第7話 妖怪トウマワリと赤ちゃんになった柿五郎くん(5)
「やめろ! やめろ! これ以上おしっこをかけたら……。わわっ、わわわっ!」
「ジョパジョジョジョジョジョ~ッ、ジョパッジョジョジョジョ~ッ、ジョジョジョジョ~」
おしっこがこれ以上顔面にかけられるのを嫌がるトウマワリを横目に、柿五郎は両足を開きながらおしっこを勢いよく出し続けています。今まで大泣きしていたのとは一転して、柿五郎はおしっこをしながら元気いっぱいの笑顔を見せています。
2歳児の赤ちゃんになった柿五郎は、意思表示を言葉でうまく伝えることができません。それ故に、柿五郎は悪びれる様子を見せないで、大量のおしっこをトウマワリに命中させることで意思表示を伝えようとしています。
「うわわっ、うわわわっ! こりゃ、本当にたまらんわ!」
トウマワリは、柿五郎からのおしっこがこれ以上命中されるのはたまらないと、両手で握っていた柿五郎を空中に放り投げるようにしてそのまま逃げていきました。
一方、空中に放り投げられた柿五郎は、そのまま地面に落下しようとしています。これを見た座敷童子は、すぐに柿五郎を助けようと急いで走り出しました。
「柿五郎くんは赤ちゃんになったままだし、このままだと地面にぶつかったら危ないぞ!」
座敷童子は、何とかして柿五郎を地面への落下から守ろうと走り続けたことで、柿五郎を自分の両手で受け止めることができました。
「柿五郎くんを助けたのはいいけど、このままだと柿五郎くんはずっと赤ちゃんのままに……」
座敷童子のおかげで助かった柿五郎ですが、トウマワリの鋭い爪によって赤ちゃんになってしまいました。赤ちゃん姿の柿五郎を見て、座敷童子は途方に暮れています。
「柿五郎くんが元の姿に戻るためには、どうすれば……」
座敷童子は、柿五郎を地面に寝かせるようにしながら思案しています。すると、柿五郎が両足を上げるような格好になったので、座敷童子が柿五郎の正面へきたそのときのことです。
「ジョジョジョジョ~ッ、ジョパジョパジョッジョジョ~ッ」
「わわっ! 柿五郎くんったら、まだおしっこが残っていたんだ! でも、これだけおしっこ噴水するくらいだから、柿五郎くんが元気であることに変わりはないんだね」
柿五郎は、座敷童子の顔面に元気なおしっこ噴水をしてしまいました。これには、座敷童子も思わずびっくりしましたが、これも柿五郎が元気いっぱいである証拠であると改めて感心しています。




