表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
328/770

325・四人目。

 男爵領の領都にやってきた。

カール君には資材その他の手配のために旧都に戻って貰った。

領都の神殿の方々にご挨拶! ってところだね。


「転移陣が使えさえすればこんな事態の時にお出でになることもなかったかと。

色々申し訳ないことでした。

村の復旧にご尽力頂けるとは有り難いことです。

領主様からは村民に対する援助さえ断られてしまいました。

我々にも復旧出来るほどの余力もございません。

せめて村民の居場所の確保を! とアチコチに交渉しているんですが……」


春まで待たないと領主の対応が分からないかと思ってたんだけど。

もう「廃村」でいいや! って思っちゃったんだろうなぁ。

北部の領地は持ってるだけでその家の負担だってことか……

寒ければ寒いなりになんとか出来そうな気もするんだけど。


「領主様の方針はともかくあの村は私には故郷でね。

廃村にはしたくないんだよ。

もう私も歳だから死ぬなら故郷で……と思っていたんだ。

廃村になってもね。


この子はまだ神官でもないが私には弟子の一人だ。

だが庶子には違いないが宰相家の子でね。

私のためにあの村を復旧したいと言ってくれたんだよ。


でもココは男爵家の領地だから他の貴族家が勝手はできない。

なのでその辺りを内密にして置きたい。

協力してもらえないかね?」


この領地の神殿長は「分かってる」人だったよ。

村人達の行く末と神官の職場を確保するという名目と実利もある。

にべもなく復旧要請をねつけた男爵に対する反発心もあったようだ。

村の出身者からの寄進で復旧の目処がついたという「お話」が出来上がったよ。

プププ……どこの誰からってのは秘密、秘密。


転移陣が魔力切れしているというので魔力の補充もしていくことにした。

神官様たちはこの転移陣はほとんど使っていないのだそうだ。

使用者は……男爵家の方のことが多いんだとか。


「一応使用料はお支払いくださるのですが、まあ微々たるもので……

神官達が補充してはいるのですが。

ああ何度も使われると今度のように肝心なときに魔力切れと言うことに……」


いったいなんでそんなに転移陣を使うんだろうね。

不測の事態が起こったらどうするつもりなんだろう? 

口ごもる神官様を追求したら答えは「女性」だったよ。


男爵様はこの領地に恋人を囲っているのだそうだ。

奥様はもう三人居て全員が結託してこれ以上妻を増やさないようにと

男爵に約束させたらしい。

でも居たんだね。四人目が。

まあ、ココならバレないと思ったんだろうな。


そういうのは弱点になるなんて思ってないのかなぁ? 

オレでさえ「コレは何かに使えそう!」って思っちゃったもんな。


ダテさんに貰ったアノ森の魔獣の魔石を何個か寄進することにした。

コレは魔力の補充ができるから出かける時にはお守代わりに持ち歩いている。

魔力切れがしょっちゅう起きてるって訳でもないようだけど予備が増えれば

不測の事態が起こってもなんとか出来ると思ったからね。


「よ、よろしいのですか? 

こんな上質な魔石は聞いたことは有っても見たことはなかったです。

このまま神殿の宝物としたいくらいですよ」


魔王国との国境になっている「ダテさんの森」の話をした。

強力な魔獣の住処となっているあの森。

そこを守っている土地神となったいにしえの勇者。


コレはその方からの賜り物です。

出来たらご領主様には内密にして下さい。

余計に転移陣を使おうとされても困りますしね。


領主に内緒! というのはココの神殿長には痛快事だったようだ。

ニッコリ笑った笑顔……黒いですよ……神殿長様(笑)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