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トングが聖剣!?異世界転移した失恋女勇者はイケメン達に守られたいのに魔王より恋愛で詰む  作者: 黒砂 無糖
勇者資料館

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62/201

賢いから賢者なのか賢者だから賢いのか

 資料閲覧室ではソージュと少女が見つめ合っている


「わぁ、先生って眼鏡外すと更にお顔立ちが美しいのですね?それは認識阻害眼鏡でしたのね?学校で外したら殺傷事件が起こりそうですわ。その眼鏡自分で外す以外は絶対外れない様に陣を刻まれていますか?」

 平然と眼鏡とソージュを観察し、アドバイスまで出してきた。


「……外れない陣は刻んでいない。参考にさせて貰うよ」

 ソージュは再び眼鏡をかけた。


「先生ナトゥーアのご出身でしたね?そのお顔立ちだと人に囲まれてしまい生活するのにさぞかし不便でしょうね。でも、認識阻害眼鏡をかけるのは綺麗な顔立ちが隠れて勿体ないですね」


「……君は随分と物知りの様だな?」


 ソージュは彼女を見て、少し居心地が悪そうだった。


「お友達に、噂話が大好きな令嬢達もおりますので、何かと聞き及んでおりますわ。貴族女性の嗜みですの」


 ソージュが見つめているのを前にしても顔色ひとつ変えず、彼女はずっとにこにこしながら受け答えしている。


 ……やっぱり魂の転生者派の彼女は大丈夫そうね。ちょっと詳しく話を聞いてみようかな?


「貴方は、魂の……」


 私が言いかけた瞬間、こちらを見た彼女の空気がガラリと変わり、目だけでソージュの前で喋るのか?と、つっと目線をソージュに向けた後こちらを見つめて来た。


「ソージュ、ちょっとこの可愛らしい少女と2人でお話がしたいの。目立たない良い場所はある?」

 きっとソージュは彼女が何者か気付いただろう


「あるにはあるが……本当に大丈夫なんだな?」

 ソージュは心配そうに答えた。


「可愛らしい少女とお知り合いになれたからお喋りしたいだけですよ?」


 ——ある方いけど、ソージュはは心配しすぎだわ。


 私は、笑顔のまま案内するソージュに続いた。


「行きましょうか?」

 彼の気持ちが変わらないうちに急がないと


「……ありがとうございます」

 少女は何かいいかけたが言葉を飲み込んでついて来た。


 資料室の奥に会議室がある。机と椅子の数によって、大会議室、中会議室、小会議室、その隅に安易な机と椅子4脚ある小部屋があった。


「ここを使うといい。俺はここで待機しておく。何があったら必ず言えよ?」


 私と彼女はそのへやにはいり、ソージュは部屋の前で待機しているらしい。未だ警戒が解けないのだろう。念押しもされてしまった。


「あの!防音の魔道具を使ってもいいですか?」


 彼女がソージュに持っている魔道具?を見せた。


「……良いだろう。余計な事はするなよ?」


 無事許可がでた様だ。


「はい、私が彼女に何がする事は神に誓ってありません」


 彼女がソージュに言い切った事で、ソージュは引き扉を閉めた。


「とりあえず座ろうか?」

 椅子を指差し、彼女と共に座る。


「防音の魔道具を使いますね?」

 そう言って彼女はボールペンの芯の出し入れをする様に頭部分にあるスイッチをカチリと押した。


「ペン型なんですね?」

 どこから見ても、ちょっと立派なボールペンにしか見えない。


「私の立ち位置的に、関係ない者には聞かれたくない話をする事も多いので、こっそり防音にする為にこのような型にしました」 

 彼女は、こちらに向かって、そのペンを振って見せた。


「お貴族様は色々大変なのね?嫌にならない?」

 なんだかんだとルールが厳しいのだろうし、私に話無理そうだ。


「そうですね。でも生まれてからずっとだから慣れてしまえは普通になりますね」  

 生まれた時から、こちらの世界にいると言う事はやはり……


「貴方、転生者よね?」

 

 私は、余計な言葉は挟まず直球で確認した。


「はい。貴方は転移勇者ですね?」

 あっけなく勇者バレしました。なんでだろう?


「そうね、で?話は何?」

 何か、目的でもあるんだろうか?


「それだけですよ?」


 彼女はにこにことこちらを見ている。


「……?」

「……?」

「終わり?」


「ですわね?」

 どうやら、彼女は勇者であることの確認が取りたかっただけのようだ。


 2人の間に妙な沈黙ができた。


 そして話は終わったようだ。


「ぷっ」


「ふふ、嫌ですわ先生の警戒のせいで、何だか大袈裟になってしまって」

 私は吹き出してしまったが、彼女は愉快そうにうふふと笑っている。さすが貴族令嬢だ。


「あー、それはごめんなさい、私周りには勇者であることを隠しているから、だからソージュが警戒したんだよね」

 私以上に気を付けてくれているのよね。ありがたいけど手間を掛けさせているわ


「それなら仕方がありませんわ。実際私も色々と隠しているので、私の周りも私の能力を知っているものは私に対して過保護になりますもの」

 どうやら彼女も似たような事になっている様だ。


「そうだ、転生者って事は、もしかして……」


 こんな子供も、メンバーなのかしら?


「はい、勇者パーティーの賢者ですわ。そもそも賢者って何するのかわからないジョブですよね?」


 彼女はさらっと自分の役割を伝えて来た。彼女の口調があちらの喋り方になって来ている。多分私につられてしまうのだろう。


「賢者って、賢き者と書くから、本来は相手の行動を先読みして賢く立ち回るとか?かしら?私が知ってるゲームの賢者は、魔法と回復両方できる感じだったかな?」


 実際の賢者はどうなんだろう?


「私の場合は、前者ですね、思考を読み先読みして立ち回るがドンピシャですわ」


 彼女は少し困った表情をしている。


「随分と賢いのね?」


 先読みとか、見えない事は私には全く出来ないわ


「いえ、仲間と能力頼りですね。チャコさん?でしたね、何故勇者であるのを隠しているんですか?」


 彼女は何か理由があるのかを知りたい様子だ


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