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放課後と憧れの先輩
あたしは、憧れの先輩がいる生徒会室へ向かっていた。
検査入院のせいで、引き継ぎのための資料整理が自分の分だけほとんど終わっておらず、手伝ってほしいと言われていたのだ。
生徒会室と書かれたプレートの下の、白い扉の前で深呼吸する。彼女、じゃない、彼と約束して会うのは、実はこれが初めてだ。
手鏡なんて可愛らしいものを持っていないあたしは、自分の姿を自力でチェックする。姿見でもほしいところだ。
あまり待たせてはいけない。あたしはドアノブを握る。ここと校長室だけ、重厚な印象を与えるドアが仰々しく居座っているのだ。
手に汗握るとはこのことかと、あたしは一度スカートで手のひらをぬぐった。ハンカチを出す精神的余裕がない。
二年前に外部試験を受けた日より緊張する。今、扉一枚隔てた向こうには、まばゆいあの人がいる。
いろんなことが大きく変わった今でも、このどうしようもない気持ちは、変わらずあたしを追い立てる。
会いたい。
ぐっと力を入れて扉を押すと、うっとりするような甘い香りが風と共にあたしの頬を撫でて、あっという間にすり抜けていった。




