小説執筆作法◆中級編◆
前話では小説執筆における基礎中の基礎を紹介しました。続いては小説執筆における作法の中級編と題して、前話の続きをご紹介します。
・「の」の連続使用を控える
例)僕の家の近所の家の猫は黒色の猫です。
上記の文では、「の」が連続で使用されています。この文章では、ごちゃごちゃしており、とても分かりにくい表現となってしまいます。
【改善例】近所の家の猫は黒猫です。
いかがでしょうか。「の」の数がかなり削減でき、より伝わりやすくなりました。こういった場合は極力不必要な文を削除することが求められます。
夢中になって文章を書いていると、どうしてもこのような「の」の多用が見られます。注意してみては?
・同じ音を重ねない
例)家に行ってから言う。
「行く」と「言う」。同じ音が重なっていて何か違和感を覚えます。
より読みやすくするために、別の語句に置き換えてみましょう。
【改善例】家に行ってから話す。
家に着いてから言う。
家に着いてから話す。
このようにすると、違和感が消え、より読みやすくなります。
・主語と述語が合うように
一文が長くなればなるほど、その文の主語と述語が合わなくなってしまうケースがよく見受けられます。主語と述語の関係は文章の大原則なのでおさえておきましょう。
・「……」の多用に気をつける
三点リーダー「……」は、一般的に余韻を表すものとしてよく使用されます。しかし、多用しすぎてはいけません。ここぞという時に使い、多用は控えましょう。
もし、余韻を残したい箇所が多数あった場合、同じく間を表すダッシュ「――」との併用も考えてみると良いかもしれません。
・文章表現
文章中において、「言う」や「見る」という表現は、何度も使用する機会があると思います。しかし、そのままその言葉を同じ表現で連呼していると、安っぽい表現に感じてしまいます。
そこで、表現を変えましょう。
例)「見る」(「一瞥する」「観察する」等)
「言う」(「述べる」「告げる」「呟く」「叫ぶ」等)
これにより、事象の把握がしやすくなるとともに安っぽいイメージを払拭できます。