校長先生に説明を求めた。大体察してるんだ…僕は意味がわからないけど
「理由を説明すると、美月くんのお母様が私というかこの学校を通してボディガードの申請をしたためです。」
結局どうゆうこと?
「つまりボディガードの申請を学校を通したら『その学校にちょうどボディガード居るじゃん。じゃあその三人に任せるわ!』ってなった」
音夢がこっそり耳打ちしてくれた。
「そういえば私…美月にボディガードの事秘密にしてたんだけどなんでそんなに動揺してないの?」
「え…あ、いやその…少し聞こえたから…」
「…聞いてたの?」
「あ、いや聞こえたっていうか…」
「ふーん…そっか、聞こえたなら仕方ないね。」
「ごめんなさい…」
□□□
今僕は学校が呼んでくれた大型タクシーに母さん、片岡さん、杙凪先生、音夢と乗って僕の家に向かっている。
そういえばAー二組に関しては先生と夏、優奈のリーダーシップによって事なきを得たそうだ。よかった…
それで片岡さん達はどうなったかというと、片岡さんは学校の警備を自主退職した。ただ杙凪先生と音夢は校長先生に辞めないでくれと言われたため変わらないそうだ。
今日の事を思い返すと沢山の人に迷惑をかけた。
…僕はもうちょっとこの世界の男性の身の振り方を学ばないといけないな。
入学式編は終わりです。多分…
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