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5 タイガー抹殺拳の巻 9

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

 敵は残り一人。ハイマウンテン側は興奮に包まれていた。

「だが油断なりませぬ。ウェスパレスの王はこの国最強の男‥‥!」

「でも、キラーさんとサイシュウさん相手に二人抜きは無理でしょう?」

 マンドリオとスフィル王子が話すのを横で聞き、サイシュウは内心思っていた。


(キラーの奴は、オレにバトン渡すつもりの戦い方はしねぇだろうなぁ)

 と。



——最後のゴングが鳴った——



 マントをリング外へ投げ捨て、ゆっくりと一歩ずつ、相手コーナーから歩いて来るマックス王。

 対してキラーは姿勢を低くして跳ぶように駆けた。

 だが激突するわけではない——王の周囲を凄まじい速度で回る。その速度も一周ごとに目に見えて上がる。それは先の試合と同じ‥‥いやそれ以上の気流を発生させた!

 竜巻が生じ、王の全身を呑み込む。


 王は「ふん!」と気合一喝。

 すると竜巻がたわみ、唸り、気(・)流(・)が(・)キ(・)ラ(・)ー(・)を(・)襲(・)っ(・)た(・)!

 竜巻に呑まれたキラーはコーナーの一つに叩きつけられる。



「え? ええ?」

 驚くソフィア。

「ど、どうしてキラー様の造った竜巻がキラー様を!?」

 驚くティア姫。



 キラーは微かに呻きながらも体勢を立て直した。かすかによろめくが、まだ致命傷には遠い。

 それを見た王は、高々と跳躍すると打点の高いドロップキックを放った!


 しかしキラーは一瞬虹色に輝いたかと思うと、その姿が幾重にも分身する。

 王の蹴りは分身をすり抜け、コーナーに突き刺さった。

 蹴りを外した王へ数人のキラーが殺人的な貫手を繰り出す、が——


 王は跳んだ。後方へと、バックジャンプである。

 バックジャンプし(・)な(・)が(・)ら(・)ボ(・)デ(・)ィ(・)プ(・)レ(・)ス(・)へ(・)移った!



「!? なんか不自然な動きをしておらんか?」

 たまげるセファラス女王。



 バックジャンプボディプレスと多数の貫手の激突!

 結果、貫手を放ったキラー達はことごとく吹き飛ばされ、一方口へ奇麗に揃って吹っ飛ばされ、まとめてコーナーへ叩きつけられた!



「なんで遠ざかる相手に貫手を当てたら相手の進行方向の反対に吹っ飛ばされるんです!?」

 たまげるスフィル王子。



 コーナーで倒れるキラー達へ、着地したマックス王が走る。

 分身達の中へ手を突っ込むと、その一体を掴(・)ん(・)で(・)引(・)っ(・)こ(・)抜(・)い(・)た(・)。

 そして流れるような動きでバックドロップへ!

 分身達が妨害しようと、ある者は起き上がりざまに跳びかかり、またある者は低空の蹴りを放つ。

 しかしその攻撃は——どう見ても当たっている筈なのに——技を一切止める事ができなかった。

 王は美しい肉体のアーチを完成させ——


 リングが衝撃で揺れた!

 キラーの体がマットにめり込む。

 王は本体を的確に見抜き、投げ技を完成させたのだ。

 王が手を離し、身を起こした時‥‥キラーはマットに倒れ、本体が受けた大きなダメージのせいで分身達は消滅した。



「なんで投げ技の途中に攻撃が当たっても平気だったの‥‥?」

 呆然と呟くソフィア。

 そこでマンドリオが慄く。

「そうか‥‥あれが一部の支配階級が身に着けたという伝説の闘法・覇我合死跳(はがあしちょう)‥‥」

「知っているのかマンドリオ?」

 サイシュウが尋ねた。



※筋肉を鍛えていると、人は自らの意思で全身のどこの筋肉でも動かす事ができるようになる。

 これを応用した戦闘技術の極限とも言えるのが覇我合死跳(はがあしちょう)とこの世界で呼ばれる奥義である。

 肉体が衝撃を受けた時に、筋肉の操作で体内から同等以上の衝撃を放って中和させる他、同原理で己に触れている物を望む方向へ撥ね飛ばし、また足場の無い中空でも多様な姿勢制御を行う事が可能となる。

 その難易度から習得は容易ではないが、これを極めた者が都市一つを手中にした犯罪組織を単身で粉砕した完全なる実話が残っている——。



「なるほど。キラー様の竜巻を跳ね返したりバックドロップに無敵時間があるみたいに妨害されなかったのは、体内からそれ以上の衝撃を筋肉で放って無効化していたと。その筋肉衝撃で姿勢制御してバックジャンプしながらボディプレスして、筋肉衝撃で触れた相手を真反対方向に吹っ飛ばしていたと」

 感心するキャシャロット。

 しかし同時に呆れかえる。

「物理法則に従うのが嫌なら素直に魔法使えばいいんじゃないですかね。この世界にはあるんだから」

 だがそんな言葉はリングの上の王には届かない。色んな意味で。



 そして、王はついにトドメを放った。

 ダウンしていたキラーを掴み、引きずり起こしたのだ。

 そしてキラーを抱え上げ、天高く跳ぶ!


 宙でキラーがひっくり返された。

 完全な流れで技がセットアップされ、そして横方向への捻りも加わる。

「スクリューパイルドライバー!?」

 驚愕するサイシュウ。

「宙で回転を始めるのもさっきからの筋肉衝撃なんですかね」

 やっぱり呆れているキャシャロット。

「キラー様ぁー!!」

 悲鳴をあげるティア姫。

 そして‥‥


 パイルドライバーがマットに刺さった!


 軽く後方にバウンドして離れるマックス王。

 キラーは‥‥僅かな間、人間柱となって頭をめり込ませたまま立っていたが、それもすぐに、ゆっくりと倒れた。



 客席が沸きに沸いた。

「マックス!」「マックス!」「マックス!」

 王の名を客が熱狂的にコールする。

「強い‥‥」

 スフィル王子が額に大粒の汗を流して呻いた。



 しかし——キラーが、ぴくりと動いた。


 客席がどよめく。

 キラーがゆっくりと身を起こした。

 ハイマウンテン勢が、驚きと、喜びと、期待の視線で見守る。

 キラーがゆっくりと‥‥立ち上がった!


 満身創痍である。

 黒装束(ニンジャガーブ)はズタボロ、顔の下半分を覆う布はずり落ち、口の端からは吐血していた。よろめく体に活を入れ、なんとか立っているありさま。

 そんなキラーを王は見下ろした。

「大した底力だ。打開策は見出したか?」


 キラーの返答は——

「実行できれば勝てる‥‥程度の物ならば」

ここを書くちょっと前、CAプコンのベルトアクションコレクションを購入した。

ひゅー面白れー最高。

何が最高って、セーブ・ロード機能がついた所だ。

ミスしたり敵の動きがインチキ過ぎたりしてメタクソにやられた時、コンティニューと復活時の敵へのダメージで倒して、敵を全然殴り足りずに不満だらけの勝ち方だったりするが、セーブロード機能があれば納得いくまでやり直せるからな!

Aビゲイルてめーだよてめーコノヤロー。

これで一機も倒されずに勝つまでリトライできるぞ!

まーおかげでFァイナルファイトが1日ではクリアできないゲームになったりしているが‥‥。

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