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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 交わる影、揺れる心
82/201

疑問:結局は、同じ方向に向く事が一番難しい問題?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

色々な人が、リビングへ入ってきた。

こんなにリビングが埋まる光景は、ここに来てから初めて。


ひとまず落ち着いたところで、電話でお話したエリーザさんという方が話し始める。


「まずは、お久しぶりというところかしら?」

「ま。そうだな。引きこもってるって聞いてたが、元気そうじゃねぇか。」

「あまり表立って動いていると、いつまでも声がかかるのよ。静かに過ごしたい時ぐらいあるでしょう。」

「はは!スズに駆り出されたけどな!」


「…そういう事ではあるけど、あの人が頼ってきたのを、無碍にするほどに、私も冷徹じゃないですよ。」


雰囲気からも、アルファーさんとエリーザさんは既に知り合い同士らしい。

カカさんは、死神のガルシアさんもリビングへ案内して、すぐに飲み物を用意しに台所へ向かった。


「そりゃそうだ!それで?ねぇちゃんは死神って事だな。

アディール・クラーレンの方にも、死神みたいなのがいたみたいだが、ねえちゃんはそいつの知り合いって事でいいんかな?」

「えぇ非常に残念ながらあれは元同僚です。ご迷惑をおかけいたしました。」

「俺は少しはスズからも聞いてはいたが、実際に死神と会うのは初めてだな。お前らはこっちに干渉ができるんだな。」

「今回は、こちらのトラブルで、私が梓さんに関与をしていたので、かなり特別な例です。基本的には魂の回収以外では、我々死神は特定の世界には自主的に立ち入れません。」


そうなんだ。

普段から死神さんは、好きな場所に出入りできるのかと思ってた。

でも、気軽に出入りしてたら、魔法使いの人や他の世界の人でも、もう少し誰かが異変に気が付くか。


「なるほどなぁ。だが、あの死神は違うようだな。クラーレンと組んでいるように見えた。」

「はい。あれは死神側から逃亡中でしたので、追いかけている死神です。」


「…死神同士の事情はいいとしても、どちらも彼女が目的なのですか?」


エリーザさんの視線が、私に刺さった。


「あぁお前なんだ?魔法省やスズから何も聞いてないのか?」

「えぇしばらくは声をかけないようにと、言っていましたし、私も私なりに忙しかったのですよ。」

「へぇへぇそうかね。だがちょっとは今の事情を知っておいた方がいいぞ。なんせアディール・クラーレンは、俺たちの問題だろう?」


「・・・まぁそうですね。なのでまずは、お伺いできますか?」

「俺もスズから又聞きだからな、ミナちゃん頼めるかい?」


「・・・・・へ?あ!はい!分かりました。」


急に振られたので驚いたが、確かに今の状況は、当事者の私が説明するべきだよね。


エリーザさんにお話するのってちょっと緊張する。


ちゃんと頭の中で整理しながら、自分の知っている範囲で、最初の部分から順に説明していった。


電車から始まり。

相談所の事。

山本梓とアリス・フォーラスについて。

そして、フォーラス家や死神の事等々…


どこまで話していいのか分からなかったので、時々イザベルの顔を伺いながら、話を進めてみる。


「・・・と。私が知っている範囲での、アルファーさんにお世話になる経緯です・・・。」


「これは・・・まったく、何してんだか・・・。」

「あ?スズらしいじゃねぇか?何が問題だ?」

「問題というより、とにかくフォーラス家はさておいたとしても、アディール・クラーレンが可能性が上がった時点で一言連絡して欲しかったわ。どこか頼るタイミングが違うというか、遅いのよね。」

