第一話 いしあたまポケモン!タツベイ登場!
○タカシの家·リビング(朝)
テレビにロケットのニュース映像が流れている。
テレビキャスター「ファイアロー7号機は、当初、おとといの打ち上げを予定していましたが、天候の悪化が予測されるとして延期となりました。現在の空の様子は雲ひとつ無い快晴となっており…」
○同·玄関
タカシはリュックを背負い、靴を履いている。
タカシ「うん、準備おっけい!」
すると、母の声が聞こえてくる。
母「タカシ!帽子忘れてるわよ!」
母が帽子を持って玄関に現れる。
母「せっかくプレゼントで買ったんだから使いなさいよ」
タカシ「ごめん忘れてた。」
母がタカシに帽子を被せようとする。
タカシ「(母の手を払い除けながら)ちょっとお母さん、俺もう10才なんだよ。これぐらい自分でするって」
タカシが帽子を被り直す。
タカシ「うん、これで本当に準備おっけい!」
母「よく似合ってるわよ」
父の声が遠くから聞こえてくる。
父「タカシー!ロケット2時からだぞー!」
タカシ「(家の奥に向かって)知ってるーー!(母の方を向き直り)それじゃ行ってきます!」
母「えぇ、いってらっしゃい」
○同·庭先
タカシは家のドアを開けて、笑顔で走り出す。
庭にいるポッポが驚いて飛び立つ。
N「ここはマシロタウン。この町でも人とポケモンは共に生きている。人とポケモンは調和し、この世界を織り成している。人が笑えばポケモンも笑い、ポケモンが悲しいときは人も悲しい。今、この町に、夢と冒険を求めて、一人の少年がポケモントレーナーとしての一歩を踏み出そうとしていた。」
タカシ「(走りながら)よーし、待ってろよ!俺のポケモン!」
☓ ☓ (OP) ☓ ☓
○ポケモン研究所・外
タカシが研究所に向かって走っていく。
○同・中
マツバ博士が椅子に座って資料を読んでいる。
タカシが扉を開けて中に入ってくる。
タカシ「すみませーん!マツバ博士ーー!」
博士「おっタカシくんいらっしゃい。今日はいつにもまして早いじゃないか」
博士は資料を机の上に置き、立ち上がる。
タカシがそこに駆け寄る。
タカシ「だって!俺、今日からポケモントレーナーなんですよ!昨日の夜からワクワクしっぱなしで、ぜんぜん眠むれなかったんですから!」
博士「はっはっはっ(笑顔)。タカシくんは本当にポケモンバトルが好きなんじゃな!」
タカシ「はい!俺!強いポケモンたちとたっくさん勝負して!いつか絶対、最強のポケモントレーナーになるって決めてるんです!!」
博士「ほぉ〜、それまた大きく出たのう。それでタカシくん。最初のポケモンはもう決まっているのかい?」
タカシ「それが…昨日一晩中考えたんですけど、なかなか決まらなくって…(頭カキカキ)」
博士「それもそうじゃろう。これから君と一緒に戦う仲間じゃ。慎重に選ぶのじゃぞ」
タカシ「はい!」
× × × ×
○同·裏庭
博士とタカシが扉を開けて裏庭に出てくる。
多くのポケモン達がそこで暮らしている。
タカシがポケモン達に向かって走り出す。
タカシ「うわぁぁ!!コラッタにウパー!タネボウ!ラクライにナックラー!本当にポケモンがいっぱいだ!」
博士「ここには研究所で世話をしているポケモン達がおる。みんな人に慣れておるから、安心して選ぶと良い」
タカシ「はい!う~ん、どいつにしようかな~。コラッタは小さくて可愛いし、ラクライはかっこいい!ん〜でもナックラーも強そうだし!ん〜〜!!余計に悩んできたぞ〜〜〜!!!」
博士「はっはっはっ(笑顔)まだ時間は十分にある、ゆっくり決めることじゃな」
タカシ「んーどうしようかな………ん?」
タカシが遠くに一人でいるポケモンを見つける。
タカシはそのポケモンの側に駆けつける。
タカシ「博士、こんなポケモン、研究所にいましたっけ?」
博士「あぁ…そのポケモンはタツベイというんじゃ」
タカシ「タツベイ?」
博士「ああ、ついこの前、町中で弱っているところを保護されての〜。親元を離れて迷い込んだのか、はたまたトレーナーに捨てられたのか。真相は闇の中じゃ」
タカシ「へぇぇ…お前大変だったんだな」
