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さて、どうするよ


 美奈を石川家のマンションに連れ帰った祐一達。


 折角だからと、社長達の住む最上階へとお邪魔する。


 ここはいわゆるオーナーズマンションというやつで、6階より下は賃貸だ。


 但し犬猫を飼っていいマンションらしく、満杯のはずなのだが入居希望が後をたたないらしい。


 なのにオーナーである石川一家がペットを飼っていないという首を傾げる状態である。



「つまりな、皆が飼いたいペットが違いすぎたんだよ。ペット飼いたくて建てたくせに未だに何も飼ってないんだよな」



 そう言いながら隼雄が、珈琲を啜る。


 祐一が客としてやってきた途端に、何故か彼が珈琲を石川の家族に振る舞うという、これまた首を傾げる状態である。



「大体美奈が、ペンギン飼いたいっていうからでしょ」


「ママは、カワウソって言ったじゃん」


「僕は犬だねえ。かわいいでしょ」


「俺は何も飼いたくないと言ってたんだがなぁ」



 そう言いながら、嬉しそうに黒猫を手にして吸う社長である・・・・



「神谷のウチに行ったときに猫が可愛いと気がついてなぁ・・・」



 ショボーンとする隼雄。そして、其れを慰めようと隼雄の頭にのそのそ登っていくクロ。



『でも、アレ普通の猫じゃないから・・・』



 麗奈の目が泳ぐ。



「社長、でもクロ達は猫じゃないんですよね。『猫又』なんで。可愛く見えても100歳超えですよ」


「「「え?」」」


「神谷のウチに住み着いてる猫は全部そうなんです」


「ネコマタって妖怪の?」


「尻尾一本だよ?」



 その場の全員が、クロを見た。


 隼雄は頭の上にいるので見えなかったが・・・










「まあ、猫又だというのは、追々わかるでしょうからまあ良しとしてですね」



 良いのかと、もはや誰も突っ込まない。


 だってこの家族だって異世界産女神(アイーシャ)が住んでいるので大概である。


「ハワイより、日本で人前式でイイんじゃないかという気がしてきたので、どうしようかと。其れと、日取りをどうしようかというご相談をしようかと」



 祐一が真面目な顔をするのだが、どうにも開口一番が『猫又』だったので締まらない・・・



「ハイハイ! 質問です」



 妙に締まらない中で、美奈が小学生の様に手を挙げる。



「2人は結婚した後、住むトコどうするの?」


「今、俺が住んでるマンションかな?」



 祐一が考えながら答える。



「ここに住めばいいじゃん」



 美奈は足元を指差す。つまりこのマンションのことだろう。



「麗奈さんの希望は?」


「出来たら祐一さんのマンションかな? 今住んでるところは女性専用なので引き払わないと駄目ですし」



 うーんという顔をする麗奈。



「じゃあいいんじゃないかな? 俺の住んでるトコで」



 ニッコリと笑う祐一。



「家賃勿体なくない?」



 意外に現実的なアイーシャ。

 こっちの世界での生活も長いからであろう。



「家賃は要りませんよ。だってあのマンション俺の名義ですから」



 その場の全員が、おいおいその若さで持ち家てか、自宅マンションかよと言う顔をする。



「あそこは分譲と賃貸両方なんですけど。俺の家は分譲ですね。借金無いので大丈夫です」



 そうだった、コイツは価値観がおかしな男だったと全員が肩を落とす。


 ただ一人アイーシャだけが



「じゃあさ、今日からでも一緒に暮らしたらイイんじゃないの? だってどうせそうなるんだからさ~同棲が嫌なら、サッサと入籍だけすればいいじゃないの」


「え、でも」



 戸惑う祐一。



「だって、麗奈のマンションの家賃が勿体無いじゃないの。その分自分達で使ったほうが楽しいじゃない〜」



 女神様(アイーシャ)、サバサバ系の母であった。





×××





 「じゃあ、木田さんが会場としてアトリエ貸してくれるんだね」



 辰夫がいつの間にか『チュール』でクロを釣って隼雄から引き剥がして撫でていて、隼雄社長は残念そうにそれを横目で見ている。


 因みにクロはチュールに夢中だ。



「うん。ガーデンパーティーでもいいし、撮影も出来るからって。天気悪かったら4階のスタジオをパーティー会場にすればいいよって言ってくれてるよ。なんかね、先生も祐一さんのことメッチャ気に入ってるみたい。あの人あんなに初対面の人に愛想よくないもんね」


「え、そうなんですか」


「うん」



 これもまた女神効果なのかな、と思う祐一である。




「一応ね、美沙さんとは話が付いてるのよね。祐一君と麗奈の合意があれば一緒に住んでいいって事で」



 女神様がニコニコ笑いながら突然言い出す。



「え? 母といつの間に」


「神谷の実家に最初に行った日によ〜、アタシだけ後から帰ったじゃん」



 先回りされたけどな、と祐一と隼雄と麗奈が同時に思った。



「なんかさ、『寄り合い』って忍者の組合なんでしょう? あのお爺ちゃん達が祐一君と麗奈を夫婦って認めたから、後は籍を入れさえすれば良いからって言われちゃったのよね。あの宴会騒ぎって、披露宴だったらしいじゃない? 婚姻誓約書に血判押してあるから、『寄り合い』からしたら、あれが籍を入れたのと一緒なんだって笑ってたわよ」



 全部バレてた。



「名より実を取るのが『忍び』だから、だってさ〜なーんかさ異世界(あっち)と一緒だなって思っちゃったわ。結婚式なんて異世界(あっち)はないからね~」


「え? そうなんですか?」


「そんなもんするのは、国王クラスだわ。ふつ~の平民はやらないわよ。貴族階級とかも籍を入れるだけね」



 アイーシャの言葉に



「「知らなかった!」」



と、言ったのは娘2人で、隼雄と辰夫は笑っていた。どうやら知っていたらしい。


 こちらの世界に隼雄を追いかけて来たときに結婚式の説明を受けたが、



「なんで女神なのに神様の承諾が必要なのよ!」



 と、怒られたとの事。


 何か色々と納得したような気になった祐一と麗奈と美奈の3人である。




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