「はっはっはっ!そもそも俺らには、最低限しか頼れないと思ってるからな!変な気を使ってるんだろ。お前も引きこもってたのが悪いな。」


「はぁ…傍にカイルがいるから、何かあればカイルからくると思っていたのだけどね。

まぁ良いわ。ミナさん?で良いのかしら?ご連絡について改めてありがとうございます。

今さらだけど私はエリーザ・グラッツェルといって、スーとは昔からの知り合い。

あとはカイル・ヴィンセントが通っていた大学の学長をしていたわ。」


「・・・は!はい!学長さんだというのは、お伺いしていたのですが、すみません・・・。

今回色々とバタバタとスズも忙しかったので、あまり詳しくは聞いていませんでした・・・。」


しかもエリーザさんの事を、教えてくれたのもイザベル・・・。

でも、今回は本当にスズには、ゆっくり説明するタイミングが無かったと思う。


「いいのよ。そこの爺と同じく、ただの老いぼれよ。気にしないで。」

「まぁそういうことだから、この娘はどっちからも危ないって事だ。」

「そうね。それは確かに、老いぼれの手を借りたくなるのも分かるわ。ところで死神さん?」

「はい。ガルシアと言います。」

「ごめんなさい。ガルシアさんね。私もお初にお目にかかるのですが、さっきアディール・クラーレンが最後にしたことは、どういうことかわかるかしら?」


そうだ。

あの高い音。

見たところ実害は、みんななかったみたいだけど、誰も動けなかったみたいで、エリーザさんが来るタイミングに合わせて、逃げられてしまった。


「あれは死神の方の力ではないので、私も残念ながら存じ上げません。あくまで逃げる為にこちらの動作を止める目的だけに、使われていたようには思います。」


「…そうね。アディール・クラーレンは、死神ではないって事で良いのかしら?」

「はい。ただ彼はおそらく人間でもなく、思念体のように感じられます。アルファー・ギッシュ氏の魔法を受けて、半身を失くしても動作しているようでした。

そして一応お伝えさせて頂くと、死神は別の生き物を死神にすることはできません。」


思念体。――さっき庭で感じた“生き物じゃない感じ”が、言葉になった。


「分かったわ。ありがとうね。アルファー?なんであなたの結界が破られたの?」

「あー・・・そこのガルちゃんが言うように、思念体という形が何かあるのかもなー。

結界の属性強化は高いが、幽霊なら入ってこれるかもしれないだろ?」


「…属性を持たない思念体ねぇ。でも、あなたの魔法は効いていたのよね?」

「最後のあれも属性を持たない魔法だ。あいつは属性に対する耐性が、強いのかもしれんな。」


「お話し中の所申し訳ありません。アルファー様。ミランダ様と・・・外務の方がいらっしゃったのですが。」

「あ?ミランダ?まぁ通して構わない。」


廊下から、カカさんが声をかけてきた。


ミランダさん?


イザベルが反応して、丸まっていた姿勢を正す。


「お邪魔しますよ。…あら。珍しく人が多いのね。お邪魔だったかしら?」

「かまわねーよ。どうした?追跡がうまくいったか?」

「あぁさっきの?あれはダメね。多分難しいと思うわ。」


「な!!!グラッチェル元学長もいらっしゃったんですか!どうも!いつもお世話になってます。」


以前お会いしたミランダさんの後ろから、知らない男の人が出てきた。


・・・誰だろう?


「…あら?どなたかしら?ミランダ?」

「外務大臣ですね。」


ミランダさんが一息置いて、続ける。


「…先ほどカイル・ヴィンセントからの依頼で、私はブライアン・フォーラスと対応をしていたんですが、先ほど魔法省に戻ってきた途端に、ギッシュさんの家が襲われた事を聞いたので、向かおうとしたところ、何か進捗があったかと期待したのでしょうか、ついてきたのですよ。」


