第8話 おついの愛情と赤ちゃん姿の柿五郎くん(3)
「この子は、あたしのおっぱいを飲むのが大好きみたいだね」
「チュパチュパチュパ! チュパチュパチュパチュパ!」
柿五郎はお腹がすいていたこともあり、おついのおっぱいをおいしそうに飲み続けています。おついと伝吉は、自分たちにすぐになついた柿五郎を見ながら目を細めています。
そして、おっぱいを飲み終えた柿五郎はお腹がいっぱいになって満足している様子です。
そのとき、伝吉はおついが抱いている赤ちゃんの名前をどうするか考えているところです。
「ところで、この子はどんな名前をつけたらいいのかな?」
「そうねえ、男の子にぴったりな名前と言えば…」
伝吉はおついに、赤ちゃんにどんな名前をつけたらいいか聞いてみました。おついは、元気な男の子に似合う名前を考え始めました。すると、柿五郎がおついたちに何か言葉を話そうと、手足をバタバタさせながら口を開きました。
「かきごろう! かきごろう! かきごろう!」
それは、赤ちゃん姿になってから言葉をうまくしゃべることができない柿五郎にとって、自分の存在をアピールするため精一杯の表現方法です。これを聞いたおついは、すぐにその赤ちゃんの名前を思いつきました。
「ねえねえ、この子に柿五郎という名前はどうかな? かわいくて元気な男の子にぴったりだし」
「元気な子供にぴったりな名前だね。それなら、この男の子の名前を柿五郎にするか」
おついによる赤ちゃんの名前についての提案に、伝吉もその名前をすぐに気に入りました。こうして、2人で育てる赤ちゃんは柿五郎という名前に決まりました。柿五郎にとっては、これまでと同じ名前で呼んでくれることにホッとしています。
おついは、柿五郎を板の間に寝かせています。すると、裸に腹掛け1枚だけの柿五郎は赤ちゃんらしく手足をバタバタさせています。
「あらあら、柿五郎くんったら、手足をバタバタさせて元気がいいんだから」
「赤ちゃんだったら、手足をバタバタさせることぐらい……」
おついは、柿五郎が手足を動かす様子に笑顔で見つめています。その様子を見た伝吉も、仰向けになっている柿五郎の正面へ座っていっしょに手遊びをしたりしています。しかし、伝吉が柿五郎の両足を上げ下げしようとして軽く握ったそのときのことです。
「ジョパジョパジョジョジョジョ~ッ、ジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ!」
「わわわっ、柿五郎くんはおしっこ噴水も元気いっぱいなんだなあ」
柿五郎は、伝吉の顔面に元気いっぱいのおしっこ噴水を命中させてしまいました。柿五郎がおしっこがいっぱい出ちゃったのは、おついのおっぱいをたくさん飲んだおかげです。
おしっこを命中された伝吉は、柿五郎の元気のいいおしっこにちょっとタジタジしている様子です。一方、おしっこ噴水をしてすっきりした柿五郎は元気な笑顔でおついと伝吉を見つめています。




