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出会い

感想などお待ちしてます。

 この果てしなく続く宇宙の中には、様々な謎があり、様々な可能性もある。太陽系の惑星はその中のほんの一部に過ぎない。宇宙から見れば、本当に小さくて狭いものだ。

この永遠とも言える宇宙には一体、何があるのだろう?どんな事が起こっているのだろう?


 ここは、宇宙の5%を纏める惑星。ジェルラード。

高い技術力に強い部隊を持つこのジェルラードを中心に、テトランス、エルリール、グザリス、オアランド、ヴァイラの五大惑星が交流を保っている。その惑星間は、多数の宇宙船や戦艦が飛び交っている。

 しかし、100%平和なんてことは有り得ない。殺人も起こればテロリスト、モンスターだっているのだ。それは、人間に知能があるから。それが無い人間は何の為に存在しているのか?それは誰にもわからないだろう。


 この6つの惑星の中で、一番人口の多いテトランス。そこからこの物語の扉が開かれることになる。



 




「ふぅ〜。まいったな…。」


 ここは、テトランスの大型ショッピングモールの入り口前。多くの人が足を運ぶこの噴水広場で、レイド・ナーグス、21歳は、大変困っていた。

「何度も言わせるな!この男の命を助けたかったら、俺達のボスを解放して連れてこいって言ってんだよ!!」

 そう。レイドは、何らかの犯行グループによって人質に捕られていた。普通、こういうのは女性を狙うだろ!と、レイドは思ったが、このバカ共にはそんなこと頭に無かったようだ。

 この場所には、レイドと、犯行グループ5名、それを囲むようにテトランスの警備部隊、その後ろに野次馬、といった具合だ。

 どうやら、先日捕まった奴らのボスを解放させるために騒ぎを起こしたらしい。警備部隊も必死で説得をしている。

「わかった。わかったから落ち着け!今、お前達のボスを連れてくるため手続きをしている。もう少し待ってくれ!」 

 警備部隊の一人が嘘丸出しの言葉を投げかけている。

「早くしやがれ!」

 信じてるんだ!と思いながらも、レイドは自分を捕まえている人に尋ねる。

「なあ、ボスが解放されたら、俺を放してくれるかな?」

 なんの緊張感もないような口調でそう言った。それがレイドの性格なのだ。しかし、

「お前には逃げきれるまで人質になって貰う。どうするかはボスが決める。」

 やっぱり殺す気かよ!と心の中で叫び、溜め息をひとつ吐く。

 未だに警備部隊とのやりとりが続く。これは持久戦かな、と思っていた時、一人の女性が警備部隊員の制止を振り切り近づいて来た。年齢はレイドと同じか、少し年下。165センチ程度ののスラッとした体格で、腰まである青色の髪が特徴的な綺麗な女性だ。

 その女性はレイドを捕まえている男の前に立つと、

「ねえ、あなた達。人質は女性の方がいいんじゃない?私が代わるわ。」

 表情を変えることなくそう言った。その行動に周囲の人達も唖然としている。

「テメエ、近づくな!どうせ警備部隊の人間だろう!」

 レイドに銃を突きつけていた男が、女性の方に照準を向けた。

(さすがに、これはなんとかするか…。)

 そう思ったレイドは、その瞬間を見逃すことなく、女性に向けられた銃を掴み、男の顔面に肘打ちを喰らわせた。倒れる男から銃を奪うと、近くにいた仲間の二人の脚に銃を撃つ。瞬時の事で何も出来なかった男達は脚を押さえ倒れ込む。

 そして、すぐ反対側の二人にも撃とうとしたが、既に倒れ込んでいた。女性に目をやると、普通のより少し大きめの銃を構えていた。ちなみに、ここでの銃は弾ではなく、特殊エネルギーを発射させるものだ。

 有り得ない程瞬間的に終わったので、全ての人が固まっていた。開いた口が塞がらないとは、このことを言うのだろう。

 レイドは、奪った銃をその場に捨てると、女性に近付く。

「ありがとう。助かったよ。」

 笑顔で言うレイドに対し、女性は表情を崩すことは無かった。

「お礼なんていいわ。それに、あなた一人でも大丈夫だったみたいだし。」

 女性も銃を腰元へ戻す。

「君は警備部隊の人…じゃないよね?」

「ええ、違うわ。どうかしら?違う場所でゆっくり話さない?」

「いいね!そうしようか。」

 二人は、警備部隊の横をすり抜け、その場を後にした。 

 これが、この二人の初めての出会いであった。た。

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