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9 雄飛の決意の巻 2

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


キラー:主人公。召喚された元高校生。クラスチェンジアイテムによりニンジャとなった。

ストライク:森で見つけたカメレオン。

サイシュウ:ダンジョンで出会い、仲間になった異世界の上級冒険者。

ソフィア:共に召喚された吉良の同級生。日米ハーフの少女。

ティア姫:吉良が身を寄せるハイマウンテン王国の姫君。

アリン:コリーン国の女騎士。クマ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

マンドリオ:ニスケー国の将軍。ゴリラ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

キャシャロット:カパード国でキラーに買われた元メイドの奴隷少女。マッコウクジラ獣人。

セファラス女王:カパード国の女王。ハダカデバネズミ獣人。キラー達に敗れて軍門に降る。

スフィル王子:アーマルベン国の王子。キラー達に加勢した縁で仲間に加わる。

シャンマウ:ウェスパレス国の女グラップラー。ネコ獣人。

シンディ:旅の途中で拾った、人造人間種族のメイド少女。

——ハイマウンテン城・格納庫——



「シンディイイ! アイテム変換だァッー!」

「はい! 頑張ります!」

 アリンの怒声が響き、シンディが魔法加工の作業台を前にニコニコ笑顔で了解する。

 そんな二人を前に、キャシャロットがジト目で呟いた。

「素材はいっぱいありますからね」


 その言葉通り、二人の側には大量の新武器(ほとんどはカスレアリティ)が!


「また溶かしたの‥‥」

 額を抑えるソフィアの横で、サイシュウはへらへらと笑う。

「ああいう人間は一生懲りねぇ。オレは知ってるぜ」


「この【ガトリングバースト】は残しておいた方が良くないか? 戦意限界突破のついた、強SSR武器の一つだぜ?」

 武器の一つを前に正一(まさいち)が整備工として忠告するが、アリンは怒りに目を吊り上げるのみ。

「ここの機体でこれ装備できるのはSゲイルイーグルしかいないだろ! あれ、もう誰も乗らないから塩漬けになるじゃないか!」

「俺ら聖勇士(パラディン)から誰か乗ればいいだろ」

 統児(とうじ)が口を挟むが、アリンはそんな彼の襟首を掴む。

「貴様ァッー! 私の出した武器を横取りする気だな! 悪辣な強制搾取だぞ! 謝罪と賠償を千年しろ!」

 険悪な二人を、(ひで)が慌てて割って入って引き剥がした。

「で、でも当たりの武器なんだろ? これから強敵と戦うってのに、みすみす使えない装備に変えるのは勿体ないじゃんか」

「なんでハズレアイテムになると決めつけるかァッー!」

 今度はそっちへ怒鳴るアリン。


「ハズレが出る気がするな」

 キラーは呟いた。

「ハズレるでしょうね」

 キャシャロットも呟いた。

「ハズレるような気がします」

 スフィル王子も呟いた。



 そんな騒がしい格納庫へ、セファラス女王が意気揚々と駆け込んできた。

「おーい! 捕虜が情報を吐きよったぞ」

「へえ、どうやったんだ」

 感心するサイシュウに、女王は得意満面に胸を張る。

「もちろん拷問じゃ! ハイマウンテン国は拷問吏もおらん生ぬるさだからナメられる。痛い目をみないとタカをくくってヘラヘラ笑っておったあのタワケを、私が地獄に落としてやったわ!」

「え? 本当に何したの?」

 ソフィアは顔を(しか)めたが、女王は嫌悪感に気づく事もなく自慢した。


「棒へ大の字に縛り付け、全裸仰向けにして、靴で、ハイソックスで、素足で、全身あちこちを踏みつけて嬲ってやったのよ! お前は豚だ、鳴け!と嘲笑いながらな!」


「‥‥お、おう」

 サイシュウも顔を(しか)めたが、女王は嫌悪感に気づく事もなく自慢は続く。

「どんなに悔しくても抵抗できんからのう! 特にオトコを踏みにじられた時なんぞ、真っ赤な顔をして涙目でブヒブヒ言いながら、涎をダラダラたらしておったわ。で、完全に屈服して、後はこっちの訊くがまま‥‥というわけじゃ」


「うわー、酷い事するにゃー」

 シャンマウは怖気に一歩退いた。

「なんて残虐な奴だ‥‥拷問の起源のコリーンでもそんな事しないぞ」

 アリンも怖気に一歩退いた。

 インタセクシルの獣人にして戦士階級の彼女達にとっては酷い拷問なのだ。



 一方、サイシュウは特にどうとも思わないようで、平気な顔で訊く。

「まぁ喋らせたなら結果オーライだろ。で、何を吐かせた?」

 セファラス女王が得意げに答える。

「攻撃が失敗したから、念のため編成してあった第二陣が攻めてくるかも、らしいぞ」

「‥‥?」

 一同が顔を見合わせた。


 そして響く警報!

 兵士が大慌てで格納庫へ駆け込んで来る。

「敵襲う——!」

「情報遅いわ!」

 怒鳴るアリン。

 ハイマウンテン勢は一斉に各機へと散った。

設定解説


・拷問吏もおらん生ぬるさだからナメられる


戦争からは逃げ腰で、反政府活動が起こるほど荒れてもいない。よって拷問が必要な事態が滅多にない。

一応、城勤めの兵士に警察と同じ活動をする者もおり、彼らが尋問関係の技術を学んでいる‥‥事になってはいる。

だが犯罪の規模も小さい物ばかりで大掛かりな裏組織があるわけでもない。コソドロを捕まえて鞭打ち刑にする事もあるが、一発で泣いて許しを請い、訊かれた余罪をベラベラ喋って手間取らせない奴ばかり。

結局なかなか活用の機会が無いのだ。

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