博士「そいつは、いしあたまポケモンといってな。その名の通り鋼鉄のように硬い頭を持っとるんじゃ。そして、タツベイはこの研究所唯一のドラゴンタイプなんじゃ」
タカシ「えぇぇぇドラゴンタイプ!!強そうだしかっこいいし、最高じゃないですか!!博士決めました!!俺、最初のポケモンはタツベイにします!!」
博士「ん〜〜…」
タカシ「もしかして…ダメ…ですか?」
博士「いや、ダメという訳ではないんじゃが…こいつにはちと問題があっt…」
タカシ「ええ!!いいんですか!!ありがとうございます博士!!これからよろしくなタツべ……(タカシがタツベイを持ち上げようとする)って重!!」
博士「タツベイの平均体重は42.1kg。小学校高学年、ちょうど今のタカシくんより少し重たいぐらいじゃな」
タカシ「うそっ…こいつのどこにそんな重さが…」
博士「頑丈な頭を支えるため首の筋肉も発達しておるからのう。その分体重も重くなっとるんじゃ」
タカシ「なっ、なるほど………でも、こ、これぐらいの問題…(タツベイを持ち上げようとする)ポケモントレーナーなら、朝飯…ま…え……」
博士「問題はそれだけではない。このタツベイは意地っ張りで、その上目を合わると…」
タカシとタツベイの目が合う。
すると突然、タツベイがタカシに向かって頭を向ける。
タカシ「ん?どうしたんだ?撫でてほしいn…」
タツベイ「ターーーツ!!!」
タツベイのづつきがタカシにクリーンヒット。
タカシ「痛っ!!!(クラクラしながら)ど…どうして〜〜」
博士「このタツベイは、目の合った相手にづつきを食らわせるんじゃ」
タカシ「それを早く言って…」
博士「スマン」
タカシ「(頭を振る)、なぁタツベイ!これから俺達は一緒にバトルすることになるんだぜ!仲良くしようよ、なっ?」
タツベイはタカシの顔をチラッと見て、顔を背ける。
タカシ「ありゃりゃ…」
博士「タカシくん、悪いことは言わん。そのタツベイを選ぶのは止めておいたほうがいいぞ」
タカシは少し俯き、タツベイを見つめる。
タカシ「………いや!ますます気に入りましたよ!博士、俺、タツベイはつよいポケモンになる。そんな気がするんです!だから俺、最初のポケモンはこのタツベイにします!!」
博士「………タカシくん、その言葉に二言は無いな…」
タカシ「ポケモントレーナーに二言はありません!!」
博士「ならばよろしい!(ポケットの中からボールを取り出す)これがタツベイのモンスターボールじゃ」
タカシ「やったーー!!ありがとうございます博士!!(ボールを受け取る)よろしくなタツベイ!!」
タカシがタツベイにモンスターボールを投げる。
するとタツベイはモンスターボールをづつきで吹き飛ばす。
タカシ「うそっ」
博士「ははは…(汗)千里の道も一歩から。どんなに長い道のりも一歩ずつ進めば、きっとどんなことも乗り越えられるはずじゃ」
タカシ「そっ、そうですよね博士!俺、タツベイと一緒に最強のポケモントレーナーになってみせます!」
博士「その意気じゃタカシくん!ならば選別、このポケモン図鑑をやろう」
博士はタカシに書籍のポケモン図鑑を手渡す。
タカシ「えっ、博士…ポケモン図鑑ってこれのことですか?」
博士「なんじゃ?不満じゃったか?」
タカシ「いやほら、なんかこう…もっと機械的なモノだと思ってたんですけど…」
博士「そんなモノを渡せるほど、うちの研究所に金はない!」
タカシ「そんな………それにこの図鑑、俺もう持ってますよ(リュックから図鑑を取り出す)ほらっ!」
博士「おっと、これはいかんな。それじゃあ…(ポケットの中からオレンの実の入った袋を取り出す)、図鑑の代わりにこのオレンの実をやろう」
タカシ「オレンの実ですか〜〜、俺の家にもオレンの実いっぱいあるんですけど…」
博士「わがまま言わずに受け取りなさい」
タカシ「は〜〜い…(タツベイの方を見て)タツベイ!俺の名前はタカシ!今日から君は俺のポケモンだ!仲良くしようぜ、なっ?(手を近づける)」
タツベイがタカシに向かってづつきを繰り出す。
タカシは素早く攻撃を躱す。
タカシ「へへっ、おんなじ攻撃を食らうほど俺はバカじゃないぜ!」
タツベイがもう一度づつきを繰り出す。
タカシにづつきがクリーンヒット!
