番外編.ライアンの波乱な人生2〜元王子2〜
ライアン10歳。
勇気を出して自分を嫌うルシウスの前に立ち、頭を深く下げる。
「お願いです。僕を鍛えてください。」
「あ?我はお前が嫌いだ。お前がリリアの視界に入るのも嫌だと言うのに。」
「最初に元ヒロイン様にお願いしたら、ルシウス様に鍛えてもらえと!」
「我が最初ではないのか!」
「なのでルシウス様僕を鍛えてください!」
「何故だ?得た力で親の仇打ちをしたいのか?リリアに害をなすつもりなら、今直ぐお前を殺す。」
「違います!僕はリリア様を支えられる程強くなりたいんです!だって僕はリリア様が大好きだから!」
「・・・その言葉、本当か?」
「はい!誓って!」
「・・・・・。」
ルシウスは冷たい目でライアンを見る。
ライアンは負けじと目を逸らさずにルシウスを見る。
「帝都の学園で全教科一位を取ってみろ。主席で卒業したら考えてやる。」
ライアンはパァッ!と明るい顔になった。
「わかりました!全教科一位で主席で卒業して見せます!約束ですよ!」
8年後。
ライアンはルシウスとの約束通り全教科一位で主席で卒業した。
「さっすがメインヒーローの息子なだけあるよね。」
感心する元ヒロイン。
「続編のメインヒーローの我の方が凄いがな。」
大人気ないルシウス。
「張り合うなって。リリアに続編の話してないよね?」
「してない。怒られるからな。」
「言わないでね。私も怒られるから。」
スクリーンで輝く笑顔の青少年を見ている2人だった。
8年ぶりに再会するリリアとライアン。
「ライアンはいつ私を殺してくれるの?」
リリアの問いにライアンは笑顔で答える。
「殺しません。僕はリリア様が大好きなので。」
リリアは目を見開いた後、小さく笑った。
「そう・・・。」
リリは静かに目を伏せるのだった。
約束通り、ルシウスは様々な魔法でライアンを鍛えた。
遠慮なく、苛烈に、容赦なく、鍛えた。
ルシウスはライアンを戦争にも駆り出し最前列で戦わせたりもした。
その時はリリアにルシウスは半殺しにされた。
ライアンは武功をあげ帰ってきた。
そんな日々が何年も経つとルシウスに認められ、右腕と言われる程に帝都で有名になった。
そしてリリアとルシウスを近くで支える為に執事となった。
ライアンはリリアとルシウスの影響で老けず、イケメンだったので女子に大人気だった。
そして元ヒロインが消えて何十年も経った。
ライアンは老いることなく帝王一家を支えている。
「今度から娼館に行く時は私も着いて行きますからね!」
自分の腕にしがみつく、帝王一家の長女アリアに困った様に笑う。
「皇女様をあんな所に連れて行けませんよ。」
「いいえ!ライアンを狙う輩から守らないと!」
「見た目はリリア様なのに言うことはルシウス様に似てますよね。」
「そうかしら?それよりも、私以外に目移りしたら承知しないんだから!」
「あの、僕の実年齢わかってますか?とてつもなく歳が離れてますが。」
「歳なんて関係ないわよ!お母様と結婚できるとしたらライアンは歳を気にするの!?」
「しませんね。」
「即答!!?お母様がライバルなのが手強い!!」
頭を抱えるアリア。
「アリア様が娼館なんか行ったと聞いたら皆んな心配するでしょうね。早く帰りましょう。」
その時、目の前で黒い空間が現れて中から黒いローブを着た人物がひょっこりと顔を出した。
「やっほー!ライアン!」
「貴女、も、元ヒロイン様!?」
消えた元ヒロインを何十年かぶりに見て驚くライアン。
「え?ルナ?違う?」
妹にそっくりな人物を怪訝そうに見るアリア。
「君、実は乙女ゲームの続編に出てくる攻略対象の1人だから。」
「はいぃ!!!?」
耳を疑うライアン。
「異世界から現れた謎の最強の魔法使い執事!執事キャラって人気なんだよね~。」
「何言ってるんですか!仮に僕が攻略対象だとしたら、悪役令嬢とメインヒーローとの間にできたキャラクターとの恋愛なんて矛盾してます!設定が破綻してます!」
「学生のリリアを口説くも良し、父子でリリアを取り合うも良し。」
「話聞いてますか!!?」
「異世界から来た設定だからいいんだよ。」
「なんでもありですか!」
「うるさいな~!とっとと行くよ!」
黒い空間の中にライアンを引っ張る元ヒロイン。
そして黒い空間は消えて、ライアンも消えた。
「・・・・・・。」
固まるアリア。
数秒後。
「私のライアンを何処に連れて行った!!」
その後、異世界で奮闘するライアン。
学生の父親と会っても感動することなく、ライアスに自分そっくりな人物だと不信感を抱かれ即攻撃されたり。
異世界の続編乙女ゲームルシウスに攻撃されて、引き分けにしたので少年達から尊敬の目を集めたり。
可愛さ倍増の学生リリアに師匠になって欲しいと言われ、ルシウスからライバル認定されてり。
続編乙女ゲームの世界は、愛の力で覚醒したアリアが迎えに来るまで頑張るのだった。
「ライアン迎えに来たわよ!」
バリーン!!と言う音と共に空間が割れてアリアが迎えにやってきた。
「わっ!・・・アリア様!!?」
ライアンはアリアを抱きとめた。
「もう絶対離さないからね!」
元の世界に戻ってからが大変だという事をライアンはまだ知るよしもない。
「ライアンは誰にも渡さないんだから!」
END




