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やっぱり先輩には敵わないだそうです

はい、久々の本編どうぞ!

というかどんどんブクマが増えていって嬉しいです

今後ともよろしくお願いいたします

「おーい、戻ったぞー」



どこか間の抜けた声と共にトールが茂みから出てくる

私たちは何ごともなかったようにUNOをしながらトールを迎える



「おかえりなさい、ずいぶんと時間がかかったのね」


「いや、ちょっと面白いもの見つけてな」



そう言ってトールは虚空に腕を突っ込むと何かを探すような仕草をしながら



「いた、いた」



そう言ってアイテムボックスから本来入らないはずの生物であるネズミを取り出す



「ほらっ」


「「!!!」」



その場にいた全員が驚愕の表情を浮かべる

それも仕方のないことだろう

もう一度言うがアイテムボックスから生物を取り出したのだ

ジークが震え声で尋ねる



「せっ先輩、それはいったい・・・?」


「こいつはな『次元ディメンションラット』という名前のまんまなんだが『次元歪曲』という超々レアスキルを持ってるんだ。

これは空間系のスキルや魔法に干渉できるんだが・・・なんとこいつアイテムボックスに入ることができるんだ」


「えーっと、先輩?あのですね、そんな能力を持ってるってことはランクは如何ほどで?」


「うん?希少さと能力から冒険者斡旋組合ギルドはランクSSとなっている」


「・・・・一応聞いておきますが先輩、それをどうするつもりですか?」



ノエルが呆れながら手のひらでちょこんと座っているブラウンの毛並みの鼠を指で撫でているトールにジト目をむけている

それも当然だろう

次元鼠は確かに希少な能力からランクが高くなっているがそれだけが理由ではない

その気になれば次元を捻じ曲げることで四肢を切断することもあるのだ

それを手懐けるあたり相変わらずトールには自重というものがない

ジーク達があのような心配(・・)を抱くのも仕方のないことだと理解できる

私は先ほどの茶番劇を思い出す―ーーー







「ふうやれやれ、こう久しぶりにキャラを作ると肩凝るなあ」


「仕方ないでしょ、ああでもしなきゃまた面倒なことになりかねないし」



大したことどころか名乗ることさえ許されなかった襲撃者バカが退場した後、ジークとノエルは纏っていた空気をがらり、と柔らかいものに変えると疲労感がにじみだす

二人は示し合わせたかのように同時に一度大きくため息を吐くと愚痴をこぼしだす



「大体他の部員がいれば僕たちがこんなことしなくていいんだけどなあ」


「そうそう」


「しかも何で襲ってくるのがあんなに弱いんだよ・・・

あいつらの上司、僕たちの前世してきたことを知ってるんだよね?なのにあれだけの戦力とか舐めてるとしか思えない」


「おおかた、実力調査だろうけど・・・だとしてもあまりにもひどすぎる」


「ああ、どうせあれなんだろ文芸部(・・・)の中だと最も弱い(・・・・)能力って予想されたんだろうけど」


「事実そうかもしれないけどたかが三人程度で実力もくそもないっていうか・・・はあ」



愚痴を言い合いながらだんだんと落ち込んでいく二人

私たちはそんな二人をで見てものすごい既視感に襲われていた



「さすが、師匠の後輩って感じがしますね」


「そうね、やらかした後にずれたところで落ち込みだすところとかそっくりだわ」


「あ、あはははは・・・・」



私、セバス、クリスの順である

ところがこのつぶやきに対して



「「あそこまでひどくない!!」」



落ち込んでいたはずの二人が過剰反応した(さけんだ)

私はジト目で二人を見ながら冷たく返す



「で、お二人さん、そろそろ私たちに説明してくれるかしら?」


「あっ!」



どうやら二人は素で説明するの忘れていたようである

なんというかこういう一つ一つにトール(あれ)の後輩って感じがするわ



「えーっとですね、あの連中は多分間違いないでしょうけど僕たちを狙ってきたんです」


「それは見てれば分かったわ、問題はどうしてあなたたちがってところよ」



ただの転生者というのであればあんな風に狙われる理由がないはずだろうし

あの様子では私怨を持った知人というわけでもないだろうしね

つまり彼らはよく知らない者に狙われていたのだと考えられる

さらに言うならそれは彼らだけでなくトールにもかかわることなのだろう



「—――—というのが私の予想なんだけど、どうかしら?」


「わー・・・」



私は別にジークたちの能力に驚いていたわけではない

いや、まあ厳密にいえば驚きはしたのだけれど・・・

でも、トールの後輩だしと思うとすごく納得できてしまったので結構あっさり冷静になれたわ

・・・・これも誰かさんの非常識さに慣れてきたせいかしらね

なんて、ちょっと気分が沈みかけていると



「ふ、ふははは」


「あ、あははは」



突然二人が笑い出した

・・・こういうところも先輩トールそっくりだわ

こう、急にツボにはまるあたりがもう・・・

何なのかしら、転生者ってみんなこうなのかしら?