タカシ「うそん!!」
タカシが地面に倒れ込んで目を回している。
タカシ「ナンデコウナルノ〜〜」
博士「はぁ…これは先が思いやられるのう…」
○草むら
タカシがボロボロの姿で歩いてくる。
タカシ「はぁ…はぁ…はぁ…(モンスターボールを見つめながら)タツベイ頼むよ。少しは大人しくしてくれてもいいだろ?」
タツベイの入ったモンスターボールが突然暴れ出す。
タカシ「おいっ!暴れるなって、うわっ!!!」
タツベイがモンスターボールから飛び出る。
タカシは地面に尻餅をつく。
タカシ「いててて…ちょっとタツベイ、君は俺のポケモンだろ?少しは話を聞いてくれても良いんじゃないのか?」
タツベイ「ふん!(そっぽを向く)」
タカシ「タツベイ〜〜…なぁ、どうしてそう頑固なんだよ。俺君に嫌われるようなことしたか?」
タツベイ「タツッ!!(タカシに頭を向ける)」
タカシ「分かった分かったから(汗)づつきだけはカンベイしてくれよ」
タツベイ「ふん!(そっぽを向く)」
タカシ「はぁ…まいったなぁ…一体どうすりゃ良いんだ…」
ポケモンの足音が聞こえてくる。
タカシ「ん?」
タカシが振り向くとそこにはポッポが1羽歩いている。
タカシ「あっポッポだ!えぇっと(リュックの中から図鑑を取り出す)あった!なになに?ポッポ、ことりポケモン、ノーマル、ひこうタイプ。鳥ポケモンの中で特におとなしい性格。初心者のポケモントレーナーには小手調べに最適。だってさ。よ〜〜し、タツベイやろうぜ!俺達の最初のポケモンバトルだ!」
タツベイ「ふん!(そっぽを向く)」
タカシ「なんだよ?バトルしてくれないのか?」
タツベイ「タツ!(首を縦に振る)」
タカシ「頼むよタツベイ。最強のポケモントレーナーを目指す俺が、ポッポ一匹倒せないなんて知られたら、学校の皆に笑われちゃうよ!なっタツベイ!頼むよ〜〜!(タツベイに近づいていく)」
タツベイ「(怒)タ〜〜〜ツッ!!(タツベイのひのこがタカシの顔面に命中)」
タカシ「アッツ!!(タカシが飛び上がる)」
ポッポがそれに驚いて飛び立ってしまう。
タツベイがその様子を眺める。
タカシ「あぁぁもうっ!タツベイ!俺に向かって技を打つんじゃないの!ポケモンに向かって技を打つんだよ!」
タツベイ「タ〜ツ…(空を見つめている)」
タカシ「はぁ…、俺ほんとにこいつとやっていけるかな………いやいやいや(首を振って握りこぶしを作る)、こんなことで弱音を吐いてちゃ、最強のポケモントレーナーなんて夢のまた夢だ!………でも、タツベイは言うことを聞いてくれないし、一体どうすりゃ…」
タツベイ「ぐ〜〜(腹の音)」
タカシ「?なんだタツベイ、腹が空いたのか?え〜〜と、確かこの辺に(リュックからオレンの実の入った袋を取り出す)あったあった。腹が減ってはポケモンバトルは出来ぬってな。まずは腹ごしらえからだ!ほらタツベイ!食えよ!(タツベイの口元にオレンの実を持っていく)」
タツベイ「ふん!(そっぽを向く)ぐぅ〜(腹の音)」
タカシ「本当に強情なやつだな、ほら、ここ置いとくぞ(地面にオレンの実を置く)」
タツベイの鼻がピクピク動く。
オレンの実の匂いを嗅いでみる。
タツベイ「パクッ(一口かじる)」
タカシ「おっ、食べた!どうだ?うまいか?」
タツベイ「モグモグ…!?(美味しい!!)…ガブガブガブ(貪り食う)」
タカシ「気に入ってくれたみたいで良かったぜ。それじゃあ俺も、いただきま〜〜」
その時、タツベイがタカシのオレンの実を横取りする。
タカシ「うわっ!!」
タツベイ「モグモグモグ…ゴックン…」
