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今 1
もうすぐHRが始まるって時間なのに、霧生はまだ学校に来ていない。
休みか遅刻か……。まぁ遅刻かな。
美舞先生が入ってきた。手には、花束。それも、菊の花だった。
私の脳は冷酷に計算していく。
まだ来ていないのは霧生だけ。菊の花はお葬式に使われる。先生は憔悴している。
やめて(霧生は)
違うから(昨日から今日の間に)
そんなの有り得ない(たぶん事故で)
先生の親戚が死んだだけ(死んだんだよ)
違うってば!
(ホントにそう思ってる?)思ってる、よ。
(思ってないね)
私、やっぱりおかしい。なんで、そんなに冷静に分析できるの? なんで、こんなに冷淡なの?
(だって、感情がないんだから。楽だよ? なにも感じなくていい。変な言動にならないように気をつければいいだけ)
「霧生くんが、亡くなったそうです」
クラスに嘆きが満ちる。女子の悲鳴、男子の息を飲む声、みんなの泣き声。私は、ただぼんやりしていた。
ああやっぱ、死んじゃったんだ。そっか。そっか……。
ねぇ。
……これから私、どうしたらいいの?




