嫌な叔父共が来たそうです。
「はぁ。」
俺はこの後行われるであろう展開を予想して、はやくもため息をついていた。
何故俺のため息の原因はというとーー
「ーーおい、聞いているのか!?」
「仕方ないですよ、兄上。こやつは所詮あの愚妹の息子なのですから、兄上の高尚な考え等なかなか理解できる筈がありません。」
「全くこれだから、親子共々揃って愚かしいな。」
俺はそんな台詞をーー
(てめぇら、けつの穴から手突っ込んで奥歯ガタガタ言わしてやろうか。)
と半ばキレかかっていた。
だってそうでしょう、ただでさえ親が仕事しなくてストレス溜まってるのにこの叔父共は、いきなり来てなんて言ったと思います?それはーー
「貴様、最近【オセロ】とかいう玩具をつくって、儲けてるらしいな。貴様が持っていても意味がない。だから、我々にその利権をよこせ。」
「そうだそうだ兄上のいう通りだ。貴様のようなガキが持っていても宝の持ち腐れだ。だから私達が管理してやるからさっさと利権を渡せ。」
という、訳のわからないことを言ってきて、なんとも殺意がわく叔父共である。
ちなみに兄の方がマーリンで、弟の方がエムリーだ。
確かに俺はオセロを作りましたよ、ええ作りましたよ。
他の転生者共はさすがに7歳じゃあ俺と違って、生産ルートや販売ルートを確保できなかったのか、はたまた普通に売る発想がなかったのかは知らないが、俺以外にオセロを売っているものはいなかった。
この世界はどうやら娯楽が少ないようで、半年前から売り始めたのだがーーこれが爆発的に売れて次々に発注がかかっている、人気商品になった。
さてそんな今最も売れているオセロをこの叔父共は売れというならまだしもーーよこせとそれが当たり前のように言ってくるのだ。
そりゃあもう、ぶちギレ一歩手前にもなりますよ。
しかもこっちが呆れてため息ついたら、それをネタに攻撃してくるし…ああ、思い返したらなんか無性に殴りたくなってきたがそんな事よりもーー
「叔父上、それは無理というものです。何故なら、叔父上も知っての通り、複製防止の為にあのブラッド家の家紋を使わして貰っているためです。あれは家ではなく、私の名で契約しているので叔父上では使えません。家紋がなければ真似るものも出てくるでしょう。」
ブラッド家とは有名な由緒正しき吸血鬼の貴族だ。
その家系からは多くの優秀な魔術士を世に送り出している。
そしてーー今日元々商売の話をする予定だったコーランさんが現当主だ。
コーランさんもかなり優秀な魔術士で、昔親父達とやりあってから仲良くなったらしいのだ。
あの親父と互角に闘えたそうだ。ーーあの親はつくづく人ではないと思う。
ステータスだけなら抜いたのに、いまだに完全に勝ちきれない。
あっ、ちなみにステータスだが一定水準をこえるとStr等のステータスが出現した。
ちなみにステータスの表記も魔力と同じくGからSSSクラスまである
内約はーー
G・・・一般人
F・・・少し戦闘が出来る位
E・・・一般兵クラス
D・・・隊長クラス
C・・・王国騎士クラス
B・・・聖騎士クラス
A・・・勇者クラス
S・・・竜クラス
SS・・・魔王クラス
SSS・・・神クラス
だそうで、まぁあくまで例えであるので、絶対というわけではない。
あと、種族なんかによって、ステータスの上がり具合や、同ランクでも能力の高さに差が出たりする。
ちなみに勇者は五人。
各種族から一人ずつ現れる。
勇者は五人、それぞれ特殊なスキルをもった者がなる。
それには血筋等関係なく、五人の勇者の内欠けたりすると、その年の間にはもう新たに勇者のスキルをもった子どもが産まれたり、或いはいきなり勇者のスキルが出現したりするらしい。
またこのスキルがかなりチートなんだそうだ。
少し脱線したことを考えていると
「そんな事は分かっている。それを踏まえた上で渡せと言っているのだ。」
「いやしかし、ブラッド家と契約しているのはあくまでも我が家ですし、叔父上ない理由は他にもありますが、何よりもーー叔父上達に渡す理由が有りませんよ?」
「ええい黙れ黙れ、お主は黙ってただよこせば良いのだ。そんな金の卵は私達が持ってこそ輝くのだ。」
oh、まさかのジャイ○ン理論。
俺のものは俺のもの、お前のものも俺のものってかだがーー
「そりゃあ叔父上達が今大変なのは分かりますよーー新しい事業を起こそうとして失敗したそうですしね」
叔父共の顔が強張る。
「・・・なんの話だ?」
「誤魔化すのが下手くそですねぇ、叔父上は…まぁ利権は渡す気はありませんので、諦めてください」
「貴様、言わせておけばーー」
「やめておけ・・・本当に良いのだな。どうなってもしらんぞ。」
そんな捨て台詞を残してマーリンはこちらを睨みながら、エムリーは怒りと羞恥で真っ赤になった顔をこちらに向けながら帰っていった。
「カレン」
俺はいつの間にか部屋にいたカレンに話しかける
「なんでしょうか、主?」
「今の話は聞いていたな。しばらく叔父共の監視をしてく来てくれ。手段は問わないが・・やり過ぎるなよ」
「了解しました主。」
そういって部屋を出ていった。
「ああ、そういえば主旦那様と奥様からこんな手紙が来ております。では私はこれで」
そういって今度こそ本当に出ていった。
俺がその手紙に視線を落とすとーー
『弟が出来たよ♪これで君もお兄ちゃん、やったね♪』
と書かれてあった。
「はっ、ハァアアアア!?」
と叫んだあとに
「あの親共は旅先でもイチャイチャしやがって。帰ってきたら絶対仕事させる。」
そう固く決心したのであった。
感想、違和感等ございましたら送ってくれるとありがたいです。どしどしくるのを待ってまーす。