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322・土魔法の道。

 ともかく今回の目的は最長老様の里帰りだ。

領地の代官達には帰りに領地を見せてもらうということで納得して貰った。

ココの神殿の人達は最長老様の話をずっと聞いていたいって雰囲気だったよ。

でも目的地はココじゃあないからね。


手配して置いた上等の馬車に乗って頂いて隣の領地の故郷を目指した。

宰相家の領都は実は隣との領地境に近い。

目的地はその領地境のすぐ側というなんとも都合の良い場所だった。

でも道はあまり良くない。


確かに有るんだけどね。

馬車が一台通るのがやっと……だね。

向こうから対向車が来たらどうするんだろう? 


「道から外れて避けますよ。

道はほとんど草が生えてないってだけですから。

対向車もあまり出会いませんしね」


なんだそりゃあ? 

それでも道って言って良いのか? 

まあ草が真ん中だけ生えてるからココを通れば何処かへ行けますってマークだな。

御者台にクッションを置いてそこに座らせて貰う。

やっぱり高いと気持ちいいね。


オレが何をしようとしているかというと道の簡易舗装だ。

アスファルト舗装を国の南でやっている。

でも、人員も資材もこんな田舎までは回せない。

オレの土魔法のレベルで出来るのはたぶんまだ耐久力も低いだろう。

でも最長老様が楽に通るのが目的だからオレ程度でも充分だと思うんだ。


道幅は二車線程度、歩道も省略、路面はできるだけ滑らかになるように。

馬車をゆっくり走らせて貰いながら前方を舗装していった。

こういう田舎の道も実は国の物だそうだ。

ただし!管理はその地の領主に任されている。

なのでほとんど放置な所も結構できてしまっているそうな。

まあ、使わない道具は放置されて刃物でも錆びちゃったりするよね。


「馬車には久しぶりに乗ったが……

まるで居間に居るかのようだな。

ほとんど揺れないし……椅子も柔らかくて眠くなりそうだ」


王都の勇者が振動緩和装置サスペンションについて色々アドバイスをしていったんです。

椅子については私が前世の記憶を元に職人さん達に再現して貰いました。

道は商業ギルドがやってるアスファルト道路には及びませんよ。

耐久力がどれくらいかまだ分かりませんし。


「ふむ……これは試験的な物か。

恒久的な道路ならアスファルトとかいう物のほうが上だと思ってるんだね。

となると私はモニター……だな。

なにか礼でもしようと思ったんだがコレなら要らないのかな?(笑)」


ご感想を頂きましたからそれで充分です。

土魔法に熟達した者ならもっとアスファルト道路に近い物になったかも。

その辺りも要検証だね。

オレの魔力量はまた上がってるんだよ。

隣の領地までさほど遠くもないのでこれくらいなら充分持つだろう。


道をキレイにしたせいか一日もかからずに目的地の村に到着した。

でもそこに「村」は無かった。

神殿の支所・教会ですら丸焦げで家々はもう住める状態ではなかったんだ。


一体これは何がどうなったんだろう? 

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