20・回復魔法。
次の日、おばあさまはダウンしていた。
「久しぶりで楽しかったから張り切り過ぎちゃったわ。
やっぱり歳には勝てないわねぇ」
ごめんなさい……おばあさま。
綺麗なダンスだったけどまさかこんなことになるなんて。
「大丈夫ですよ。
ココまでとは思ってませんでしたが多少は予想してました。
なので回復魔法のできる神官様を手配しております。
もうじきおいでになると思いますよ」
筋肉痛なんだろうと思うんだけど……
それくらいでも神官様に来ていただくのが普通ってのはおばあさまがお歳なせいか
それとも宰相家だからなのか……
まあその辺は追求しないで置こう。
やってきた神官様はまだ若かった。
「すみません……まだ修行中で一人前とはとても言えないんです。
未熟者な私が来ましたのは来る予定の先輩が王宮に呼ばれてしまったからです。
第二王子がケガをされたそうで……」
コチラこそお忙しいのにおいで頂いて申し訳ありません。
でも、おばあさまも大変そうなのでよろしくお願いします。
神官様は自分では未熟者とか言いながら手際は鮮やかだった。
あっという間におばあさまは復活したよ。
う~ん……回復魔法って初めて見たけどスゴイねぇ。
前世のいろんなドリンクなんかでもこんなに即効なのって無かったもんなぁ。
オレの魔力量は増えて来ている。
魔力切れにならない程度に魔力を使い切るようにしてるからだ。
世話係おねえさん達にバレないように寝る前辺りに生活魔法なんかを使ってる。
コノ世界には魔物もいるし戦争もある。
少しでも強くなっておくのは決して悪いことじゃあないよな。
でも今すぐ剣術とかの実力を上げるのは無理だろう。幼児だしね。
魔法なら今でも多少の強化ができる。
生活魔法だけしかできないとしても多少のレベルアップが有るみたいだし。
デカパイ母さんのクリーンの魔法みたいにね。
神官様は多少多めのお布施を受け取って帰っていかれた。
貴族からの依頼は断られることは少ないそうだ。
まあお布施も多いし丁寧に遇されるらしいからね。
回復魔法か……生活魔法とクリーンの魔法は見ただけでできてたよな……オレ。
もしかしたら……と思って試してみたんだ。
ちょっと手にひっかき傷を作ってね。
……できちゃったよ……
もちろん神官様ほどの威力は無い。
でもひっかき傷は見る間に消えてしまったんだ。
コレはちょっと皆には言えないよなぁ。
神官をヤレ! って強制されてもイヤだしね。
それにしてもなんでオレって見ただけで魔法ができるんだろう?
本物の魔法使いとか魔道士が目の前で実演なんかしてくれたらもしかして
全部できちゃうとか?
ソレだと宰相閣下の『目立つな!』ってお達しに逆らうことになっちゃうよな。
回復魔法が出来て嬉しいハズなのになんだか複雑な気分になっちゃった
左腕息子なのでした。




