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43・王宮の患者。

 ココは旧都の王宮だ。

王都から転移陣で来た場所だけどもちろん陣を利用させてもらっただけで

内部を見てる余裕なんかなかったから知らない場所も同然だね。


なんでこんなご大層な場所にいるかというと神殿長に拉致されたからだ。

魔術と魔法について学ぶべく神殿に行ったら王宮に行くから付いてこいと。


神殿長は王宮の方を治療してたんだそうだ。

成果はほとんど上がっていなかったという。

なのでオレがロザさん(錬金術師)に行った治療を高位の神官とともに

試したらしい。

できるにはできたそうだけどほんの少しだったのでオレに試してほしいと言う。

患者っていったい何方どなたなんでしょう? 


「口外してはいけない。

知っていても広めたら宰相家といえどもタダでは済まないかもしれないからな。

王には王妃に二人、側妃二人に一人づつのお子様がおられる。

患者は末の姫で王妃様のお子様で、まだ7歳だ」


王太子は王妃のお子様でもう成人の十五歳だという。

ふ~ん……そういうのはまだ必要ない知識だと思ってたんだけど。


「王都の東に造られた魔族の砦のことは知ってると思う。

万が一に備えて貴族・王族の方々がコノ旧都に避難されてたんだ。

皆様もうほとんど王都に戻られたが姫君はまだココに残られている。

突然……本当に突然ある朝彼女の顔に大きなアザが浮かび上がってきたんだよ。


父王にはとても見せられないとココに残っておられるんだ。


呪いかもしれないと神官一同色々手を尽くしたんだが効果が出なくて……

でも君がやったアノ方法はほんの少しながら効果があったんだ。

二人がかりでもほんの少しだったがね。

なので君に直接診てもらえればなんとか解決の道が見えるんじゃあないかとね」


な、なんか責任重大なんですけど。

でも、女の子の顔のアザか……

元の世界にも「太田母斑」ってのがあったね。

アレは皮膚の深い場所にできるシミというかアザだった。

生後間もなく出るタイプと大人になってから出るタイプがあったと思う。

なぜかどちらも男性より女性にでることが圧倒的に多い。


なんでオレがそんなモノを知ってるかというとオレにもアザが有ったからだ。

太田母斑じゃあなくイチゴ状血管腫ってやつだったけどね。

赤ん坊なオレの腹におっきなヤツがくっついていたのを写真で見たんだ。

コレは毛細血管の塊みたいなもので破れると派手に出血したりするらしい。

小さなものなら成長すれば消えてしまうのだけれど大きいことを心配した母は

オレにレーザー治療をやってもらったんだと言っていた。

太田母斑もやっぱりレーザーで焼いたりするらしい。


王女さまはとっても可愛らしい方だった。

他の王族方はみな王都に帰られた。

でも王女さまはとても王都に帰る気になれないらしい。無理もない……


王太后様……そんなに睨まなくてもちゃんと診ますよ。

だって女の子の顔がこんなだなんて可哀そうすぎるもの。

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