「・・・いや、そういうわけじゃないよ。・・・あー。フォーラスの事についても、彼らに相談した方がいいんじゃないかい?・・・ミランダ?」

「無理ですよ。何を言ってるんですか?ほら、御覧なさい。」


外務大臣・・・って政府のお偉いさんってことだよね。

以前ミランダさんにお会いした時にはいらっしゃらなかった方だ・・・


「あ?フォーラス?あんな若造はお前らで、どうにかすればいいだろう。今さら何を老いぼれに相談するってんだ?」


「あー・・・いえ、色々悪魔の話もミランダから伺っており、我々の手だけでは、少々厳しい状況でして・・。」

「あなた?フォーラス家の事件の時にも、外務部にいたわよね?その時、どういう対応したか思い出してみてはいかが?」


これは・・・なんだろ・・・


言葉が落ちるたびに、床に見えない亀裂が広がる。


アルファーさんもエリーザさんも、嫌そうにしてるのを顔全面に出してる。


「あ、あれは・・・そう。基本世界の人間が干渉しようとしていたこともあり、我々で解決するべき問題でしたので・・・。」

「だったらそうすればいいだろ?今さら引退して何百年の俺達に、頼む必要などないだろ?」

「そうね。だいたい一市民だったフォーラスも相手にできないようじゃ、魔法省の上層部として、話にならない事じゃなくて?」


「・・・いえ、この度アディール・クラーレンも噛んでいると聞いて・・・流石にギッシュ様やグラッチェル元学長の方々の方が、当時のご経験もお持ちでしょうし・・・」


二人とも完全に断り姿勢だ。

この人も政府の上の人なんだろうけど・・・。

多分この中では一番若いのだろうし、これはかなり厳しそう。

やっぱり引退したから、今の問題は今の若者にってことなのかな?


「…はぁ。あなたね。なんであなた方があの時、サーズの意見を無視したのか、さっきも言ったわよね?」


「え・・・えぇ。ですからそれは基本世界の・・」

「その理由もどうかと思うけれど、とにかくそれは表面上の理由でしょ?

結局はフォーラスに関わった、政治家や上層部の者を一律に見直す事に、反対したからでしょう?

その結果、フォーラスは生き残って、今まさに好き勝手している状況なんだから、自業自得もいいところよ。私の生徒だってわかる話だわ。」

「そうだなぁ。もし俺らがじゃあ今から関係者を洗いなおすって、言ったところでお前ら結局反対するだろ?なら自分で何とかするしかねぇな?」


なるほど。

この魔法使いのお偉い方の言い分としては・・・

当時のフォーラス家の事件の時も、スズが入って口を出したけど、それを魔法使いの問題だという形で突き放しておいて、今さら手に負えないから、手を貸して欲しいといっているのね。

・・・しかも政治家や偉い方への調査は、NG。

なんて・・・傲慢というか・・・自分勝手と言うか。


「・・・ミランダ。お願いできるように、頼んでもらえないだろうか・・・?」

「最初にも言いましたよ。無理ですよ。フォーラス家の問題そのものは、我々の手でサーズの力を借りてでも、解決するしかありません。」


「・・・・。魔法使いじゃないものが、どうこうできる話じゃないだろう?」

「はぁ・・・あなたねぇ。アディール・クラーレンの時だって、サーズから我々も力を借りたんですよ?何を今さら力不足と言っているのか、意味が分かりません。」


なるほど。

どこかで結局、心理的な問題なのかもしれないのかな。

基本世界の人間を、下等人と卑下してるから協力する事が嫌なのね。

しかも自分達の不利益になる提案をしてくるからね・・・


「・・・じゃあ彼女に協力すれば、手を貸してくださるのでしょうか?」

「なーに言ってんだ?すでに手を借りてるんだろ?さっきミランダも言ったじゃないか。

ブライアンの元に行くのに、あいつと一緒にいるヴィンセント小僧から呼ばれたんだろ?

それを協力して貰っていないと思ってることが良く分からん話だな。お前は要はミランダについてきたりして、良いとこ取りがしたいんだろ?」

「・・・・ではどうすれば・・・・・よろしいでしょうか?」


もう提案は難しそうなぐらいに、詰められている・・・

気の毒に見えるけど、これは自業自得だよね。


「お前の方で警察を使って、政府や上層部からフォーラス家の関係者一覧を、スズに出してやれ。話しはそれからだな。」


「そ!それは・・・流石に・・・・・無理がありますよ・・・・・。」

「それなら自分達でどうにかしなさい。すぐに親に泣きつく子供じゃないんですから。」


「・・・・・・・・・検討いたします・・・。」


そうして大臣の男の人だけが、カカさんに送られて出て行った・・・


なんか今まで、話だけは聞いてたけど、魔法世界の闇を見てしまった気がする・・・


スズが、孤立しやすい理由が少し分かった気がした。


「さて、うるさいのもいなくなったところで、先ほどカイルに手伝っていただいてブライアン・フォーラスとの交戦を行ったのですが、サーズのところの吸血鬼がいないとやはり悪魔の対応が厳しく、ひとまずは逃がす形になりました。」