タカシ「ちょっとタツベイ!それは俺のオレンの実だぞ!!」
タツベイ「ターツ!ターツ!」
タカシ「なに?もっと欲しいって?はっwお前みたいな欲張りにやるオレンの実なんてどこにもないねw」
タツベイ「ターツ!!(怒)」
タカシ「取れるもんなら取ってみなぁぁ〜〜(立ち上がり袋を高く持ち上げる)」
タツベイが頭をタカシに向ける。
タカシ「えっ………えへへ(汗)な〜んてね…今のはじょうだん…」
タツベイ「ターーーーツ!!!!(走り出す)」
タツベイとタカシの追いかけっこが始まる。
タカシ「うわーーーー!!!やめろタツベイ!!分かった!!分かったよ!!俺が悪かったから!もう止めてくれ!!!」
タツベイ「タツタツタツタツターーーーーーツ!!!!(づつきがタカシの背中にヒット)」
タカシが倒れ込み、オレンの実が地面に飛び散る。
タツベイがものすごい勢いでオレンの実を食べだす。
タカシ「イタタタ…もぉぉ、なんなんだよ〜〜」
タカシはタツベイがオレンの実を貪り食うところを見つめる。
タカシ「………そうだっ!!!タツベイ!ちょっと待ってろよ!!」
タカシが走り出す。
○タカシの家・玄関
タカシがドアを勢いよく開けて家の中に入っていく。
父がちょうど玄関で靴を履いている。
父「おうタカシ、ポケモンは貰ったか?」
タカシ「うん!貰ったよ!」
タカシは家の奥に走っていき、袋の中にいっぱいのオレンの実を詰め込ん戻ってくる。
タカシ「お父さん!オレンの実貰っていくね!」
父「あっ、ああ………なにに使うんだ!?」
タカシ「ポケモンバトル!!」
父「ん?(首を傾げる)」
☓ ☓ ☓ ☓
○草むら
タツベイのお腹がいっぱいに膨れている。
タツベイ「タ〜〜〜ツ………」
タカシがそこに駆けつける。
タカシ「タツベイ!!オレンの実いっぱい持ってきたぞ!もしお前がポケモンバトルしてくれるんならオレンの実を2つ、いや、4つあげるちゃうぞ!さぁどうだ!戦う気になったか!?」
タツベイ「ファ〜〜(あくび)………」
タカシ「って眠くなってるし………も〜〜〜〜〜〜!どうすればバトルしてくれるんだよ!!」
その時、なにかが倒れる音が聞こえてくる。
タカシ「ん?なんだ?」
タカシが草むらを掻き分けると、そこには切り倒された大木と、一匹の虫ポケモンがいる。
タカシ「すげぇぇ…あのポケモンは…(ポケモン図鑑を捲る)あったあった。ストライク、かまきりポケモン。むし、ひこうタイプ。ニンジャのように素早い動きで相手を翻弄し、一瞬のスキをついて両手のカマで攻撃をする。硬いものを切れば切るほどカマの切れ味は増していく。かぁ!なんかすげぇ強そうなポケモンだな!!よぉぉし」
タカシがタツベイの元に駆けつける。
タカシ「なぁタツベイ!ストライクがいたんだ!あんな強そうなポケモンとバトルしたら絶対に楽しいと思うんだ!」
タツベイ「ふぁ〜〜(あくび)」
タカシ「お前のづつきやひのこはすごいパワーじゃないか。俺には分かるぞ。お前と一緒ならどんな相手にだって勝てる!一生のお願いだ!タツベイ!ポケモンバトルをしてくれ!頼む!」
タツベイ「ふぁ〜〜〜(あくび)(目を閉じて横になろうとする)」
タカシ「頼むよーーー!!もちろんただでとは言わないよ!!!オレンの実だってこんなに用意してきたんだ!!!!(タツベイの肩を掴んで揺らす)頼むよタツベイ!!!!!!」
タツベイ「(怒)タ〜〜〜ツッ!!!!(ひのこ)」
タカシ「うわっ!!(ギリギリのところでひのこを躱す)」
ひのこはそのまま草むらを飛び越え、ストライクにクリーンヒット。
