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波乱の幕開け

1時間も更新が遅れてすいません。

次からは無いように努力します。



それでは気を取り直して、大尉編スタートです!!


        第11話 波乱の幕開け



 今日は新しい配属先への出向く日となっていた。

艦長として配属されるクロイツは相変わらずの寝坊である。


 今回、配属される特別偵察艦は今年に入って新造されたアネモイ型偵察艦の1番艦ネームシップだ。

 このアネモイ型は全5隻建造予定である。今はまだ1番艦しか就航していない。予算の都合上、作業が思うようにいっていないのが実情だった。



偵察艦アネモイ 艦橋内


「イヴァン中尉、艦長のクロイツ大尉が未だ着任されておりません」


「リョーマ軍曹慌てるな。アイツが遅れるのは分かりきっていたさ。どうせ寝坊だろう」


「あっそう言えば、艦長と中尉は幼馴染でしたね」


「そうだよ。これでも20年来の仲さ。嫌でもわかっちゃうんだよね〜」


「中尉と苦労されてますね…」


「まったくさ。それより各部、出航準備は出来てるかい?」


「はっ!既に完了しております。あとは艦長が着任されれば出航できます」


「わかった。ありがとう。…そろそろくるかな」



ヤバイヤバイヤバイ!寝過ごしたぁー!!!


初日に遅刻はマズイ…イヴァンに怒鳴られるな。


でも、ペルダン艦長に比べりゃましか…



 反省してるのかしてないのかわからないが、クロイツは配属先の偵察艦アネモイへ急いでいた。

アネモイが配属されている軍港へはまだ距離があった。

 ただでさえ遅刻しているクロイツは軍港までの道を猛ダッシュしていた。そして…



ドンッ!!!



勢いよくぶつかった。


 2人は同時に転倒した。相手は尻餅を、クロイツは前方へ一回転。最初に声をかけたのは相手の方だった。



「……あの、大丈夫ですか?凄いコケ方でしたが」


「イテテ…、あっすいません!はい大丈夫です。申し訳ありません。なにぶん急いでいたもので」


「いえ、こちらこそ。私がしっかり前を見て歩いていればこの様なことには…」



 相手の女性はぶつかった人が軍人だということでアタフタしていた。しかしクロイツは…


「っ!美しい…」


「え?」



 咄嗟に出た言葉に相手は意外な顔をしていた。それを誤魔化す様にクロイツは言葉を続けた。


「あっいえ、なんでもありません。お嬢さんはお怪我ございませんか?」


「はい。私は大丈夫です。あのぉ…何が急いでいるのでは?」


「っ⁉︎そうでした。今日は新しい配属先へ出向しないといけない日なんですよ!すいません、こんな事になっちゃって」


「そうでしたか。それでは頑張ってください軍人さん」


「では。これで失礼します」



 あまりの美しさに急いでいるのも忘れていたクロイツは、ふと我に帰り勢いよく立ち上がって軍港に向かい走ろうとした。しかし、何かを思い出したかの様に彼女にその体を向けた。



「あの!お嬢さんのお名前を教えていただいてもよろしいですか」


「え?あ、はい。良いですよ。私はレータ。レータ・パルトノーイです。あなたは?」


「私はクロイツ・アルティザン。連邦大尉です。あなたのお名前を聞くとことができましたし、私はこれで」


「待って!クロイツさん、お仕事頑張ってくださいね」



 笑顔のレータより応援されたクロイツは、彼女に背を向け手を振ると、さっきと同じように全速力で走っていった。大幅に遅れている時間を取り戻そうとするかのように…


 あれから30分。ようやく軍港に到着したクロイツを待ち受けていたのは、怒りで顔を歪ませたイヴァンだった。


 彼の表面から滲み出ているオーラからは殺意に等しいものが出てるのが見て取れた。その後ろで配属先の下士官数名が心配そうに見ていた。



「クロイツくーん、どうしたのかな?時間はとうに過ぎていますけど?何かそれなりの理由がお有りなのでしょうね」


「イ…イヴァン。お迎えありがとう…。いやね、それがその…」


「クロイツ。ゆっくりと艦長室で話そうか。お前たち!」


「「「はっ!」」」


「クロイツ艦長が船へお乗りになる。丁重に案内せよ」


「「「Yes sir!!」」」



 イヴァンのあまりの威圧感に、後ろに控えていた下士官たちは虎に出くわしたウサギのように、すぐさまクロイツを着任する船に案内した。



 場所を変えてアネモイ内の艦長室でイヴァンと2人っきりになったクロイツは…


「イヴァン…もしかして怒ってる?」


「もしかしなくても怒ってる。お前、今日がどれだけ大切な日かわかってるよな?新任艦長殿」



(うわぁ〜激おこプンプン丸だよ…ここまで怒ったイヴァンは何年ぶりだろう。士官学校の入学式に遅刻した時以来かな)


「クロイツ!ちゃんと聞いてるか!お前がしっかりしないと他の乗組員たちに顔向けできないだろうが」


「はい。おっしゃる通りです。すいませんでした。」


「罰として艦内トイレ清掃1週間を命じる!異論はないよな?」


「え…でも俺艦ちょ…」


「ないよな!」


「はい。ございません。」



 艦長就任初日にしてトイレ清掃1週間の罰を受けるクロイツだった。その噂は瞬く間に艦の乗組員全員に知れ渡る事になった。


「なぁ、お前聞いたか?」


「何を?」


「うちの艦長、副官のイヴァン中尉を怒らせて1週間のトイレ清掃命じられたそうだぜ」


「あぁその話か。知ってるよ。うちの艦で1番怒らせちゃいけないのが副官だって話でみんな持ちきりだ」


「それはあるな。艦長であれだぜ、俺たちが何かヘマしたら刑務所にでも送りそうだよな…」


「ほんとそれな。あぁ〜クワバラクワバラ」



 初日にして乗組員全員から恐れられるイヴァン中尉だった。


 その頃、クロイツは1人艦内のトイレ清掃に勤しんでいた。


「何もあそこまで怒る必要無いじゃないか…」


 などとブツブツ独り言を言いながら便器を磨き続けていた。そこへイヴァンが様子を見に来た。


「おぉ!頑張ってるなクロイツ」


「…なんだイヴァンか」


「そんな恨めしい顔で見るなよ。こうでもしないと示しがつかないだろ」


「示しねぇ…」


「なんか不満そうだな。延長しようか?」


「えっ⁉︎ いえ、イヴァン中尉頑張ります!」


「よろしい」



 危うく延長されるとこだったクロイツは、またブツブツ言いながら便器と向き合うのだった。



 クロイツが便器を磨いている間にも船は宇宙を進んでいく。トイレ清掃で艦長が不在でも、できる男イヴァンが居る限り安定した航行ができるのだった。


次のお話は帝国に舞台を通じます。

先の工作船で出てきたシュトルフとシュナイダーが登場します。そもそも彼らが帝国の話での中心です。

クロイツたちは少しの間、お休みです。


5話以内にクロイツたちの話に戻る予定です。



次回は日曜日、4月8日です!


いつも通り、21時に更新します

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