「フォーラスの奴と悪魔との契約内容は分かったか?」

「いえ、そこは何度か解析にかけていたのですが、ピンとくる内容が出て来ませんでした。」

「完全に分割ができないなら、足跡だけ上手く残して泳がせてしまった方が、楽だろうな。でなけりゃ、さっさとブライアンだけでも始末してしまった方が良いとは思うが。」


「・・・・そうですよね。他のフォーラス家もいるようで、アディール・クラーレンも含めて、ブライアンをきっかけに全員回収をしたいんですよね。」

「アディール・クラーレンは、他の種族の手を借りないと難しいぞ。あれは既に魔法使いじゃない。

フォーラスはフォーラスで回収する方法を探しておけ、直接魔法省には関わる気がないが、スズも手が必要ならそっちは手を貸すつもりだ。

だが、現にスズが必要以上に手助けを要求してこない以上、恐らく俺らにも厳しい話だろうな。」


とにかく対応に困るのは、ブライアンと一緒にいる執事っぽい悪魔とアディール・クラーレンって人。

スズも悪魔は難しいって言ってたし、だからブライアンを下手に拘束しても、魔法世界にそのまま連れてこられないって感じなのかな。

どこか別の場所に閉じ込めたりできればいいのかもしれないけど・・・

悪魔も呼べない遮断されたような場所ってあるのかな・・・?


「あの。宜しいでしょうか?」


あ。そういえば魔法使いばっかりだったけど、死神のガルシアさんもいらっしゃるんだった。


「スズ・・・サーズでしょうか?からの話では、アディール・クラーレンという者は恐らく魔法使いが対象であれば、記憶の移動を果たしているらしいという事も聞いています。

今回死んで生まれ変わった筈の者が、記憶を引き継いで出てきた事については、他にも協力者がいると死神の内でも調査中です。

ですが、先ほどアディール・クラーレンと一緒にいた、ブラッド・オルティースという死神も我々の方で急ぎ捕獲しなければ、一人処罰を与えたとしても直接的な解決になるかは、怪しい面が残ります。」


「なるほどな。フォーラスといいアディール・クラーレンといい、その死神といいどれを中途半端に残しても、意味がないって事か、そりゃあー厄介だ。」

「フォーラスは恐らく魔法使いである限り一応対応できるとして、アディール・クラーレンは難しい。そして死神というのは、我々は戦闘経験を持たない種族です。

実際のところ、魔法使いで対応は可能なのでしょうか?」


エリーザさん。

流石元学長・・・的確に整理をしてくださった。

確かにガルシアさんが言う通りかもしれない・・・

悪魔とアディール・クラーレンはもう対応が難しい事がハッキリしてるけど、その上死神も対応不可だと、いくらフォーラスを全員捕まえられても、根本的な問題解決はしなさそうにみえる・・・


「死神は影から生まれた・・・生き物という感じでしょうか。本来は人間の姿ではありません。」


そういうとガルシアさんは、自分の影に同化するように、その姿は影の一部の様な黒いものに変化した・・・


「我々は、人間の思念・残留から生まれたものといわれています。」


再びガルシアさんが出てきて、いつもの姿になった・・・


人間の思念?


「ですので魂を持ちません。あくまでこの影が散ればそれで消滅です。

これは魔法も効きます。ですが、物理攻撃はあまり効きません。

なので魔法使いに対応する事は一応は可能なのですが、もちろん慣れない対応とはなると思います事と、ブラッド・オルティースも何故か悪魔が傍にいるようで・・・

何を提供材料として契約したのかは、こちらも不明ですがそれも死神側として課題点だと考えております。」

「はー・・どいつもこいつも悪魔がいるのか。そりゃ死神の嬢ちゃんの方も大変だって事は分かった。

だが、言う通り戦闘経験がないが魔法が通じるのであれば、個人対応についてはどうにかなるだろう。若造共には厳しそうだが。」

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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