ストライクはゆっくりとこちらを振り向き、にらみつける。
タカシ「あはは…ストライーク!バッターアウト!なんつって…」
ストライクは一歩、また一歩とこちらに近づいてくる。
タカシ「………(タツベイと顔を合わせて)逃げる?」
タツベイ「タツ(うん)」
タカシ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
タツベイ「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ストライク「ストライーーーーーク!!!!!」
タカシ「(走りながら)へっ、へっ、へっ…なんとかしないと…そうだ!(オレンの実を手に取る)。これ食べて機嫌直してくれ!(オレンの実を投げる)」
ストライク「ストストッ!!!(オレンの実を八つ裂きにする)」
タカシ「うそん!そんなのありかよ!!!」
野生のポケモンたちがタカシ達の様子を伺っている。
タカシ「へばるんじゃないぞタツベイ!遅れるな!」
タツベイ「タツ、タツ、タツ、タツ!」
タツベイがタカシを追い越していく。
タカシ「っておいタツベイ!置いてくなよ〜〜〜!!!!」
○草むら 海岸
タカシ「はぁ…はぁ…はぁ…なんとか…逃げ切れた…」
タツベイ「タ〜〜ツ…」
二人が地面に倒れ込む。
海岸の向こうの方にはロケット発射場がある。
遠くの空には入道雲が立ち込めている。
タカシ「おいタツベイ!見てみろよ!ロケットだぞ!」
タツベイ「タツ?」
タカシ「あんなでっかいのが空を飛ぶんだぞ。やっぱり科学の力ってすげぇ~よな!」
タツベイ「………(ロケットを見つめる)」
そこにバイクの音が聞こえてくる。
タカシとタツヘイが振り返る。
ジュンサーさんがタカシの近くにバイクを止める。
タカシ「ジュンサーさん!」
ジュンサー「あらタカシくん、こんにちは!一人で遊んでるなんて珍しいわね」
タカシ「一人じゃないですよ!一人と一匹です!(タツベイの方を見る)」
ジュンサー「あら、タツベイ。もしかしてタカシくん。ポケモントレーナーになったの?」
タカシ「はい!俺、今日10才になったんです。それで博士からこのタツベイを貰ったんですよ!」
ジュンサー「そうだったの。タカシくん。誕生日おめでとう!」
タカシ「ありがとうございます!」
ジュンサー「(タツベイの方を見て)はじめましてタツベイ、私はジュンサーのヤナギです。よろしくね」
タツベイ「ふん(そっぽを向く)」
ジュンサー「あら?」
タカシ「そいつ頑固でなかなか言うこと聞かないんですよ」
ジュンサー「あらそうなの、それは大変ね」
タカシ「いえいえ!コレぐらいのこと、ポケモントレーナーなら朝飯前ですよ!そういえば、ジュンサーさんはこんなところでなにをしてるんですか?」
ジュンサー「あっそうそう(バックの中から指名手配書を出す)タカシくん。この男に見覚えない?」
タカシ「ん?誰ですかこの人?」
ジュンサー「こいつはポケモンバイヤーよ。」
タカシ「ポケモンバイヤー…ですか?」
ジュンサー「野生のポケモンを乱獲して売りさばく、悪徳なポケモントレーナーのことよ。この辺りで写真の男を見たって連絡があったんだけど、なかなか見当たらなくてね」
タカシ「なんて奴だ。それじゃあ早く捕まえないと!」
ジュンサー「それが…そうも行かないのよね」
タカシ「ど、どうしてですか!?」
ジュンサー「野生のポケモンの捕獲や売買は完全に禁止されてるわけじゃないの。だからポケモンゲットの現場に立ち会っても逮捕することはできないわ」
