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今 5

 お焼香を済ませた俺は、ただお葬式を眺めていた。読経が続く中、クラスメイトがお焼香をしていく。

 全員が泣いていた。もちろん、俺だって。でもそんな中で泣いていない人がいた。


 神納かのうさんだ。


 だけどその表情は、つばさのお母さんの表情と同じだった。

 すべてが抜け落ちて、世界が嫌になって、どうしようもなく辛くて悲しそうな……絶望の表情。

 翼のお母さんも、神納さんも、見るだけで辛くなるような表情だ。翼のお母さんは、隣に座るお父さんに支えられている。立ち直るのは難しいだろう。でも、いつか涙を流して、切り替えていく。


 神納さんは……誰にも、頼ろうとしない。いつも1人で、すべてを抱え込む。その重荷すら気づかせない完璧な立ち居振る舞いで、みんなを騙す。

 だけど今回は、重荷が見える。背負えないほどの重荷なのに、彼女はやっぱり誰にも頼らない。

 いつか、その背骨が折れてしまいそうだ。その前に、早く、早く……誰かに頼って。

 じゃなきゃ、翼がいつまでも成仏できない。あいつ、ずっと神納さんのこと心配してたんだから、今もどこかで見守ってるだろう。

 その翼が、こんな状態の神納さんを見て苦しまないはずがない。

 2人とも、俺の大事な友達なんだ。だから、誰かに頼って重荷を分け合ってくれ。そうしたら翼も、安心して昇っていけるはずだから。

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