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6.5 盗賊ペルシィの独白(ペルシィの視点)

ストックが出来てないので小話。

ガタゴトと、御者台に並んで座り、ジーンさんが扱う馬車の揺れに身をゆだねる。

御者を務めるジーンさんの肩に頭を乗せるように身体を預け、私は二人きりの旅を満喫していた。


私はペルシィ。少し前まで、冒険者パーティ「暁の月」に所属していた盗賊で、ジーンさんとともに、そこそこ大変な日々を過ごしていたっす。

それが晴れて、そのパーティから離脱し、さらにジーンさんと共に冒険者活動が続けられるとは、冒険者人生、捨てたもんじゃないっすね。





私が「暁の月」にパーティとして入ったのは、ソロとして、それなりに活躍をして声をかけられたから。

当時はCランクであった、彼らの中にあって、盗賊という職業は自分たちより下と思ったのか、雑用や夜の警戒など、そういったことをすぐに押し付けられるようになった。

まあ、それまでの人生でも、大した扱いを受けていなかったので唯々諾々と従っていたが、そのパーティには私と同様の扱いを受ける人がいた。


「ペルシィが手伝ってくれて、いつも助かっているよ。ありがとうな」


ジーンさんは、そういって朗らかに笑いつつ、こっそり手に入れたお菓子なんかを時々渡してくれた。

明らかに、こちらを下に見ていた、お聖女様のミーネ。その取り巻きの三人は、私ならどう扱っても良いと思ったのか、胸やお尻を触ろうとしてきた。もっとも、そういった悪意は察知できるので、あの三馬鹿には指一本触れされてはいなかったけど。

そういったやつらに比べると、ジーンさんは紳士であり、また、戦闘でも頼りになっていた。



「せいッ、はぁッ!」


Bクラスに駆け上がった、私たちのパーティにおいて、その原動力となっているのは、聖女のミーネの力であるのは、悔しいけど認めざるを得ないところだろう。

彼女が祈ることで、パーティ全員の能力値が底上げされる。ただ、それには大きなデメリットが存在していた。

祈りの力を付与する数が増えるごとに、彼女自身に向けられる、魔物からのヘイトが増大するのだ。


そんなわけで、多くの魔物が常に戦闘中、聖女に狙いを向ける中、彼女に肉薄する魔物を殴り飛ばし、蹴り飛ばしているのはジーンさんの役目であった。

ジーンさんは両手足の平と手足の甲に魔法陣を展開し、素手で魔物を攻撃し、弾き飛ばす。

コンフー?という武術らしい、その技は、故郷の祖父から手ほどきを受けたと、魔剣使いのゴウと、ジーンさんが話しているのをこっそりと聞き耳を立てて知った。

(もっともゴウは、そんな武術より、自分の魔剣が上といっていたけど、あっさりジーンさんにのされてましたけどね!)


また、ジーンさんは手のひらの魔法陣から、「はッ!」の掛け声だけで炎や氷、光線を出したりと魔法使いの役目をしたり、

敵の数が多いときは聖女のミーネを横抱き(お姫様抱っこってことっすよ、うらやましい)で大立ち回りをしたり……うん。割とじゃなくてめちゃくちゃ働いてる。


(じっさい、あの三馬鹿とどっちをとるかと言われたら、私は間違いなくジーンさんをとるっすけどね)



聖女ミーネは、私を追放する時は平然としていたが、ジーンさんが一緒に追放されるという流れになった時は、ほんのわずかだけ、笑顔を引きつらせていた。

祈っている間、ジーンさんに守護(まも)られることは、絶対の安心感を感じていただろうから、ジーンさんの追放は彼女は関与していないだろう。

聖女ミーネは、戦闘が終わるとジーンさんにお礼を言うことも時々あって、それを三馬鹿が面白くなさそうな顔をしてみていたから、そのあたりも追放の一因となっていたのかもしれない。



ともあれ、私とジーンさんが抜けた「暁の月」は、というか、ジーンさんが抜けたことで、Aランクを保持するのは難しいだろう。

「暁の月」を一流冒険者たらしめていたのは、聖女の祈りと、ジーンさんの魔法陣による強化である。

魔法陣の強化分を差し引いたうえで、ジーンさんという絶対的な守護を失った聖女は、のんきに戦闘中に祈りを続けられるのだろうか。


「まあ、私たちにはもう関係ないことっすけどね」(小声)

「ん、何か言ったか? ペルシィ」

「なんでもないっすよ~」


王都へと向かう道中、私はジーンさんにもたれかかりつつ、マーキングするように頭をぐりぐりと押し付ける。

のどかな日和のなか、馬車は王都に向かって、のんびりと進んでいった。

ジーンの戦闘方法はドラゴン〇ールちっくで、拳と蹴りと飛び道具(魔法)。

祖父は魔法陣の師であり、武術での師。亀〇人みたいな感じ?

あと、実は聖女はジーンを内心で高評価していたとか。

そんなとりとめのない話。

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