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浴場にて

マーガレットの屋敷で泊まることになったイヴリスとルインは夕食を食べた後マーガレットと共に浴場へとやってきた



「ふぃ~、極楽極楽」


「隣失礼しますね」



隣にやってきたマーガレットの胸元に視線がいった



「ん?マーガレット、お前あんまり気にしなかったが脱いだら意外と大きいんだな。どれ、少し触らせてみろ」


「イヴさん!?なにを・・・ンッ!ちょ、ちょっと!」


「ほぉ、これは中々いいものを持っているな」



両手で支えきれない程の大きな胸にイヴリスは夢中になって揉みしだいた。湯船に浸かっているから触られているからか、どんどん顔が紅潮していく様子が面白く弄り続けていると我慢の限界が来たのかマーガレットがイヴリスから離れた



「はぁはぁ・・・もう、いい加減にして下さいよ」


「悪い悪い、揉み心地が良くてついな。いやしかしあの初々しい反応・・・なるほどマーガレットは生娘だったか」


「なっ・・・!い、いいじゃないですか別に!私はまだそういうのに興味が無いだけです。そういうイヴさんはどうなんですか?」


「私か?私はそれはもう数を数えるのが面倒になる位経験豊富だぞ!・・・全て同性相手だがな」



魔王といえど性に対する欲求は湧いてくる。そういう時は好みの配下を見つけては自室に連れ込み発散していた

しかし連れ込むのは同じ女性ばかり。イヴリスは同性としか寝たことがない



「ど、同性ですか?イヴさんてそっちの方だったんですね」


「男はむさ苦しいし体が筋肉質だから好かないんだよ。だから私は女しか抱かない!女の方が肌はすべすべで柔らかいし感じている姿は可愛いしな。話は変わるがマーガレット、今日私の寝床で一緒に寝ないか?」


「そんなカミングアウトされた後で一緒に寝る人はいないと思いますが・・・私は普通に異性が好きなので」


「そうか?後悔させない程度には自信があるんだがな。まぁ生娘相手には少し刺激が強すぎるか」



ここで無理強いをしないのがイヴリスの流儀、無理矢理襲ってすることは容易だがそれでは満たされない。相手が身を委ねて来た時こそ楽しむ事ができ欲を発散できる



「じゃああるじの相手はルーがする~!」


「意味分かって言ってるのか?お前はそういう対象として見れないからダメだ」



成長すればイヴリス好みになるだろうが流石に身内も同然のルイン相手では興奮しない

そんな無邪気にじゃれついて来る姿を見てマーガレットがルインについて聞いてきた



「気になっていた事があるんですが、ルインちゃんが獣の姿だった時のあれってもしかしてなんですけどルインちゃんの種族って・・・」


「ルインの種族?確かフェンリルだったかな。それがどうかしたか?」



イヴリスの口からフェンリルという言葉を聞いたマーガレットは口元に手を当て、にわかに信じ難いといったような顔をしながら話し始めた



「イヴさん、フェンリルが最後に人前に姿を現したという記録があるのが大体200年前なんです。つまりそれだけ珍しい魔獣だということなんですよ」


「200年前ねぇ・・・」



ルインと出会ったのもちょうどその頃だったような気がすると自身の記憶を遡るイヴリス。年数は曖昧だがルインとの出会いは今も憶えている



「ルインちゃんはお母さんの事とか憶えてないですか?もしかしたらその本に記されているフェンリルがルインちゃんのお母さんかも」


「うーん・・・あんまり憶えてなーい。ルーはあるじがいればそれでいいし」



ルインが母親の記憶が欠けているのも無理はない。フェンリルは子を産んでから僅か数週間の間だけ子育てをし、ある程度育ったところで独り立ちさせる

フェンリルは群れを作らない一匹狼、それは我が子でも例外ではないということだ。



「そうですか・・・けどフェンリルって人には決して懐かないと本に書いてあったんですがそんなことはないんですね。それともやはりイヴさんが凄いんでしょうか」


「まぁ私が凄いというのは否定しないがな。それより母親といえば挨拶をした時も夕食の時もそうだったがお前の母親を一度も見かけないな。どこかに出掛けているのか?」


「あっ・・・私の母は・・・その・・・」



こちら側の情報を話していたらボロが出そうだと思い別の話をマーガレットに振ったつもりだったが、明るい雰囲気から一転急に場の空気が重くなってしまったのを感じた

イヴリスは触れてはいけない話題を振ってしまったと咄嗟に理解、けれどそこまで気を遣える性分ではないイヴリスは話を伺ってみることに。するとマーガレットの母親は現在病で床に伏していることが分かった

マーガレットの母親は半年位前に突然病にかかり、それのせいで徐々に体調が悪化していき寝たきりの状態に。マーガレットが隣町まで直々に商品を卸しに行ったのも隣町ででしか得られない母親の薬を買う為、希少な薬でかなり値が張るそうだがそれを飲むと症状が和らぐのだそう

しかしその薬も一時的に効き目があるだけで完全には治すことは出来ず今もなお病は進行しているらしい

イヴリス達には関係のない事だからと気を遣われぬよう振舞っていたようだ



「元気だった頃の母とは別人の様にやつれてしまって・・・お医者さんも手の施しようがないみたいなんです」



人族の中には医者という病気を診たり治療を生業とする存在がいると聞いた事がある。その人物がそこまで言うということはかなり深刻な状態なのだろう

しかしイヴリスであればどんな治療困難な病でも治すことが出来る完全(パーフェクト)治癒(キュア)がある



「その病気、私なら治してやれるぞ」


「ほ、本当ですか!?」


「ただ治している様子を見られたくないから母親と2人きりにしてもらうことが条件だが」


「それで母の病気が治るなら・・・イヴさん、どうか母の病気を治して下さい」


「その望み叶えてやろう。大舟に乗ったつもりで待っていろ」



懇願してくるマーガレットに大見得を切るイヴリス

病に苦しむマーガレットの母親を治すことになったイヴリスは浴場をあとにし、母親が寝ている寝室へと足を運んだ



読んでいただきありがとうございました!

「よかった」「続きが気になる」など少しでも気に入ってくれていただけたら幸いです

次回は土曜日20時に投稿予定です。よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] うん、捨てられたマリアさんはちょっと可哀想かも。
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