タカシ「そ、そうなんですか…」
ジュンサー「えぇぇ、でもポケモンの乱獲によって多くの人々やポケモンが困っているのは確かなの。だからタカシくん。もし、この男を見つけたら私に連絡してほしいの」
タカシ「え?でも、逮捕できないんじゃジュンサーさんにもどうしようもないじゃないですか」
ジュンサー「まぁそれもそうなんだけど、注意ぐらいしておいたほうが良いかなと思ってね」
タカシ「分かりました!俺、ジュンサーさんに協力します!」
ジュンサー「ありがとうタカシくん、心強いわ!(バイクに乗る)それじゃあ私はパトロールに戻るわね。タカシくん、タツベイのお世話、頑張ってね!」
タカシ「はい!ジュンサーさんも!」
ジュンサーがバイクで去っていく。
タカシ「聞いたかタツベイ?ポケモンバイヤーだってさ。嫌なやつらだな」
タツ「タツ?(首を傾げる)」
その時、ストライクの声が聞こえてくる。
ストライク「(きょろきょろ)ストライーーク!!!」
タカシ「まずい!隠れろ!」
タカシとタツベイが草むらに隠れる。
草むらの隙間からストライクの様子を伺う。
タカシ「あいつ、いつの間に………」
タツベイ「………」
その時、一人の男がストライクの元に歩いてくる。
バイヤー「ほぉぉ…活きの良いストライクだ!」
タカシ「ん?あいつは…ポケモンバイヤー!!」
バイヤー「へっへっへっwこいつは高値で売れるぞ〜〜」
タカシ「あいつストライクを捕まえるつもりだな!早くジュンサーさんに………ってそういえば俺、携帯持ってないんだった…」
ストライクがポケモンバイヤーの存在に気がつく。
ストライク「ストッ(にらみつける)」
バイヤー「よぉぉし、頼むぞ!ゲンガー!!」
バイヤーの影からゲンガーが現れる。
ゲンガー「ゲンゲロゲ〜〜〜〜!!」
ゲンガーとストライクのポケモンバトルが始まる。
ストライク「ストッ!!(カマを振りかぶる)」
バイヤー「ゲンガー!!ヘドロばくだん!!」
ゲンガー「ゲンッ!!ガーーー!!!」
ゲンガーのヘドロばくだんがストライクにヒット!!
ストライク「ストッ!!(悲鳴)」
タカシ「あの素早いストライクに攻撃を当てた!?」
バイヤー「よおぉし(ニヤニヤ)(モンスターボールを投げようとする)」
タカシ「このままじゃストライクが…(タカシが走り出す)」
タツベイ「タツッ!?」
タカシがポケモンバイヤーとゲンガーの前に立ちはだかる。
タカシ「やめろ!ポケモンバイヤー!」
バイヤー「ん?なんだ小僧?」
タカシ「俺の名前はタカシ!最強のポケモントレーナーになる男だ!」
バイヤー「ほぉw、こいつはご丁寧にどうもw、俺様の名前はシゲマサ、泣く子も黙るポケモンバイヤーってのは俺のことさ!おい坊主、見ての通り、俺はこれからそこのストライクをゲットするんだ。痛い目見たくなきゃ早くそこをどきな!」
タカシ「どくもんか!お前みたいなやつにストライクはゲットさせない!!」
バイヤー「はっ!聞き分けのない小僧だ」
ゲンガー「ゲ〜〜〜ンゲ〜〜〜ン」
タカシ「うわっ!!」
ゲンガーのさいみんじゅつがタカシに命中。
タカシ「うっ………バタン(地面に倒れる)」
バイヤー「ふっへっへw、俺達に歯向かうからそんなことになるんだよw」
タカシ「ス、ストライク………」
ポケモンバイヤーとゲンガーがポケモンバイヤーに迫る。
バイヤー「へっへっへっ、ストライク。大人しく俺達にゲットされるんだな」
タツベイが倒れているタカシの元に駆け寄る。
タツベイ「タ〜〜ツ(身体を揺する)」
タカシ「…タツベイ…頼む…ストライクを…」
