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完全無欠の革命歌  作者: ウエハル
共感の子供
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ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ その3




そんなバカな。確かに私は13のカードを抜き出したはず。奴の13以外を出せという言葉に反発したはず。


「…な…なぜ……イカサマはまだ見つけられないと言うのかッ!」


「……見つけられないんじゃあない…イカサマなんてしてないんだよ。君が2を出して、僕がダウトを成功させた。ただそれだけ。それだけの単純な話……正直に「信じ込んだ」のは君じゃあないか」


「…………」


もうワケが分からなくなり、眉間にシワを寄せる。

奇妙奇天烈摩訶不思議。もう考えるのはよそう。それよりも重要なのは、5と6が四枚揃ったということ。


「じゃあ続けるよ、1」

「……2」

「3」

「4」


エリナの番が来た。次のエリナが5を出す番にダウトをかければいい。エリナの手札には5が一枚もないので必ず成功する。少しでも、差を埋めるために。


「………5…」


「ダウト…」


「ちぇっ、しょうがないなぁ。5枚だし、ま、いっか」


一番上のカードは3。エリナが5枚のカードを手札に加える。

成功したが、なんだか腑に落ちない。こんなすんなりいくものなのか。先のこともあり、全てを勘ぐってしまう。

エリナは22枚 ユノは30枚。まだまだ差はある。

次はユノが6を出す番。


「6」

「7」

「8」 


「そういえば君のお父さんって、イトス様の同胞?って言うのかな、それらしいね。なんだか従姉妹の気分。そうだ!イトス様からね、面白いことを聞いたんだ。9っ」


話しながらエリナは9を出す。まだダウトはかけないでおこう。最後の最後、終盤で、リスクなんて顧みずに一気に追い上げる。幸いこちらには全ての札が揃っている。まだまだ大丈夫。


「10」


父アーリーのことは正直思い出したくもない。父親とも思いたくもない。今となれば、母親に会ってみたい、ただそれだけ。それよりも、イトス様とは誰の事だろうか…。


「二つの、とてもとても面白い事をね…。そうだ、君って12の札持ってないでしょ。こっちに4枚あるよ。……11」


エリナは余裕げに11を置く。

?……何を言っている。12はユノの手札に2枚ある。意味不明な嘘をつく女だ。何が目的なのか、これが能力に繋がるのか。

ふと、ユノは手札を確認する。ズボンのチャックを閉めたのを覚えていてもチャックが開いていると言われたらつい確認してしまうように。


12は2枚ある…ある……いや、無い…?…おかしい、無いぞ。12がある、だけど無い。12が右端に2枚ある。意味不明な事を言うようだが、12がそこにあるが、無い。

目を瞑り、カードを抜き取った。


「……12…」


「ダウト」


汗がにじみ出てくる。支配人がカードの一番上をめくる。一番上は、12だった。

しかし何故だろう、この感情は。自分が置いたような気がしない。いや、多分手札の中にあるのに気づかなかったのかもしれない。


「あれあれ、おっかしいなぁー。失敗しちゃった、ハハハッ」


エリナは顔を顰めて6枚のカードを回収する。

エリナ26枚。ユノ26枚。元に戻った。希望が湧いてくる。カードが最初に戻った希望と、能力を暴いた希望。


「やっと分かった…理解したわ、あんたの能力を。私は12なんて置いたつもりはなかった……ただ「右端のカード」を抜き取って、置いた。」


分かった、『ダーティ・ループス』は「嘘を信じ込ませる能力」。表面上は信じていなくても、心の中では強く信じ込んでしまう。無意識の内に本能に従った行動をとってしまうのだ。賭け事を得意げに提案してきたのもこの能力があるから。しかしこれを安易に口に出してはいけない。


現在無い数字は無い。4枚所持が5。次はエリナの番。


「13」

「1」

「2」

「3」

「4」

「5」

「6」

「7」

「8」

「9」

「10」


数字以外の言葉が発されない空間。外界からの声なんて気にせず、慎重にカードを重ねていく。もっと引き延ばさなければ。もっともっと、追い上げる。それは両者同じ思考。

11…12…13…と、どんどん続いていく。


「……さっきの話の続きだけどね、どっちが聞きたい?君とリアスとの関係か、リアスとコリオとアレクの関係。僕はどうしても言いたくってしょうがないんだ。1」


「興味ない。私たちがなんであろうと、あんたんとこの親玉を倒すことに変更はない。2」


「そう?結構面白いんだけどなぁ。感動物語って感じで、新聞社に送ってもいい?3」


「勝手にして。どうせここで死ぬか生きるか。それはそうと、あんた5持ってないでしょ」


この時を待っていた。先程のユノの5の番に5は出していないため、今はユノの手札には5が4枚。次にエリナは5を出せず、ユノがダウト宣言をしてダウト成功。少し早い気もするが、まあいい。


「持ってるよ、5。これが5のカード」


エリナがカードの山に1枚のカードを重ねる。

矛盾。手札にある4枚の5は一体なんなんだ?これは5じゃあない他のカード?ただの見間違い?全てがひっくり返ったような疑問が脳内を木霊する。

心の中には、相手のカードを覗き見して正答が分かるというのに言えない、そんなもどかしさがある。



「クラブ…ダイヤ…ハート…スペード………ダウト!」


もう自棄になり、全てを賭けてコールする。文字や数で記憶するのではない、形で記憶する。手札に全てのスートで「5」という形が印刷されたカードがある。それさえ分かればあとはダウト失敗を気にせずに進む。

ユノはダウト宣言は失敗に終わると思っている。しかしどこかに、言わなければならないという信念があった。


感情の無い支配人によって、カードが裏返される。

トップのカードは8。ダウト成功。


「やだやだ、変な記憶の仕方しちゃって。……ムカつく女。僕もう容赦しないから」


現カード数

ユノ17枚

エリナ35枚


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