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2 状勢激動の巻 6

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

サンタナ王:ハイマウンテン王国の王。

スターゲイザー:主人公達を地球から集団転移させた魔術師。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

 亀艦から出撃した三機は、そのまま砦から出た。

 砦と国境線に建てられた壁を背に、街道の両側にある山林を窺う。

 そこまではまだ距離があるが――各機のモニターには周囲の地図が映され、そこに敵を示すアイコンが多数表示されていた。


「森に陣取ったまま、地形効果を活用してきやがるな。さて、どうすればいいと思う?」

 Sサンライザーからキラーへ通信を送るサイシュウ。質問というより、相手に出題している感じだ。

 キラーはSゲイルイーグルの中で、少し考えた。

(森を盾にできるのが相手の利点‥‥逆に考えれば森から出ては優位を失う。敵は位置取れる場所が限られているという事だ。ならば‥‥)

「間合いを詰めず、外側から順に射撃で倒していきましょう」


 それならば一度に多数の敵を相手にせず済む。そう考えてキラーは提案したのだが——


「べあー!」

 Sクマーベアーの操縦席でそう叫ぶと、アリンは熊に変身した。

 話を聞いていなかったのか、森へまっしぐらに突っ込む!


 その背を見つつ、サイシュウは再びキラーへ通信を送った。

「行っちまったな。予定通り行かなかったが、どうする?」

「いえ、奴が的になってくれるならそれでいいでしょう。むしろこちらの作戦通りに進め易くなった」

 キラーは森へ照準を合わせた。



 当然のように集中砲火を浴びるクマーベアー。

 だが白銀級機(シルバークラス)であり、大出力のパワー型でもあるベアーは、量産機の射撃を少しばかり受けても倒されはしない。

 森へと突っ込み、その太い腕を、その先にある大きな爪を滅茶苦茶に振り回した。

 当たるを幸い、木々が次々と倒される。そこに潜んでいた敵機も次々と倒される。


 そしてキラーとサイシュウは、森の中めがけて外から遠慮なく攻撃を仕掛けた。

 乱戦の中、傷ついた敵機は手裏剣と破壊光線を食らって次々とトドメを刺される。


 半数ほどが倒された所で、ニスケー軍は森の中を後退していった。 


「ウェハッハー、見たかベアークローの威力を! コリーン騎士の真の強さを!」

 ベアーの中で勝ち誇るアリン(熊形態)。


「流石に青銅級機(ブロンズクラス)相手なら無双だな。まぁ無理矢理突っ込んだから相当ダメージ受けているが‥‥」

 サイシュウの言う通り、機体のあちこちに矢が刺さり、煙があがっている。モニターに表示されるHPゲージは半分を下回っていた。

 だがそんな事は気にもせず、ベアーは森の奥へ走り出した。

「逃がさんぞ! 世界最優越民族の力を思い知らせてやる!」


「俺達も行くか?」

 再びキラーへ通信を送るサイシュウ。やはりどこか、その意を試しているような所がある。

 キラーの答えは――

「敵の誘いかもしれない。行きはしますが、索敵しながらにしましょう」


 だがしかし。

 途端にアリンの悲鳴が通信機から響いた。

「ガギゴゴー!」


「索敵の必要は無いようだぜ!」

 サイシュウがそう言った時、キラーのイーグルは既に駆け出していた。



――森の奥——



 首が外れそうな角度に曲がり、倒れているクマーベアー。

 その側に立つのは、厚い鎧のような装甲を纏った、大柄な類人猿のごとき機体!

 駆け付けたキラーとサイシュウへ通信が入る。

『次はどいつだ。このニスケー騎士団長マンドリオは、守備力の半端な奴を叩き潰すのが大好きでな。加減はしてやらんぞ』

 モニターに映る相手の姿は――屈強なゴリラ!

 無論、ただのゴリラではない。毛深い大男から屈強なゴリラへ変身する獣人(ワー)ゴリラなのだ。


「フン、潰せるかどうかやってみろや」

 サイシュウが前進しようとした。その時——


『ウキキキ‥‥流石は名高きカマセイル隊。自信ありと見える』

 もう一機の、小柄な類人猿のごとき機体が木陰から姿を現したのだ。

『お初にお目にかかる。我こそはニスケー国王タイコウサン。そちらを強敵と認め、私自らが出陣した』

 モニターに映る敵操縦者は赤い頬をした猿。毛深い小男から機敏な猿へ変身する獣人(ワー)モンキー!


 敵国総大将自らの出陣に、キラーは油断なく、いつでも飛び込めるよう身構える。

「なるほど。ここで決戦というわけか」



 キラーとサイシュウが、ニスケー軍の大将達と睨み合う。

 が、その隙に木陰からこそこそと一般兵の量産機が現れ、倒れたベアーへ剣を突き付けた。

 それを確認してタイコウサン王が勝ち誇った声をあげる。

『この女騎士の命が惜しければ動くな!』


「おいおい。恥も外聞もねーのか」

 呆れるサイシュウ。

 だがタイコウサン王は実に嬉しそうだった。

『ウキキキ‥‥後で反省してチャラにするとしよう』



※反省すれば許される。寛容の心は大事だ。



「た、助けてくれぇ‥‥」

 惨めな声がベアーの操縦席から漏れる。

 絶対絶命‥‥!

【登場キャラ解説】

ゴリラ将軍 マンドリオ

 ニスケー国の将軍。獣人(ワー)ゴリラ。オス。

 コリーン国を攻め落としハイマウンテンをも狙う。

 彼もまた変身型の獣人であり、普段はイラスト通りのゴリラっぽい大男だが、戦闘時には「ウッホウッホ」と唸りながら剛毛が生えて真のゴリラになる。

 知と武を兼ね備えた屈強のゴリラであり、あまり意味のない雑学をたまに知っている。

 バナナが好物。

 乗機は類人猿型のケイオス・ウォリアー:Sヒババブーン。タイプは攻撃命中型、必殺のゴリラリアートは丸太のような腕で敵を打ちのめす恐るべき武器。

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