タツベイ「………」
バイヤー「よぉぉし、行けっ!モンスター…」
ポケモンバイヤーがモンスターボールを投げようとすると、タツベイの鳴き声が聞こえてくる。
タツベイ「ターーーーツ!!!」
バイヤー「ん?なんだ?ってあれは、タツベイ!?」
タツベイ「タツ!タツべー!!ターツターツ!!」
バイヤー「へっへっへっw、こいつはいい。まさかドラゴンタイプのポケモンとお目にかかれるなんてw、二匹とも捕まえれば、しばらくは遊んで暮らせるぜw、よし!ゲンガー!!」
ゲンガー「ゲンッ!!ガーーー!!!」
タツベイ「ターーツッ!!(軽い身のこなしでヘドロばくだんを避ける)」
バイヤー「なに!?」
タツベイ「ターーーツ!!!!(目元が赤くなる)」
バイヤー「あっあれは…げきりん!?なんでタツベイなんかがあんな大技を!!?」
タカシが細めでタツベイのことを見る。
タカシ「………タツ…ベイ?」
タツベイ「タツタツタツ!!!!(バイヤーとゲンガーに近づいていく)」
バイヤー「おいおいおい〜〜〜〜!!(汗)」
ゲンガー「ゲンゲンゲン〜〜〜〜!!(汗)」
タツベイ「ターーーーーーーツ!!!!!」
タツベイのげきりんがバイヤーとゲンガーにヒット!!
バイヤーとゲンガーが空に飛んでいく。
バイヤー「バ〜イバ〜イヤ〜〜〜〜!!(キラン)」
タツベイは力を使い果たして、息が上がっている。
タツベイ「はぁ…はぁ…はぁ…バタン(倒れる)」
しばらく時間が経ってタカシが目を覚ます。
タカシ「ん…ん………タツ…ベ……はっ!!(身体を起こす)タツベイ!どこだっ!!!」
周りを見渡すと、タツベイが倒れ込んでいる。
タカシ「タツベイ!大丈夫かタツベイ!?(体を揺する)」
タツベイ「ん〜〜〜(目を擦りゆっくりと目を開ける)」
タカシ「よかった〜〜〜…タツベイ、お前がポケモンバイヤーを退治するとこ、俺見てたぞ!!すごいなお前のげきりん!!最高にかっこいいよ!!!」
タツベイ「ターツ(首を傾げる)」
すると、ロケット発射場の方からカウントダウンの放送が聞こえてくる。
スピーカー「46、45、44、43、42…」
タカシ「うわっ!!もうそんな時間!?打ち上げ始まっちゃう!!」
タカシが海岸の端まで走っていき、タツベイもその後を追いかける。
タカシ「見てろよタツベイ、あのロケットが発射するぞ」
タツベイ「タツッ…(息を呑む)」
スピーカー「19、18、17、16、15「フライトモードオン」14、13、12、11「加工品トーチ点火」10、9、8、7「全システム準備完了」6、5、4、「メインエンジンスタート」、3、2、1、0、1、(SRBー3点火、リフトオフ)、2、3、4、5…」
ロケットがゴゴゴとけたたましい音をたてて、空に力強く飛んでいく。
煙が風でなびいてゆっくりと流れていく。
タカシ「すげぇぇ…飛んだ…」
タツベイ「タ〜ツ…」
N「これはまだまだポケモンのお話の始まりに過ぎない。ポケットモンスター、縮めてポケモン、少年タカシとタツベイの前に、壮大なポケモン世界の謎と冒険が待っている。二人の向かう先には一体何が待っているのだろうか。タカシとタツベイの冒険はまだまだ続く」
次回予告
見事、発射されたファイアロー7号機。しかし数日後。地球に帰ってきた一部の部品に、不思議な石が張り付いているのが発見された。それはタカシにとってもタツベイにとっても始めて体験する恐ろしい戦いの幕開けを意味していた。
ポケモンレンジャー
次回「出動!ポケモンレンジャー」
君は『しんか』することが出来るか