「いえいえ、転生者だからってみんながみんなこうじゃないですよ」



あら、声に出てのかしら?



「あっ、声には出てませんからご心配なく」


「それにしても、いやーあれですね」



だったらどうしてわかったのか、少々問いただしたい気分に襲われるが話が進まないのでやめときましょう



「少しレイナさんたちのことを甘く見積もりすぎていたようですね」


「あら、そうなの?」


「ですが、その考えは改めなければなりませんね、クリスさんやセバスさんを含めて」



セバスとクリスの方を見るとどうやら私と似たようなことを考えていたようだ

やっぱり師が同じだと考えも似るのかしら?



「一応、僕は対象設定場のすべてにしたのに皆さんはどうやら飲まれなかったようですしね

なにより、あの状況でそこまで考えられている時点でだいぶあれだと思いますけどね」


「まあ、こう言うのもなんですが師匠が規格外な故その弟子が情けない姿はさらすことはできませんから」


「というか、師匠といると常識なんて持ってるだけ邪魔といいますか、そのぉ~」


「まあ、先輩が認めているということ自体がその証明なのですが、いやはや予想以上ですよ」



つまりあった時から私たちは品定めされていたのね

まあ、別に気にしてないのだけれど

トールも初めて会ったとき似たようなことをしていたでしょうしね

あれと一緒にいる限りその程度を気にしていたら身が持たないわ



「僕たちが狙われた理由ですが、とてもありふれた理由ですよ」



ジークはそう言うがトールの話では彼らの世界において普通よく知らない人間に狙われるなんてことはありふれえたことなんかではないはずだ



「難しく考えすぎですよ、要は彼らが僕たちに何を求めていたかを考えればいいんです」


「個人と考えるのではなく組織、と考えるとわかりやすいですよ

といいますかたいていの組織が求めるものですね」



個人ではなく組織として

・・・ああ、なるほどそういうことね

というかずいぶんな自信を持ってないとそんなに堂々と言えないと思うんだけれど

どうやら、セバスも私と同じ考えに至ったようだ

早々にまだ思考に耽っているクリスにいじりながらヒントを教えている

まあ、二人は置いとくとするとして



「・・・もし私の予想が当たっているならずいぶんな自信だと思うわ」


「そうですかね?自覚がない誰かさんを見てるとそこんとこしっかりしないといけないと思えてなりませんけど」


「それは・・・さすがに否定しかねるわ」


「ご理解いただけたようでありがたいです」


「でも、下手したら怒り出す人もいるかもしれないわよ

ーー自分たちの能力が高いから向こうがスカウトに来てるなんて」



二人は困ったように肩をすくめている

セバスたちは黙って二人を見ている



「困ったことに僕たちは組織の邪魔になるからと言って消せるような存在じゃない」


「もしくは一人倒しても、残りの化け物を敵に回すだけ、それ故に一人でも引き込めれば全員引き込まれるかもしれないと、思われているんでしょうね」


「------」



その二人の答えに私は狼狽えることもなく、考えさせられることもなくーーー



「でも、あなたたちそれが楽しいと言わんばかりの顔をしてるわよ」



その私の返しに二人はどうやら驚いたようだ

何を驚いているのだろうか

二人の顔は楽しみを前にした子供のようで、そうまるでーーー



「まるでトールのような顔をしていたわよ」


「「!?」」



二人は驚いたあと、大きくため息をつくと



「やれやれ、やはり先輩にはかないませんね」



そう疲れたように言ったのだった








ーーーそのあと私たちは二人に念を押されたことがある



「トール先輩は僕たちよりも狙われる確率が高いです、なぜならーーーーー



トール先輩は僕たち、化け物クラスを集めた、始まりの三人の一人なのですから」 


だが私は次元鼠を手懐けている愛しい人を見ながらおもう



ぶっちゃけトールなら何が来ても大丈夫じゃね?、と


こういうことを考えるようになっているのは毒されているからなのだろうかと本気で悩み始めるレイナであった

ところで新作書いたらよんでくれるーってひといます?

あったら感想欄でお願いします


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