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29・キット。

 メイドのデイジーさんは弟や妹が多いんだそうだ。

以前皆にあげたヌイグルミは当然彼等に渡ったのだけれど一個だけだからね。

ケンカの元になってしまったらしい。


でも毛皮なんか使えるわけも無いので自分の古い服とハンカチや古いナフキンで

作ってみたのだと言う。

経験なんて無かっただろうによく出来たと思う。


「頂いたモノは弟妹達に渡してしまいました。

うろ覚えな記憶で作ったので……

何度やってもみっともないモノになってしまって……」


そんなことは無いですよ。

ちゃんと熊に見えましたよ。

ところでアレって何個目だったんですか? 


「あー……五個目です。

最初のは熊にはとても見えませんでした。自分でも。

なんとか見えるようになったのは3個目辺りですね」


型紙も無いのに頑張ったんだねぇ。

でも彼女は職人じゃあ無い。

ココの素人でもコレくらいは出来るってコトだね。

だったらキットで型紙とか材料とか揃っていれば結構簡単にできそうだな。


カール君はヌイグルミを作ってる店の店主と職人さんを連れてきた。

今、ヌイグルミを制作販売をしている彼等の権利を侵害はしたくない。

でも彼等だけで需要を満たせてるとはとても思えないからね。

キットを出せば素人でもソレナリのモノができると思う。


「毛皮を使ったモノはやっぱり値段が高くなります。

布製なら安くはなりますが店には同じ手間なら高い方がイイんです。

でも子供のモノなら貴族・平民関係なく持たせてあげたいですよね。

高い高級品は貴族向けで布で造るモノは平民向けってコトでイイと思います。

簡単に造れるなら皆キットを買ってくれると思いますよ」


自分の趣味でなくても子供のために手作りする人は多い。

ソレは愛情表現でもあるからね。

キットはその手助けになると思う。



布製のヌイグルミも店に並んだ。

カラフルなパッチワークの物も全部同じ布で出来た物もね。

熊だけじゃあなく色んな動物が増えてたよ。


大きさも大中小と違う物を飾らせてみた。

意外なコトに小さなサイズでもよく売れたんだ。

幼い子でも持ちやすかったらしい。


キットもよく売れたみたいだね。

コノ旧都だけで売れるのかと思ったら行商の人達が沢山仕入れてくれたそうだ。


「彼等は地方の街や村を廻っていますからね。

旧都で流行ってる、しかも自分達でも気軽に作れるとなれば

売って見たくなりますよ。

彼等だって馴染みのお客に喜んで欲しいと思ってますからね」


そのうち自分で作る子達も出てくるかも知れない。

型紙があれば新しいデザインでも簡単に作れるのが理想だね。

キットじゃあなくて型紙だけの販売もイイかもしれないな。



 メイドのデイジーさんには各種キットを沢山あげることにした。

ヒントをくれたからね。

お手当も出そうとしたんだけど遠慮されちゃったんだよ。


おばあさまはパッチワークの定番の模様(図案)をオレから色々聞き出した。

そうして端から再現するのにまってしまっている。

実を言えばオレは作ったことは無いんだよ。

姉達が作ってたのを見てただけでね。

サスガにソレまでは強制されなかったからね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公は色々な商材を提供しているけど、報酬は貰ってるのか?
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